僕は、夜の絵を描きたい。
あなたが安心して眠れるような、温かい、あるいは、涼しい夜を描きたい。
もし描けたら、僕もその絵のなかに入って、
きみと一緒に夢を見たい。
寂しい夜も、悲しい夜も、眠れない夜もあるけれど、夜がなくなればいいなんて思わない。
だって夜がなかったら、空でたくさんの星が瞬いていることに、気付けなかっただろうから。
遠くにも光があることを、世 ....
とても天気が良くて
気持ちいい風が吹いて
少し眼を細める光が射して

心を許せる友だちが数人いて
いつ聴いても飽きない音楽があって
偏見の目で見られても胸がときめくひとがいて

からだ ....
 夢のような暮らしの中で今日もまた朝を迎える。
 夜の魔力が次第に解けて、鳥たちの声が聞こえる。
 テラスに出ると庭のあちこちで色鮮やかな薔薇が咲いている。
 私は今ここに在る事に感謝する。 ....
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを

ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを

 アインシュタインはおどけながら呻いている
 ....
職場近くのケーキ屋さんが
店じまいした
前日まで通いつめてた私は
朝の仕込みがきついんですよー、と
おじさんの苦労も知っていたので
ま、それもありかな


真っ暗なガラスの向こう
 ....
 自由。それは広大な草原を駆ける馬。
 自由。それは大海原を切り裂く帆船。
 ほんの少しの自由を得る為には
 愛されるより愛する者でいることだ。

 人生。それは成功と失敗。
 人生。 ....
忘れられた歌が戸を叩く
風が酒乱の男みたいに木を嬲っていた

(何も知らない子どもがゲルニカを見ている

 あなたは映らない鏡
 恋している
 空白の輪郭の投影よ
 純粋すぎて
 愛 ....
お互いに果たせないこと知りながら強くゆびきり揺れる向日葵 陽光に花びらが透ける
いずれかの方向から来る花の香り
比較的晴れた日の出来事
雨の日といえば
水たまりの数々の輪
雨音という楽器の音に耳をそばだてる
曇がもたらす
色の変化 ふたつとない ....
罪人を眺めている
誰かの腹の中のように風のない夜
迎え火が目蓋の此方
灰に包まれた心臓のよう
ゆっくりと消えて往く
ただ罪人を眺めている
正義については微塵も語らない
なにかを殺し続ける ....
夜の一室で

ガムを噛みながら

バーボン

ときどき岩塩

ずっと坂本龍一


俺こそ神様のハードルを勝手に下げていないか?

俺こそ神様からのアドバイスを実行せずに失敗を ....
 桜舞い散る晩春の朝だ。
 風は未だ冷たく、貴女の頬を赤く染める。
 故郷の庭では椿が咲き誇る。
 ストーブの上ではやかんが湯気を吹いている。

 頬を染めた貴女はいつしか私の手を握る。 ....
煙草の匂いが季節によって変わることは知っている
換気扇の下で走らせていた激昂の卵を抱きながら
燻らせていた頃が懐かしい
雨の知らせも感知しながら忙しい細胞たちと共に
煙にしか見えない守護霊 ....
ほんのりが合間を縫ってココアを持たせた
降らない結晶を望みながら 
20年前の手の艶やかさを思い出しながら
ハンドクリームを細かい溝に落としてゆく
心は歳を取らない
鎧の全ては時間に ....
静かだなあ
今夜はなんとも静かだ
昨夜からの疼痛が
今は嘘のように収まって
気持ちも
まぁるく落ち着いて
こうして詩の言葉を綴る自分が居る
ちらっと記憶の奥を覗いてみたり
火照る身体を ....
夏の暑い日
しょっぱいおっぱい飲みたい
ぼくは泣いているのに
どうしてひとり置いてくの

病気がちな ぼくを
病院まで連れて行く
握った手が いつもより固く繋がれて
いつもより ....
{引用=夜明けのこない夜はないさ
あなたがぽつりいう}

懐かしい歌が
あの頃の私を連れてきた
そして今の私が唄うのを
遠い窓枠にもたれて
聞くともなく聞いている
夜のはてない深さと距 ....
たとえ朝を迎える途中であっても
厳しい人生にもある
僕たちの突端ですら
きっと色彩のある
鮮やかな情熱があるだろう
小さな群集として
四つ葉のクローバーが佇む
草原に静かに風が吹いていた ....
命のことなど問われれば
とってもエライ国会議員
「七十歳になってもまだ生きて」って 怒鳴ります
「七十歳になったら死ななあかんね」
六十九歳のお母ちゃん
淋しく笑って固まった 父の ....
.

 伝言:〈先に、宇宙に居ます〉


2つの宇宙が語り合っている
互いの法則を探り合っている
何処までも飛びつづける
卵のような艇内に閉じ籠められて
一輪の華
がお互いに咲いて ....
1.墜ちた小さな太陽

白夜には子供たちが
祭典に訪れる黄昏があったとして
平和が続く夜空に
祈りを捧げていたばかりでした
かつて遠い昔
世界大戦で投下された
広島と長崎では
人間た ....
趣味で生きているんです
死ぬこともできるかもしれないが

くだらなくとも
生きてゆくことが
せいいっぱいの趣味なんです

まだまだ生命活動を続けたいと
こころが言っているようなので
 ....
私は泣いた
君という海の波打ち際で

不器用さを
愛おしさから
短所に変化させたのは
慣れすぎた歳月と
甘えすぎた気もち

海辺に向かって
手を繋いだ瞬間を
覚えてい ....
人は反射する鏡なのです

だれかをよわいと思うとき
わたしがよわいのです

だから感じることをやめなければならない
わけではない
人はほんとうには
神器そのままではありえないから

 ....
いつか死の床で吹く風は、さらさらとして
すべての記憶をさらうでしょう
むせびないたかなしみは
いずれ天にのぼって雲になり雨とふる

信じているうちは遠ざかるものは
なにもおもわなくなるとき ....
今日は映画を見た
題材はニューヨークに住む
ビジネスマンである男の ある 物語
しかし彼は純粋な恋愛に対しては不能な男だった


そしてメディアをはじめとした性風俗などの悦楽にはまり
 ....
明日は長男の誕生日だ
生きていれば十一歳だ
たぶん生きていると思うが
確かなことは言えない

離婚した妻が家族ごと夜逃げしたのは四年半程前のことだった

離婚するに当たって当時高二だった ....
「覚めない夢もいつかは覚める

闇の深みにスポットライト
行き来するたび変身する
――あなた
咬み合うヒュドラのよう
分裂と統合の具象化
象徴としての女神よ
純・錯覚 恋は
中空の象 ....
 海を見ていた。
 港を行き交う人々の足音を聞いていた。
 岸壁に寄せる波の音に海鳥たちの鳴き声がかき消されてゆく。
 視覚よりも聴覚が敏感なそんな午後だった。

 海の色は藍色。
  ....
渡辺亘さんのおすすめリスト(659)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の絵- 水宮うみ自由詩3*18-7-13
星の数- 水宮うみ自由詩2*18-7-6
幸福への歌- HAL自由詩16*18-7-3
アトリエの休日- ヒヤシン ...自由詩9*18-6-30
永遠の雨- 田中修子自由詩16*18-6-21
私が眠くなる理由- umineko自由詩8*18-6-16
創造~彩る者- ヒヤシン ...自由詩8*18-6-16
それ以外に何が- ただのみ ...自由詩13*18-6-13
お互いに果たせないこと知りながら強くゆびきり揺れる向日葵- 北大路京 ...短歌518-6-12
いとおしさ- 小川麻由 ...自由詩3*18-4-20
愛や情けを書けば良いそれは君らの仕事だから- ただのみ ...自由詩13*18-4-18
深夜のピアノ- ペペロ自由詩918-4-18
幸福~晩春の朝に- ヒヤシン ...自由詩4*18-4-14
煙草の煙の期待- 朝焼彩茜 ...自由詩818-3-5
ココア色の雪- 朝焼彩茜 ...自由詩1317-12-19
ありがとう- ひだかた ...自由詩16*17-9-22
『しょっぱいおっぱい』- 座一自由詩9*17-9-12
夏の終わりに- そらの珊 ...自由詩20*17-8-21
これからも- りゅうの ...自由詩5*17-8-15
いのちのことなど- 為平 澪自由詩10*17-8-13
伝言_〈先に、宇宙に居ます〉- ハァモニ ...自由詩6*17-8-13
白夜の終わりを照らすひかり- りゅうの ...自由詩4*17-8-10
趣味で生きているんです- 梅昆布茶自由詩2317-8-9
波打ち際で泣く- かんな自由詩11*17-8-9
曇る鏡- 田中修子自由詩9*17-6-28
さいごはしとしとと雨- 田中修子自由詩8*17-6-14
家で映画を- 番田 自由詩117-6-12
告白〇魂の穴- ひだかた ...散文(批評 ...817-5-31
Ennui/ある朝の人生論- ただのみ ...自由詩5*17-5-20
憂鬱- ヒヤシン ...自由詩6*17-5-20

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