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砂が舞う
晴れた日ほど景色が白む
風のせいでもなく
冬のせいでもなく
グラウンドから逃げ出したい
砂のせい
砂が舞う
口に入る違和感
砂のせいだ
景色が、白い
わたしがまだ小さい頃
パパがお仕事に行くとき
ママが「行ってらっしゃい」
といってパパにちゅーをした
パパはちゅーされた後ママにいっていた
「あい・らびゅー」
あ・い・ら・びゅ ....
剥がれ落ちた
爪を
見ていたの。
まるで
複雑すぎた人生を
真後ろから
眺めてるみたいでさ。
光りもしない
石を
ただ磨いていたの。
....
お嬢さん
落し物です。
心の落し物です。
命の落し物です。
そよ風サラリ
クリスマスです。
ロウソクに火を燈しましょう
変りつづける貴方の心に火を
恋に落ちました。
キスをし ....
水曜日
僕は喫茶店のテーブルに座って
哲学者のように沈黙していた
ミミ子に別れを告げられたのは
先週のことだった
ミミ子は犬が好きだった
犬を飼うのでイサオとは別れる
....
高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
マンジュシュリ・ミトラの死んだ朝
わたしは聖河で衣を洗った
水の底でゆらめく草が
女の黒い髪の毛に見えた
空はおぼろな光に満ちていた ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの
建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ
道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり
どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
黒いカラス、黒い羽
世界の果てを見に行こう
神様は死んじゃった
つまりは神様は存在していたと言うこと
足跡を残したぬかるみは
ほどよい弾力で有る限り
アタシの痕を残しつづけ ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく
線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ
カ ....
こころのバランス。
わたしは、月の流れのように、
ときに、その波にのまれてしまう
自分を見失うことにも 慣れているのだけれど ....
朝は失望の青い匂い
小さなテーブルの上には
ビールの空き缶が並び
頭に鈍痛を抱えたまま
ネクタイを締めて鏡に向かう
寒々しい街路樹を駅へと辿る
前を歩くOLの後姿が
い ....
穏やかな夜に静かに沈もうとする頃
心亡き者が一石を投ず
心に{ルビ小波=さざなみ}広がり
ベッドの上の枕が震える
執着する人
努力する人
無欲な人
流されるままの人
....
暗い夜道を独りきり歩く
ビルディングの四角い隙間から
零れ落ちる白い光の柱
あの中できっと誰かが呼吸をしている
そう思うとなぜか悲しくなって
紺碧の夜空はどこまでも続くのに
どうして僕 ....
背中、くっついちゃうね。
語尾で分かる、彼女は眠りそうなんだと、
顔が見えない。
抱き合って繋がりあって、その先まで考えていたけど、
今はこれがコップの全て、せ(か(い
違う世界を見ていかな ....
今夜の空に2つの月が浮かんでいる
どちらもまあるく太った月だ
その色もその形もまるでそっくりおんなじなのに
照らすあかりは全然違う
右の月は煌々と
くっきり僕ら ....
自分らしく生きようとしましたね?
失格です。
はみ出した所から全てが始まった
海に浮かぶごみの中に紛れ込んだ
君宛の手紙を運ぶビンはもう
壊れきったままのものでしかなかった
それくらいいいんじゃないか
突然 ....
わぁ、キリンさんだ!
センセイ、どうしてキリンさんは
あんなに くびが ながいの?
それはね、高い所の葉っぱも食べられるためよ
わぁ、クジャクさんだ! ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている
きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
人気者に成る事程嬉しい事はない
人気者で目立つ事程嬉しい事はない
人気者になって異性からもてる事程嬉しい事はない
しかし、その反面自分の意志とはうらはらに敵ができる
自分が求め ....
のどのおくが
カラカラたたく音
聞きながらぼんやりと
空を眺めたんだ
真夜中のオリオンは
まだちょっぴり力が抜けてて
威勢はいいけど腰が引けた
ヤンキーみたいだ
毛布出して
....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる
今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
体を動かすと
ほら楽しくなります。
リズム良く左右に
スイング
懐かしいジャズバー
心が落ち着く
1週間の疲れが
癒される
ピアノの人に
天国への階段を歌ってよと
ワイン片 ....
ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら
水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡
ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷え ....
{引用=あたいはあの人がほしいんだ}
ぼこ ぼこ ぼこっ
ゆらめく光の波動
何千もの泡、泡
誰も訪れる者はない森の湖水
光すら通さない水底には
主が住んでいる
{引用 ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます
行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます
街の真ん中にある ノートルダム聖堂の
ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に
....
ショッキングピンクに彩られた図書館で
同じ色の目をした受付嬢がこう言った
あなたの瞳は黒いわね
あなたの服も黒いわね
きっとあなたの子供も黒いのね
ショッキングピンクの壁や床 ....
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