すべてのおすすめ
この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている


わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている

きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
黄昏時には不意をついて
冬が何処からか現れ
桜の枝で褐色になった枯れ葉と
わたしのこころを繋いでしまう

ポケットに入れた手が
ほんのりと寂しさに温まる頃
去年届いた便りの
名前が消え ....
古く狭いアパートメントの2階に
インディアンの砦がある


そこは彼らの最後の砦で
敏腕の保安官に制圧され
ほとんど壊滅の状態に陥っていた

四畳半のあちこちに生えたサボテンの陰や
 ....
見覚えのない住所から
冬の匂いの封筒は届き
記憶の引き出しから
銀のペイパーナイフと
あらん限りの想いの欠片とを
わたしは交互に取り出す


かさり、と開くと
月夜の薄明かりのなかで ....
青山スイさんの銀猫さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪待ち草- 銀猫自由詩21*06-12-7
漆黒の髪を愛する- 銀猫自由詩42+*06-11-27
霜月- 銀猫自由詩25*06-11-17
押入れインディアン砦- 銀猫自由詩17*06-11-14
ベルベットの夜- 銀猫自由詩24*06-11-2

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する