すべてのおすすめ
マミが笑って ユウコが溶けて
窓からの日差しで
宙に舞っているわたぼこりがよく見えた

溶けたというのは
消えたとか 死んだという意味ではなく
とても細かく分散され
地球に散らばったとい ....
祈りが終わった午後
少年が誰もいない浜辺の砂の中を這い回り
内側から絞りだされるヌメヌメした粘液の放つ臭いと
舌触りだけをたよりに彼のお気に入りを探し出すとき
遠くで波は小さな奇跡が起こるのを ....
明日はお見舞いに行くのだ
末期がんで抗がん剤投与も止めてしまった
半年か一年に一度くらいの頻度で会ってた
親戚のおばさん

会いにきてほしいと
おばさんの家族から連絡があって
それはたぶ ....
黒板には白いチョークで円が書かれていた。
その上には12グラムと。
この丸い西瓜を3人で分けるとどうなる?と教師は質問した。
手を上げた女子は、3グラムずつになります、と答える。
小学校6年の ....
陶器製のビアタンブラー
の中でコークの泡が弾けている

チリリリリ
チリリリリリ

なんて機械的な
なんて人工的な

音だろう

飲み干しながら
いつもより覚醒を
強く感じて ....
無人の霊園に吹き抜ける
夕暮れの風を頬に受けて  
墓石の下に隠れた祖母に 
両手を、合わせる。  

背後を振り返り 
見渡す故郷の山々に 
あの頃よりも増えた家々は埋もれ ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。


わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
夕立/突然の豪雨と雷鳴が轟いた
それは子宮の中で聴いた母の心音のような気がした
時折、去来する淋しさは冥府からの呼び声に思え
無言で空を見上げると、大きな穴が開いていた

依りかかって生きて ....
自暴自棄でつり革を握り
満身創痍に揺れていた

伏せ目がちで他人の
足元ばかりが気になっては
給料明細を無くしてしまってた

ポケットのジャラ銭を鳴らして
街角に立つ托鉢姿の
老人を ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真


はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
夜の海ほど怖いものはない

宵闇の奥のさらにその奥から
打ち寄せる波の音色は
私の心を光の届かぬ深海にまで
攫ってしまいそうで


ひとつの物語が今日
終わってしまった

私の支 ....
雲を切る
つめたい雨が
ひそやかに やってくる 
街は、もう秋でした

はだに まとわりつくようなとおり雨に
好きなように ぬれてあるけば
どんな、誰が住んでいようと
わらいごえに ....
公園で遊んで忘れたプラスチックのじょうろを
思い出せる自信がない

あの子を呼ぶ老婆の声
飴かチョコレート(とけかかった)

寒さを感じることなく
料理は鍋のふちに背伸びし
あくを注意 ....
傾斜20度の下り坂に彼女は被写体を見つけ
あわてて焦点を黒点に合わせたのだった
気道を塞ぐカルキ臭の
真白い
欺き

見抜けない
寒空
かがやくものを産み落としたくて
少女は磨 ....
   

    {引用=
    思えばまるで体全体が鼓膜で包まれているかのように敏感で危うくて響
    きすぎだったのだから詰め寄るとなると耳かきなんてもってのほかでせ
    めて綿 ....
つかれてすごい泣きながら
タイミング良く酒井法子が釈放された瞬間をリアルタイムで見てた
横付けされた車に乗り込む彼女を
天から光が射してきて包み込むのを
リポーターたちがあわてて中継し ....
どうしましょうどうしましょう!
まずなんといっても換気が悪いと思う


が詰まりそうだ
この部屋にははだかになった48人の透明人間がいて、もうずっと気まずそうにしている
透明人間には他の ....
この街に
夜が戻ってくる
小さな無数の鳥の形だ

夜が鳴き交しうるさい真っ黒な空だ
夜が羽ばたき異臭 夜が巻き散らすむせる羽毛
鳥たちが空に満ちれば
この街の夜が完成だ

この鳥たち ....
いちわはうらの杉林の中を通りすぎていき
羊歯の林を光が、
しゃらしゃら とゆれる時

噴水の流れはしゃらきゃら反射しており
公園のブランコにやせた足
とおくをみつめている
常温のワイシャ ....
僕は 海のそばに住むことにした

十月の浜は ひとけがない
足跡もなくて 夏よりきれい

海の家は ほったらかしで
風鈴がやたら 鳴っている

冷たい風に ゆれる
ガラスの音で 空気 ....
{引用=
僕のアパートは猫が飼えない
窓から見えるのは隣の物置と、アルミのベランダの裏側だけ
コンビニのビニール袋が 風にふかれてカサカサ笑い
忘れられた洗濯物が 雨に打たれてしおしお泣いてる ....
駅の東口を出る、二、三歩の、携帯のメロディ
ごめん、やっぱり会議で遅くなる。
待ちぼうけに、溜息が渇いた
不似合いな街の、バックグラウンド、どこか鮮やか

歩きついた香水店の、誘惑の一滴
 ....
 
 
お正月
母の実家から見える
山脈の麓にスキー場があった
数キロ続く田の先にある
駅前の街のそのさらに数キロ続く
田の果てに
スキー場が見えていた

とても遠いところなのに
 ....
コップの縁からあふれている
緑は
泣き出しそうに
低いところへ向かっていく

その底辺で
受け止めて
手の中に溜まっていくのをみてる

私の睫毛の先から漏れた
藍色と
手の中 ....
二週間に一度
電車に揺られ
ヘッドフォンで耳を塞いでもうなんにも余計な物は聞かないように

通い慣れた踏切/目的地以外は何もわからない駅/ひゃくにじゅうえんで三時間珈琲

先生はどうですか ....
きのう
遠い夕暮れから
やって来る
潮風が
暗い林を
揺らす

今日
秋の雨にぬれて
霞んだ彼方に
きのうの夕暮れを
重ねる
染み込むように
雨の色に
ぬれて
今日が過ぎ ....
おかあさんがわたしをうんだので
わたしはおねえちゃんをうんで
おねえちゃんがまっさらなわたしをうんだらいいな
単細胞生物みたいに生きられるわたしを
おねえちゃんにうんでほしいんだ

わたし ....
 
 
操られた体が
わたしに還ってくる
ある夏の日に
今日は何しようかと
思うことができた朝
父に誘われて釣りに行った
帰り道
あの日と同じ夕日を
今は息子と見てる

明日の ....
揺れる花は荒野に一輪だけ

その上で流れた一線の流れ星

空間は穏やかに過ごしていた

まだまだ口にだしていない言葉は

たくさんあるけれど

それもこの花が枯れる時には言えるだろ ....
 
 
階段を昇降する足音が聞こえる
非常口を開けると足音は止み
階段も非常口もないことに気づいた私は
宇宙空間にただ一人浮かんでいるのだった
かつてそこで生まれて死んだ
惑星の欠片のよ ....
吉田ぐんじょうさんの自由詩おすすめリスト(443)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
MAMI- 人 さわ ...自由詩209-9-19
祈りが終わった午後- 花形新次自由詩109-9-19
向き合う- 水中原動 ...自由詩6*09-9-18
分け隔てる- ブライア ...自由詩2*09-9-18
金属質の泡- kauz ...自由詩6*09-9-17
夕闇の暮れる、その前に_ー祖母の墓前にてー_- 服部 剛自由詩6*09-9-17
うずく、まる。- 夏嶋 真 ...自由詩4909-9-17
あいまいな秋の地平線- within自由詩11*09-9-17
ねぐらへ帰ろう- 流木自由詩109-9-16
ハレルヤ- あ。自由詩21*09-9-16
いわない①- 相良ゆう自由詩509-9-16
Lavender/香気- 月乃助自由詩2*09-9-16
じょうろ- ふるる自由詩709-9-16
人工呼吸- ogawa hana自由詩409-9-15
ザッツベリーダーリン- ogawa hana自由詩5*09-9-15
酒井法子- モリマサ ...自由詩909-9-15
密室恋愛相談- さわ田マ ...自由詩209-9-15
夜の鳥- キムラタ ...自由詩5*09-9-15
名無し- こしごえ自由詩2*09-9-15
暗くあたたかい所へ- 小林 柳自由詩3*09-9-14
あなたと僕と猫と猫- リーフレ ...自由詩709-9-14
想起の中で- かんな自由詩6*09-9-14
スキー場- 小川 葉自由詩709-9-14
幸福な夜には- ミゼット自由詩4*09-9-14
おくすりはあなたにひつようだろう- あぐり自由詩8*09-9-13
きのう・今日・あした- フクスケ自由詩109-9-13
まっさらなほどの欠如を- あぐり自由詩9*09-9-11
体操- 小川 葉自由詩3*09-9-11
透明な傘- こめ自由詩1409-9-11
宇宙怪談- 小川 葉自由詩209-9-10

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