駅の東口を出る、二、三歩の、携帯のメロディ
ごめん、やっぱり会議で遅くなる。
待ちぼうけに、溜息が渇いた
不似合いな街の、バックグラウンド、どこか鮮やか

歩きついた香水店の、誘惑の一滴
 ....
 
 
お正月
母の実家から見える
山脈の麓にスキー場があった
数キロ続く田の先にある
駅前の街のそのさらに数キロ続く
田の果てに
スキー場が見えていた

とても遠いところなのに
 ....
コップの縁からあふれている
緑は
泣き出しそうに
低いところへ向かっていく

その底辺で
受け止めて
手の中に溜まっていくのをみてる

私の睫毛の先から漏れた
藍色と
手の中 ....
 
 ただいまは義務となってリビングのぬるい牛乳 面を震わす

 朝の床夢の旅路に疲れ果てただいまと言いおかえりを聞く 

 ただいまと家族にただいま話しかけただいまはまだただいまのまま
 ....
二週間に一度
電車に揺られ
ヘッドフォンで耳を塞いでもうなんにも余計な物は聞かないように

通い慣れた踏切/目的地以外は何もわからない駅/ひゃくにじゅうえんで三時間珈琲

先生はどうですか ....
きのう
遠い夕暮れから
やって来る
潮風が
暗い林を
揺らす

今日
秋の雨にぬれて
霞んだ彼方に
きのうの夕暮れを
重ねる
染み込むように
雨の色に
ぬれて
今日が過ぎ ....
おかあさんがわたしをうんだので
わたしはおねえちゃんをうんで
おねえちゃんがまっさらなわたしをうんだらいいな
単細胞生物みたいに生きられるわたしを
おねえちゃんにうんでほしいんだ

わたし ....
 
 
操られた体が
わたしに還ってくる
ある夏の日に
今日は何しようかと
思うことができた朝
父に誘われて釣りに行った
帰り道
あの日と同じ夕日を
今は息子と見てる

明日の ....
揺れる花は荒野に一輪だけ

その上で流れた一線の流れ星

空間は穏やかに過ごしていた

まだまだ口にだしていない言葉は

たくさんあるけれど

それもこの花が枯れる時には言えるだろ ....
秋の日の 白い光は 死のごとく



「おかえり」の なき身に響く 五時の鐘



夕闇に 迷う言葉が 沈んでく
季節と季節の繋ぎ目になると
あたしの手にはささくれが顔を出します

親不孝のしるしだなんて
よく言われるけれど
そうしたらあたしは
年に四回も親不孝な時期があるのかと
すこしがっかりする

もう蝉も鳴 ....
透明なので正座して視る 秋陽


銀河の尾が見えるような青空だ


常緑の緑を眼が食べている
 
 
階段を昇降する足音が聞こえる
非常口を開けると足音は止み
階段も非常口もないことに気づいた私は
宇宙空間にただ一人浮かんでいるのだった
かつてそこで生まれて死んだ
惑星の欠片のよ ....
藍色の男は
熱風に散らされた
陽のオレンジを求め
砂漠の旅をする

橙色の女は
夜にただひとり
星を眺め
花言葉を紡ぐ

星を見ない男と
渇くことのない女は
鳥たちの涙を誘い
 ....
『テイルとダッタの兄弟は森に逃げ出したが兄のダッタは嫉妬からテイルを殺し神様は何をしているダッタお前はまさか弟を殺しているのか?はい神様私は一人で夜だっ


彼は電車になっている
どうも姿が見 ....
夜の街を歩く僕はがらんどうで、容赦なく風は僕を通り抜けるのだから僕はまさしくがらんどうそのもので、だけれど僕が見ている街の景色、例えばオレンジ色の街路灯、海まで続くと訊いた道、車のエンジン音には確かに .... わたしの持つ薬はどれも白いから
毎晩飲む度にわたしは呆けていく
(わたしがその日あかくてもみどりでも幸福なきいろでも)
あまり仲がよろしくない為に
ねむりを思い出すのに2、3時間を要してしまう ....
碧空を 裂いて美し 白い凧

暮れる夏 散った桜を 思い出す

葉の影に 隠れ取られぬ なすひとつ
色のない街は、
 誰もがうつむき同じ顔をつくる
 雑踏の行きかうコンコースの{ルビ黄泉=こうせん}

かぎりない人たちが 少しもかわらぬ服をまとっている
 はてなく続くエスカレーターの無限階 ....
回転扉の向こうはサバンナだった。
「さぁ、はやく。」
何かに躊躇っているうちに
電解質と一緒に失われた
青という名の雷鳴。



「サバンナに広がるベッドには、 ....
箱に詰めて流したきみを
どこか異国の空が受け止めてくれているころかしら
どうしてもコール音が鳴りやまなくて
きみは深海の奥深くへ行くと言ってきかないものだから

回転する機械はいつも
わた ....
ここに一脚の椅子があって

それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした

そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
鳥のなかに
からだごと入ると
母のようにあたたかい
まだ生きている
わたしのように
鳥も飛び
わたしも鳴く
父が死んだように
湖になって
空を映している
わたしも映る  ....
君はみぞおちのなかに
あたたかな雨を隠しているのでしょう?

いつになれば海の向こうに渦巻くひかりを
私は集めることができるのでしょうね。

緑色だとか
青色だとか
太陽に照らされると ....
小学校と家との間
決められた道順が忌まわしくて
通学路の距離は
私の家がクラスで一番長かった
私の通学路は、
ひとりぼっちの道が長い
道のりは木陰が多く薄暗い
ざわざわ揺れる ....
平日の真昼間からチューハイ片手に地元を闊歩すれば
ご近所さんの白い白い眼差しを否が応でも全身に浴びる
それでも歩いてしまうのは
世界の秘密が知りたいから

ふらふらと歩く私を叱責するものはも ....
ひとりのおおかしぎが
海を渡ってきたのを
見ましたか?

それはどんなふうだったでしょうか
せなかを丸めて
いつものように
口もきかずに
それでいてたくさんのことを
瞳で語り
そん ....
虫の声が秋の夜を偲び


街に溢れた陽光と抱擁を交わす


陽を受け入れて秋の体を透明にす


ビルとビルの間にコスモスなど咲かす


夜が長く影引いてあなたとの時


 ....
誰も待ってくれないから
みんな子供であることを
あきらめるしかなかった
そうして前を見て進み汗をかいては
花の色でさえも忘れていった
たがいの溝を埋めあっても
ひとりずつは変らず小さく
 ....
明け方近く
目覚める瞬間
誰かの夢が
紛れ込む
 夜分恐れ入ります
丁寧にみつ指を着いて
にじり寄る
 よろしく
と言おうとしたら
白々と窓がまぶしい
吉田ぐんじょうさんのおすすめリスト(498)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
想起の中で- かんな自由詩6*09-9-14
スキー場- 小川 葉自由詩709-9-14
幸福な夜には- ミゼット自由詩4*09-9-14
家族にただいま- キッチン短歌1*09-9-14
おくすりはあなたにひつようだろう- あぐり自由詩8*09-9-13
きのう・今日・あした- フクスケ自由詩109-9-13
まっさらなほどの欠如を- あぐり自由詩9*09-9-11
体操- 小川 葉自由詩3*09-9-11
透明な傘- こめ自由詩1409-9-11
全て訳なく悲しい季節- 小林 柳俳句2*09-9-10
変わり目- eagle携帯写真+ ...409-9-10
そして秋- アハウ俳句4*09-9-10
宇宙怪談- 小川 葉自由詩209-9-10
供物- zihan自由詩5*09-9-10
テイルとダッタ- キムラタ ...自由詩1+09-9-10
ポケットのなか- 熊野とろ ...自由詩209-9-9
眠る為の色はなにいろだろうか- あぐり自由詩5*09-9-9
またすぐに_夏- 小林 柳俳句2*09-9-9
Concourse/叛乱- 月乃助自由詩5*09-9-9
ポカリスエット- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...23*09-9-8
さいはて。- ジャイコ自由詩909-9-8
ラヴなひと- 恋月 ぴ ...自由詩34*09-9-8
The_Coo_Coo_Bird- 小川 葉自由詩409-9-8
表面張力- ジャイコ自由詩409-9-8
通学路- 百瀬朝子自由詩4*09-9-8
ハタチ女の憂鬱- ゆるこ自由詩8*09-9-7
ひとりの・・・- ふるる自由詩6*09-9-7
常に蝶が舞う- アハウ俳句309-9-6
必罰- 岡部淳太 ...自由詩809-9-6
他人の夢- フクスケ自由詩209-9-6

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