すべてのおすすめ
「好き」という言葉に
飽きたとしても
君を見て ピンッと動く気持ちの方向は 変わらないと思う
ずっと
霧のかかった幻のなかで
俺は一人佇んで
通り過ぎ行く人や車や季節を
ぼんやり眺めている
救急車が夜の街を支配する
隣りの部屋では
まだ若い大学生が
寝息を立ててるのが ....
それでも、あたしのブライアンは
はっ、はっ、はっ、はっ
なんて、口をあけてからだぜんたいで呼吸をして
わずかに首を傾けているだけだったし
こ ....
あの娘は世界を見つけた
そこには世界が広がっていた
周りをどれだけ見渡せど
世界だけが広がっていた
縮み上がるような冷気の中で
小さな小さなこの場所から
世界を知ってしまっ ....
(それは罰でしょうか
それともただの汚辱でしょうか・・・・・・)
樹の幹につと掛けられた梯子に登ったのは
愚かさでしょうか
それとも下卑た好奇心でしょう ....
細胞すべてが気づいてしまって
指の先から砂になる
寒さの合間で魚を逃がすと
私の鬼が ホウ と鳴く
息をするのは喉でない
呼吸をするのは肺でない
青い一つが ....
窪んだ目と
掠れた声で
それでも
微笑んでくれた
あなたは
そうやっていつも
きっと辛い時も
きっと苦しい時も
我侭で屁理屈好きで
拗ね者を装う愚息を
だいぶ痩せたねっ ....
雲だらけの
空
住居 見知らぬ
住居だらけの
風景が切れて
河だった
対岸が見えない
河だった
流れる音が聞こえない
河だった
歩きつかれて
白土の土手に
腰を下ろ ....
たとえば 空に思う様 線を引くように
臭う 修正液で
東京の地図を買い込み線を引く
川崎の地図に新しい線を引く
真っ白の線は やがて 空と地を結ぶ
たとえば 地図に思う様 線を引くよ ....
中途半端な気持ちに乾杯
緊張してお腹痛くて
5時に目が覚め
投げやりになれない
伝えたけど
肝心の事は
言えなかった。
だから
ラブレター書いた。
来週中には
多分静心無く ....
もしもわたしが秋ならば
都会のビルや街路樹ごしに
優しくあなたに
オレンジ色の陽だまりを届けよう
もしもわたしが空ならば
あなたが見る通勤電車の窓の向こうに
透んだ永遠の水色を用意 ....
ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
*
あなたには
この愛が伝わりません
ミノフスキー粒子が濃いのです
*
どうしてかしら
わたくしが
あなたを一番うまく
つかえるのに
....
ある日のこと。
38歳独身である我が先輩は堂々と勇ましく宣言した。
先輩Tさん:『今まではホームランを狙い続け
空振りを繰り返してきたけれど。』
....
正午を過ぎ、 電車に乗った。
静かな その車内で、腰かけていると、
ときに、いろんなものを目にすることがある。
その人は、片足がなかった。
....
午前四時のバックシート
湾岸線を下ってゆく
両親に会話はなくて
タイヤが高架の継ぎ目を踏むたびに
小銭入れがカタカタと音をたてる
曇天の下に都市高速の枝葉が
はるか ....
君を想っている
君を感じている
君は僕が生まれてきた時
どこかに落としてきてしまった
大切なもう片一方
たとえ遠く離れていても
いつもそばにいる
そのことを
忘れないでほしい
....
空吠えはするが一向に牙を立てない闘犬
前足を上げるだけで慎ましやかな老後を保障された象
人間以上にマナーを心得たチンパンジー
もはや母国語さえ忘れた九官鳥
そして全 ....
空は、真っ青。
陽射し、暖か。
置き傘、真っ赤。
隅っこで、ぽつり。
誰の傘?
何日も、何日も。
置いてある。
赤い、小さ目の傘。
何を待ってるの?
....
赤はあなたの朝のあいさつ
いまさらながらって照れちゃうけれど
橙大好き抱きしめてなんて
いまさらながら言えないけれど
黄いろい蝶が花びらみたい
いまなら素直に笑えそう ....
1.永遠の序章
(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
焼きいも食べたい
だって寒いから
焼きいも食べたい
だって手がかじかんでいるから
焼きいも食べたい
だって体の芯まで冷えてしまっているから
焼きいも食べたい
だって北風が正面 ....
誰にも言わないでください。
決して誰にも言わないでください。
私はミサイルです。
史上で最も長距離の射程を誇るミサイルです。
あなたのところまであっという間です。
誰にも言わないでくださ ....
クリスマスイルミが
豆電球からLEDに変わってしまった
この街のクリスマスは
昔よりずっと明るいのにうら寂しくて
キミがあのときふと言った
自分らしく生きるって結局
自分勝手ってことで ....
くらくらしている。クラシカ、遠い世界にいます。海。空に海があるよ。落ちてこない、あれ、今気付いた。なんで落ちてこないんだろう、あの海。空が青いです。ふしぎ。白いさかなが、いっぱい浮いてる。あれは死んで ....
僕がこの言葉を知ったのは十年前
五歳のときだった
近所に住んでいた
りんにいわれたことがきっかけだった。
彼女は僕の目の前で
めちゃいい笑顔でいったんだ
「あい・らびゅー」
僕は意味 ....
廃校舎に月がさしのべる
光の中野エントランスの階段を
少しずつ確かめるように登っていく
昔のクラスの自分席に座って
月明かりに照らされて
まぶしいので目を細める ....
夜一人煙草を吸う
空気が美味しい
散歩に出る
男だけど怖い
男子高校生が怖い
やくざのおっさんも怖い
からもうとする
一人散歩をする
会社はみんな女性だ
もてる
店長がお見 ....
まだ秋
なんていっておきながら
夕方の寒さは冬
部活が終わって制服に着替えていると
テニスコートの外に
学校で飼っている黒猫
<おい
お前は何をやっているんだい>
黒猫はた ....
暗闇のなかを片輪の百足虫が走る。
背中は凍りつくように冷めたい。
十時が一番うつくしい、君、
髪はながいほうがよい、
鏡は嘘しかつきようがない、
だって彼には腹というものがな ....
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