すべてのおすすめ
最近気付いたんだけど
私にはネジが一本足りないようだ
私はフツーの人が羨ましい
勉強も運動も恋愛も友情も
それなりに出来るフツーの人が羨ましくて
両親と楽しそうに笑っているフツーの人を
....
{引用=
一、この手
誰かと比べてみたならば
大きい小さいは
あるかも知れないけれど
空はあまりに広いし
海はあまりに重たくて
ほら、
ひとの手は
どうしようもないくらいに
....
{引用=街}
街は
灰色にかじかんで
遠くを見る
{引用=鳥}
丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す
{引用=画廊}
画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も ....
朝の新しい風が
粉雪を連れて
大地に白を吹きかけて
ささやかなあいさつをする
冬の風に蒔かれたその種は
すぐに銀色の花を開かせ
土の中へともぐってゆき
次の朝の茎となる
大地の ....
走って
走って
逃げてほしい
辛いことを耐え続けるのが
本当の勇気じゃない
勇者に憧れるのは分かる
でもね本当の勇者は
逃げる勇気も併せ持ってるんだよ
....
サラサラ
サラサラ
時の流れて行く音が聞こえた
ドクドク
ドクドク
血液が流れる音が聞こえた
カーキ色した夜を越えて
浅い眠りか ....
ここから最終行までを いっきに
ロープで吊るし、
よし ブランコだ
サーカスのはじまり
はじまり〜
のまえに
「お腹空いてないかい?
....
勤労感謝の日の昼下がり
今年も晴れているから
散歩に行かなくてはならない
木枯らしの吹く前にと
慌ただしく一年分の
犬の散歩する人の群が
通学路の小径を占拠して
昨日の午後
学校帰 ....
もうすぐ狼がやってくる
山羊なんかを食う
羊羹なんかを歯の間に挟んで
山羊なんかを食う
めえ
俺は牛の乳を搾取する
俺の牛からも
お前の牛からも
しかたなく全て搾取する
それが俺 ....
「修行」という言葉が胸をしめつける
もうなんにもいらない
人間としての幸福がほしい
地球には様々な花がある
すぐに散ってしまう花
すぐに枯れてしまう花
どんな環境でも咲いている花
桜のように人々を魅了する花
薔薇のように刺 ....
かかえこまれて
光線から隠れて
鼓動の深さに滲む
羅列
虹のような破線
こぼれる
ガラス の
底の底
あなた
立ち去りなさい
私が
自由になるのだか ....
オカチャベ たべる
と言ってキミは
お茶漬け海苔もって来るから
ボクは困ってしまうんだ
彼女はコワイ顔で
食べさせるなと無言の圧力かける
でも休日だからいつも寝顔だから
つい甘やかし ....
最初の日曜日、世界は混沌とした闇の中にあって、まだ私の手の届く範囲内でした。
最初の夏、世界は混沌とした闇の中にあって、私はその世界で王様でした。
最初の冬、混沌とした世界は終わりを ....
今日生きれてよかったと
思える日が一日でもあれば
一週間は生きてゆこうと思える
今週生きててよかったと
思える週が一週間でもあれば
一ヶ月は生きてゆこうと思える
そう思えるのはわず ....
箪笥のいない夜更けに
わたしは廃屋に棲む四つ目と会う
四つ目を思うとなんだかせつなくて
夕暮れ時からたまらない気持ちになる
廃屋が見える路地まで来たら
心臓が喉元ま ....
箪笥はいつも 夜更けに戻る
鼻歌まじりに 廊下を歩き
暗い風呂場で くしゃみする
畳ニ枚分 離した布団に
ドーンと倒れて いびきをかく
酒の臭気に 眠りの鎖が
....
ジョニーは自分では
きっと前世はやかんだったに違いないという
なんでやかんなのと聞くと
やかんを見ると落ち着くからだって
俺はやかんに戻りたい
お湯をわかして暮らしたいよ
ジョニー
....
リンリンと初雪がゆっくりと
空から落ちてきます
手で取って見たけど体温で
雪が滴へと変わってしまいました
今日はずっと降っているらしい
明日起きたらスグ窓を見て ....
( ピエロは独りよたついて
( {ルビ歪=ゆが}んだ後ろ姿で
( 深夜のネオン街を横切ってゆく
早朝 夢から覚めると
そこはネットカフェの個室だった
昨晩は酔いどれたまま
揺 ....
月曜日は新聞当番なので
いつもより一時間早く出勤する
業界紙も含めた各紙を切り抜き
部長室分もあわせて十三部コピーする
厳密に言えば著作権違反という議論も
今ではどこかに行ってしまった
そ ....
朝の駅構内ベーカリー
カウンターに座る僕の傍らには
湯気が昇るホットティーと
サランラップに包まれたホットドック
開いては閉じるガラスのドアの向こう側で
すでに動き始めている東京 ....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく
信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている
かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
◇尾瀬ケ原
虹に遇ふ
もつとも
さやかなるときに
◇車窓より
白鷺は立つ
点々と
四、五枚の
刈り田に
一羽
....
いまは更地になっている
高校の前から自転車で少しいったところの
あの荒廃した土地には
昔ジャスコが建っていた
しみったれた汚い店だったが
中にはフードコートもスーパーも
一応あ ....
電柱と同じように
等間隔に植えられた木々の公園
朽ちた木材のベンチだけが
元来の自然を人々に示す
誰も座れなくなったベンチは
誰も迎えることができず
ただ一人で
日向ぼっこを楽しむ
....
喜びのうたが
空から零れてくる
おはよう、おはよう、おはよう
躍動するエネルギー
まあるく紅く凝縮すると
ほら、朝が来る
大きな蒼い空に雲
浮かび、たゆたい、 ....
陽だまりのベンチで
あなたの姿を見つけたよ
何気ない仕草のひとつひとつから
幸せのあり方を掬いだしては
これで良いのだと
ひとり頷くあなたの姿
大きな卵でも抱きかかえるように
胸の前で孤 ....
あんたがなァ喜んでくれんなら
あんたがなァ気持ちええと言うてくれんなら
うちの手のひらがこすれて
皮膚がベロベロになってもえェねん
喉奥で吐きそうになっても
我慢したるわ
....
ある日松葉通りで少女を助けた.
少女はガラの悪い男に絡まれていたわけでもなく
落とし物をしたわけでもなく
道に迷って途方にくれていたわけでもなかったが
助けを求めており
僕はそれに答えた.
....
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