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{引用=
盆がすぎ、まだ青々と立つ稲の 鈴花が
まだ咲かぬのかと歯軋りする歯は黄色く毀れ
甘みが乗らなかった梨の実をもぎ
浅く掘った穴に震える足で踏みつけていく
「来年はがんばれよ」 と ....
 
 
こうちゃんがいる
淹れたての
紅茶の湯気の向こうにいると
寝言を言って
祖母は祖父を追うように
逝ってしまった

けれども祖父は
こうちゃんという
名前ではなかった

 ....
信号があるから信号と言った
月が出ていたから月と呟いた
手をとれば手があると知れる

何が分かるわけでもない
たよりない
こわいこわい

話すべきひとつの何かを願う
願いは願ったとた ....
橋の袂から川に沿って伸びる灯り
向こうは賑やかだね、と言う
川は此方から彼方へ
花火の焼けた火薬の匂い
炎に揺れる小な提灯あかり
再び鳴き始めた虫

るりり、るりり、るりり、

ばあ ....
花垣線に乗った。
駅長さんを呼んでみたが、
もうずいぶん前から、この駅は無人だった。

乗り換えの駅に到着した。
次の電車が来ないので、
改札を通って、待合室で待った。

強風のため、 ....
テーブルの上に置かれたマカロンは
食べるのがもったいなくて
子供の頃大切にしていて使えなかった色鉛筆のよう
ピンク、みずいろ、きいろ、きみどり
思い出せる色はぜんぶ淡い

金魚すくい
浴 ....
 いくつもの、
 接がれない
 夕刻のだいだい色を
 ポケットにしまおうとして
 持ちかえれない
 そんな夜は暗闇に目を凝らした

この病棟の窓から見える夜景は
いつもと変わらない
 ....
漫画喫茶のこしつ
トイレのこしつ
こしこしと
トイレットペーパーちぎっ
て繋いでしんがのこっ
たそれはあたたかかっ


男女をもてあましている
けれど混合リレーをするためのものでも ....
ギャリギャリと蝉が鳴いているのだが
どの音がどの蝉なのかわからないので耳を塞いだ
ひぐらしが鳴いていても
悲しくなるので耳を塞いでいる
口に咥えたままの煙草の灰が
洗いたてのシャツに引っかか ....
知人から借りた全集をブックオフに売りにいく
150円だという
本を貸してくれた人を裏切る気にもなれないが
105円で二歳の息子にトミカが載ってる本を買って
残りの45円は飲んだ


 ....
公園の陽だまりで 
走って遊ぶ子供等の 
胸の辺りに 空 がある 

花壇から 
それを眺める花々の 
花弁の奥にも 空 がある 

無心に遊ぶ子供等の 
無垢な笑顔の瞳の奥に 
 ....
覚醒剤はストリートでエッジが効いている

女と一緒にクスリをやってて女が死んで逃げるのはどこがよくないかというと
それは人の道に外れているから良くないのだ
法律とかは関係なく。
人間は
法 ....
剥いたばかりのオレンジの皮には
世界中の切なさが詰め込まれている



予期せず飛び込んでくる酸味はほろ苦く
容赦なしにやわらかいところを襲い
細胞のわずかなすき間からもぐりこんで
き ....
 いつ転んだときの傷だったかも
 わすれてしまっていたけれど
 かさかさに乾いたかさぶたを
 
   (だからかさ、ふた、っていうんだろうね)

 ぺりっとめくると
 透明の液体に混じっ ....
ドーナツ屋さんの3Fまで
えっちらおっちらトレイを運んだ
窓から見える銀の雨脚
お客もいなくてガラガラ
チュロをかじって見下ろすと
一面に咲いた傘の花
横断歩道を流れていく色の洪水
 ....
私が永遠に朝にならないので
後続する螺旋は、夜空にひねりこみだしました
すると我先にと町工場が巨大プラスドライバを打ち上げて
夜のネジをぐるぐると外してゆくものだから
空からたくさん落ちてきた ....
自転車を転がして
きみの帰る坂道を
すれ違っていく

街灯の影が頬を寄せて
わたしの帰路を
こっそりと示したけれど

すぐには帰る気になれずに
坂道の終わりで立ち止ま ....
{引用=窓からどこかの海の匂い
裸足の記憶
真夏の少女
炭酸みたいな少年

君は忘れた
僕を忘れた
僕は忘れた
僕を忘れた

太陽をたべた夕立
生ぬるい風
熱くなる空
 ....
夜になったばかりの砂浜に
喪服で佇む一人の女
黒いドレスに黒いハイヒール
光沢があるのは纏められた黒髪のみで
女の黒い部分のほとんどは
艶もなく影と夜に吸収されている

波打ち際にしゃが ....
宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた

病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた

ぼ ....
三弦と二弦のあいだに、きみの好きな音がひそんでいる。うずくまってきみに甘ったれてその皮膚をひっかいて、そうしていれば幸せになれると思っていたよ。胎内を泳ぐ魚と水槽のなかの赤子、かわいそうって、あいして .... 首より上を
他人のそれと
挿げ替えたまま

歩いていく
そんな人々を
横目で追いながら
私は
ただ、その姿を
見送っている





少女Aは
単色の ....
目に取り込んでいった
詰め込まれたものたちを入っているのだ どこからともなく
感じさせられた 洗いざらいを
奪い去っていくように

カメラも鞄の中に用意してあるし
バケツも手にさせられてい ....
 
 
二週間前と同じように
針金ハンガーが
屋上のフェンスにひっかかってる
そこにあってももう誰も気にしない

隣の棟の四階の事務室で
女性が端末を入力しているのが見える
その下の ....
あの夜空に瞬く星は 
僕が生まれるより 
遥かな昔に、消えている 

幾十億光年の{ルビ宇宙=そら}を渡り 
あの星が 
地上の僕に呼びかけるなら 

すでにこの世を去った人の 
あ ....
お皿の上の
丸く盛った海老ピラフに妹は
グリンピースと人参をのっけて顔を描いた
半分食べて欠けた顔の
真一文字の口は悲しげに傾いている

幼い妹
どうか最後まで食べてやって
姉さんは風 ....
   {引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
コンビニでアイスを買って
NTTからドライブに行ってしまった
彼女と友達はサラリーマンを狙っている



どんな思いを社会人になる 僕は
何を持った体で 姿とは
なんだろう 空気 ....
愛らしい言葉たちよ全てカタコトになれ

2019年7月13日全ての恋人たちの言葉が引き裂かれた

恋人たちというのはものの例えで

それは世界中のどこの誰にも起こった

怒った?怒った ....
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」

ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
吉田ぐんじょうさんの自由詩おすすめリスト(443)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まだ大丈夫だろと呟きながら- リーフレ ...自由詩609-8-25
紅茶が冷めるまで- 小川 葉自由詩4*09-8-25
こわいこわい- 自由詩209-8-24
盆送り- プル式自由詩8*09-8-24
小説『花垣線』- オイタル自由詩5*09-8-23
絵に描いたような存在- 光井 新自由詩409-8-23
幼さ- かんな自由詩12*09-8-18
リミット- さわ田マ ...自由詩209-8-15
ギャリギャリと蝉が- 虹村 凌自由詩309-8-15
サイクロプス- 馬野ミキ自由詩409-8-15
花と子供_- 服部 剛自由詩509-8-14
UNION- 馬野ミキ自由詩709-8-14
オレンジ- あ。自由詩10*09-8-14
かさぶた- 伊那 果自由詩2*09-8-14
THE_THIRD_FLOOR- とうどう ...自由詩4*09-8-14
奪われた夜のネジもしくは私が夜闇に奪われた、あのネジ- 北街かな自由詩13+*09-8-14
帰路- 山中 烏 ...自由詩5*09-8-14
ジュブナイル- ゆうと自由詩5*09-8-12
海の遺影- 木屋 亞 ...自由詩7*09-8-12
溌剌とした宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1309-8-12
永遠にきみは他人だから- わだち彩 ...自由詩409-8-12
騒々の庭- 山中 烏 ...自由詩7*09-8-12
散歩- 番田 自由詩109-8-12
針金ハンガー- たもつ自由詩909-8-11
風のなかに_- 服部 剛自由詩509-8-11
ピラフと粥- 照留 セ ...自由詩7*09-8-11
孕む、風を、未来を- 望月 ゆ ...自由詩24*09-8-11
河原のアイス- 番田 自由詩209-8-10
耳カスが溜まってたんですって- 木左右未自由詩109-8-10
はなびたいかいのよる- たりぽん ...自由詩609-8-10

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