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ゆったりと
雲が うごいている
ゆったりと
空が うごいている
ゆったりと
私も うごいている
ああ 背中に地球があるみたい
水になろうとするように
魚が魚のかたちで泳いでいる
そんな潮溜まりでは
生きものの群れがまばゆいという
空を仰ぐひとは
吐息ほどの
祈りの水を浮力にかえようとする
浮いては沈む
....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた
わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ
そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
....
見上げれば星屑が眩ゆすぎて
さすらえば闇が深すぎて
若いぼくらは歓喜で眠れなくて
そんな国があった
言葉でもなく指きりでもなく
確かめ合った
赤い木の実を食べて
甘い草の根をかじ ....
ずっと向こうの
そのまた ずっと向こうの
背中の海で
泳ぐひとがいる
しずかな潮がつぶやいている
わたしたち
泡ぶくだったのね
小さな水とたわむれて
いつか
生まれた ....
古い家の
納戸の隅とか仏壇とかに
小さな暗やみがいっぱいあったけれど
おばあさんがいつも座っていた
土間につづく台所にも
深い暗やみがあった
その暗がりに何があったのか
覗いたことも ....
ガードマンはハンコを押す
祝日だから
ビジネス街はひっそりとしている
八十八階の窓から山が見える
あの向こうで母は
病室の四角い空を見てるのだろう
雲という名前を失った雲は
やはり雲 ....
僕の手が
僕の指が
父の手にみえることがある
どこからか父の
僕を呼ぶ大きな声がきこえてくる
指さす先には誰もいない
声だけが耳に残る
七年ぶりに
父の洋服ダンスを開けた
....
駱駝が
ゆっくりと通り過ぎるのを
ふたりは
石の窓からみている
駱駝は寡黙な動物だと
女が言う
男もずっと
駱駝の言葉を探していたのだが
砂嵐の中へ
ときどき駱駝 ....
星をひとつもらった
夜空がすこしだけ暗くなって
そのぶん
ぼくの夜が明るくなった
きみに手紙を書く
いくども書き直したので朝になった
星のことは書かない
ぼく ....
山中 烏流さんのyo-yoさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蒼穹
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yo-yo
自由詩
2*
07-9-28
かたわらに魚のかなしみ
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yo-yo
自由詩
14*
07-8-31
つくつくぼうし
-
yo-yo
自由詩
23*
07-8-17
きみの国を探している
-
yo-yo
自由詩
12*
07-8-10
背中の海
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yo-yo
自由詩
9*
07-7-27
夏は、山の水が澄みわたるので
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yo-yo
自由詩
16*
07-7-6
ガードマン
-
yo-yo
自由詩
8*
07-5-11
手
-
yo-yo
自由詩
10*
07-5-4
駱駝(らくだ)
-
yo-yo
自由詩
8*
07-4-27
ぼくの星
-
yo-yo
自由詩
19*
07-4-20
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