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私は
花びらが一枚足りないの
みんなは五枚なんだ
でもね


  一 

ずっと前、
私は小さな種でした
ほんとに小さくて、軽くて、やわらかかった
あの土と、この風が私を育て ....
先日深夜のテレビでロックフェスのLIVEを観た
したら何かみんな長髪でグラサンかけて皮のパンツはいてて
ギタリストがソロの時格好つけつつ照れてた
ロックはほとんどもう俺をドキドキさせてくれない
 ....
薄曇りの空は
上から私を見つめるが何も語らぬ
道端の花は
小さくひそやかに咲いている
緑は影含み揺れゆるやかな坂へ
おいでおいでする
白いガードレールは
くたびれながら道案内をする

 ....
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
 ....
苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親 ....
身分証明書を
と言われて財布を探ったが
パン屋のレシートがぱらりと落ちただけ
カード入れにはブックオフのカードだけ
午後の図書館だった

カウンターのミセスは
住所と名前が記されている  ....
しかしまあどうだ今朝のこの赤ん坊っぷりは
何にも考えてない
何にも考えてないで
シャウトしてるぜ
オパポー
オパポー
おぱぽう
おはようじゃなくて
おぱぽうだ
 ....
昨日のこと。
夕暮れる空をくじらは泳いで
大きなくじらのそばには
半分ほどの大きさのくじらがいます。
小さなくじらは泳ぐのが苦手なので
大きなくじらよりも先に
尾が橙色に染まってしまいます ....
緩やかな曲率で
道は行き止まりまで続いていた
そこより遠い場所を
知らなかったので
墓標はその岬に、と決めていた

漁火の整列する底には
冷たい海流があって
行き止まりの
もっと向こ ....
棍棒を
作った
オークの
頭四キロの

素振りを
ずっとしてた
だってお前が
怖がるから

引っ越した家は
夜少し静か過ぎて
お前が怖がるから
まあ実は俺 ....
タイも
ヒラメも
マグロも
みんないました
白いお皿の上で
おそろいのお刺身でした
海みたい
子が言いました
まだ海を
見たことのない子でした
 酒は独りでは呑まない
 煙草とコーヒーがライフライン

 青紫の煙の先にモニターが瞬き
 端には冷えた缶コーヒーを配置する

 ニコチンとカフェインが
 僕の創作意欲を書きたてる

 ....
まめクジラの水槽には
売約済みの札が貼られていた
まだ幼いのか
さざ波を飲み込んだり
小さな噴水をあげては
くるくる浮き沈み
はしゃいでいる

こっそり水槽に指を垂らすと
あたたかい ....
交差点の向こう側で
指揮者がタクトを振っている
その動きに合わせて
たくさんの仔猫たちが
次々に海へと入っていくのが見える
カタクチイワシの群れが来ているのだ
胡麻漬け
卯の花漬 ....
?.

あなたを
あなたのすてきなところを

一日
大切にする

あなたを
あなたの汚れたところを

裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
郵便配達員がポストと
駆け落ちをした
四畳半の小さな部屋だった
配達員は毎日
せっせと手紙を書いて投函した
春という字を書くと
いつも何だかくすぐったかった
集配時間には
ごめんね ....
夕映えに長く伸びた影の 
手足のしなやかに動くのを 
美しいと見惚れた 

サッカーボールが弾むたびに 
視線が鋭く光るのも 
伸びかけの髪をかきあげて 
おどけて笑う口元も 
 ....
  あなた、ルリツグミのヒナと
  お昼寝をしたことはあって?



風を確かめるように浮かべた
少女の白いあご、のライン
穏やかな微笑みに
たたまれてゆく{ルビ睫=まつげ}


 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
女はいつも災いをもたらす 
憂いを含んだ微笑みで 
鏡に向かい髪を梳く 
後ろ姿に見惚れてはいけない 

鏡の中の女と 
視線を合わせてはいけない 

男はいつも災いをもたらす ....
  あなた、アオウミガメの背中を
  匂ったことはあって?



少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える


 ....
?.

ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ

あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
ドングリを3個
ぼくの手のひらの上にのせて
3円ですと娘が言った
ぼくはナンキンハゼの葉っぱを3枚
娘の手のひらの上にのせる

ひとりといっぴきと
ひと粒のために
こ ....
スーパーのレジで
おつりのコインを数枚受け取ると
「わあ、お金が増えたね」
と娘は目を輝かせる

自動ドアから出るときも
「あのおばさん、きっと親切な人なんだよ」
ふわふわと歌う
 ....
ユーメーンの描いた絵の背景が
なぜオレンヂなのか
いつも考えた

答えは出ない
なんとなくビワが食べたくなる以外は
なにも浮かばない
日によっては干し柿、
それくらいだ


 ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる

新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る

夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
青山スイさんの自由詩おすすめリスト(721)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四ツ花- Rin.自由詩22*06-10-24
ロックについて- 馬野ミキ自由詩1406-10-23
薄雲- さくらほ自由詩12*06-10-23
図工- たもつ自由詩1406-10-21
苺ジャム幻想- たもつ自由詩19*06-10-18
図書館に通う- 吉田ぐん ...自由詩3806-10-17
かがやき- 水在らあ ...自由詩41+*06-10-13
くじらのいるそら- 夕凪ここ ...自由詩10*06-10-9
風、とまどう鳥よりも- たりぽん ...自由詩14*06-10-8
棍棒- 水在らあ ...自由詩26*06-10-8
水面を知らない- たもつ自由詩1206-10-5
煙草とコーヒーと詩と- 山崎 風 ...自由詩506-10-4
クジラになった少年- 佐野権太自由詩43*06-10-3
カタクチイワシの仔猫たち- たもつ自由詩16*06-10-1
あなた- 水在らあ ...自由詩76+*06-9-19
ふたりのこと- たもつ自由詩1806-9-4
放課後- 落合朱美自由詩2906-9-2
回遊する少女2_(ルリツグミ)- 佐野権太自由詩24*06-9-1
ドラえもん- たもつ自由詩9406-8-3
シンメトリー・パンドラ- 落合朱美自由詩25*06-8-3
回遊する少女_(アオウミガメ)- 佐野権太自由詩30*06-8-1
あ、じ、さ、い。- 水在らあ ...自由詩67+*06-7-5
一緒になっちまう- 水在らあ ...自由詩18*06-6-7
サバイバルゲーム- yo-yo自由詩6*06-6-4
おつり- たもつ自由詩54+06-2-26
Youmen- アルビノ自由詩206-1-17
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
初詣- たもつ自由詩5206-1-2
滑らかに廻り続ける欲望の輪- 大覚アキ ...自由詩126*05-2-27
世界- たもつ自由詩3904-4-2

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