すべてのおすすめ
空の高いところからするすると
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ
ほうっとしてると
たくさん食べられてきた ....
声をかけるというのが
悪いことではないことを
あなたはぼくに教えてくれた
ぼくは人によく声をかけるのだ
話し相手とすこしでも親しくなりたくて
内心 ....
美味しい美味しいブブンヤキソバを君は作っている
キッチンは甲状腺のような白い匂いに包まれ
外の方はきっともっと広い世界が連綿と続き
幾多の人々が美味しい美味しいゼンブヤキソバを
美 ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
男には三種類のタイプがあって
ひとりはイブに惚れる
もうひとりはマリアに惚れる
残るひとりはリリスに惚れる
というのを私は15歳のとき何かで読んだのだが
そのときすでにじゃあ私はダメだと ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
真夜中にちっちゃいうたを湯舟でうたうと
ゆげでぜんぶなくなってしまうから
今日はうたわなかった
半分になってしまったペディキュアは
女であることを忘れさせてはくれないのに
どうしてもう半分を ....
あれから
どれくらいの時が過ぎたのかなんて
思い出せないけれど
わたしは夜の11時頃
仕事帰りにひとりで
国道4号線沿いの
びっくりドンキーで
ハンバーグディッシュを食べていて
つい
....
触覚の先端ではもう無くしたての繊細な産毛
幾千とおりの声が転回を始めている
その閃光は深く深く脳を焦がし
僕の両手から溢れるハチミツを虹色に染め
やわらかく着地 ....
道端の一本の木に
子どもが何百人も隠れていた
東の方から来たのだという
水がほしいというので
水をあげていたら明け方になった
狭い場所と
大きな音が嫌いだというので ....
イエーイ! 家
俺らのため息というため息 体毛という体毛 のすべて
には窓が取り付けられている 家
窓という窓には俺らの手形
という手形にも窓
ところどころは出窓として取り繕っておりま ....
夕暮れの後の雨はどこも優しい
平静な音が響いて
空間が深まっていく、窓の外
思い返すほどに
心落ち着いていく
世界は円になっている
そんな
額面通りにはいかないらしい
言葉が繰 ....
バス 食いてえ
ツートン・カラーとか たっぷりの水分を含んだ 薄皮に包まれて
タイヤは曲がったゴムの匂い うは やっぱり
バス 食いてえ
運転手が禁忌する交差点の手旗信号
それ ....
冷たい壁の手触りを確かめながら
第十三使徒
死都
ネクロポリス
暗い地下道をたどって行くと
薄汚れた鏡に
見知らぬ男の姿が映し出された
肩をすくめた黒マントの中に
密かに呼び出される空 ....
見知らぬ少年が大きくなり
間違えていないか
何度か数えなおしてみる
口あとの残った譜面や
カロリーの低い清涼飲料水
忘れるたびに覚えていく
右手では保つことのできない
左手のもの ....
ピアノの上に跨って横から弾いてごらん
そう横から縦にショパンのエチュードを弾くの
指の動き早い早い早い
ねえどうやって弾いてるのねえちょっと見せて見せて
すごいよまるで曲芸だね
ねえわたしも ....
もしも翼があったなら
鳥と間違われて鉄砲で撃たれるかもしれません
飛行機と間違われて
誰かが搭乗しようとするかもしれません
とり人間コンテストの会場はこちらですと
高台に案内 ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている
霧に浮かんでいる街で
探し ....
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
食べられるものを食べるのが
好きな人でした
食べられないものを食べるのが
嫌いだったところは僕とは似たもの同士
だったかもしれません
食べられないものを食べないのが
好きだったか嫌 ....
森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか
泳いでいるのは、あなた
そ ....
飯を炊く
明日生きていたら
チャーハンを作れるように
米を研ぐ
多分
その間は
米を研ぐことしか
考えていない
白くにごった水を
捨てる
白くにごった水 ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
もじれつ のはいれつに
ふるいに かけられた
おでこーろん
さややかに よこにも
つるきん たてにも
とろく とろ とこ
ちいちゃな いしは
はじきとばし おー
お ....
ガロイ先輩は
割れにくい卵の研究に6年
チブラさんは
すぐ割れる卵の研究に3年
間に挟まれる僕は
ただ暖め続けている
だけ
やがて
夕暮れになってやっと君たちは
....
好きな女の子とデートして
「何処か行きたい?」と訊ねたら
「何処でもいい」とその子は答えた
今までの経験上、大概の女の子は
「何処でもいい」が口癖らしい
だけど突っ立っていても仕方がない ....
ちさ とり わけ た
ちせ ゆく ほほ に
まわす ひばな のの
まざる ひざし やや
さと せぬ から な
くり ゆく みや や
かぜのおとがする
とおくから、あなたの声をのせた
かぜのおとが、きこえる
あなたは とおくへいってしまって
わたしは
ひとり耳をすます
かぜのおとがする
とお ....
いそしぎの浜で
ぼくは三輪バギーをあやつりながら
海風を浴びている
砂の轍をつくってゆくのは
自分自身だ
はげしくジャンプするが
腰を浮か ....
ねえ
あなたにであってから
あたしはほかのひとにであわなくなったの
ねえ
あなたにであわなくなっても
あたしはほかのひとにはであわなかったの
でも
あなた ....
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