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目がさめて
なすこともなく
壁にうつる影をみている

となりであなたが
光だね

言った

そのとき
どうしようもなく
たとえようもなく
わたしは
あなたでした

 ....
今日が終わる
あなたの背中のうえで
今日が終わる
犬の鳴き声
今日が終わる
ひらたく冷える空

今日が終わる
祈りと祈りでないものを混ぜて
今日が終わる
煮炊きの幸福
今日が終わ ....
磨いた床に
シンナーをこぼして
ここには
奇跡があふれかえっている
乾いた緑と肌
鏡を抱いたままの昨日

誰かを愛していた
ということはつねに
それが終わってからわかる
泣きやんで ....
火のない部屋のなかに
あなたをさがしている
茶色く終わった時間がころがっている

あの日
海には
六羽の白いからすが
まるく座っていたそうだ

傷口は凍るので
わたしたちはまだ ....
浴室で
血は
思うより
少しだけ赤い

一枚ずつ意識を剥いでゆくと
なつかしさの手前で
熊たちが手をふっている

わたしは
もう
あなたがしてくれたようには
わたしを愛せな ....
あなたの顔に
穴が一粒

紐を通してくれと
言うが

どれだけ手繰り寄せても
紐のはじまりが
やって来ない
耳が痛い

あなたが言うので
のぞきこんだ

産毛に抱かれるように
あなたの
恋人からの言葉がひかっている

それを持ち帰り
窓辺においてやると
いよいよ優しげにひかってい ....
愛していると言うことと
愛していると思うことは
まったくちがうわね

窓際に立ち
君はうたう

愛していると囁かれることと
愛されていると感じることは

日没、空あかく
 ....
すいぶんありふれた場所まできてしまった
ふりむけば怠惰に崩れた愛がみえる

いまや恋心は
あまい雨雲になって
なんとなくふたりを覆っている

雨がふれば
わたしもあなたも
木々も ....
季節が
ずい分かわってしまって
空はかなしい

部屋のなかには
あなたにあげられなかったものばかり
散らばって

真ん中に
あなたのかたちの不在がのこる

扉のむこうはひかっ ....
八年前から
八年が経ちました
八年
長いのか短いのかわからない

どこまでいってもおなじなのかもしれない
けれど、
わたしを支配しているものはもうすでに、
あきらめだけではなくなっ ....
生きているのは
はずかしいね
まいにち影が
伸びてゆく

生きていくのは
はずかしいね
手をつないでくれたら
一緒に死んであげる
あなたの
向い側で

点滅するような表情を
じっと見つめていた

愛しいのか
悲しいのか
ずいぶん前に
わからなくなってしまった

触れたいのか
こわいのか
わからなくな ....
痣のある朝に
カーテンをゆらし

重たい気持ちに
重たいからだがぶら下がっている

開封されない手紙の束が
いまにも崩れ落ちそうで
崩れ落ちない
ずっと
ささやきは
一昼夜経つと酸化して
腐った猫の色になる

夜でもなく
朝でもなく
シャワールームでささやいて

悲しいことも
愛しいことも

流れる色にするために
シャワール ....
欠けている月をみれば
前髪が伸びたあなたを思いだす
あと何日かすれば
あなたの笑うのとおんなし角度に月がわらう
あんなに
やさしげではなかったけど
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角 ....
出し入れするものがちがうだけで
会話になったり
セックスになったりする
不安

雨は降るし
音は流れる

あらがうものが
ないだけで
こんなに不自由なのに
愛されなんてしたら ....
毎晩
息をふきかえす恋情の手をにぎって
墓場へつれていく

そうして
同じようにして来たあなたと
抱き合ってから
墓を掘り返し
うめる
往来へでて
てきとうな影をみつけては持ち帰るが
どれもやはりあなたではない

晴れた日には
いつもより多くの影が行き交うが
どれもやはりわたしではない

くもりの日
沸点をこえた ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた

気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる

それから、立ち上がって

なにもかも行き届いた ....
いくつかの朝と夜が
一日を切り分け
昼間を結ぶたび

あるようで
ないものを
数えていた

いくつ数えても
増えないものを
数えていた

いくつかの朝と夜が
泥のような一 ....
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった

おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので

うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている

 ....
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
鳴るように
色付いて
はばたくように
ふれあう

それは
ひどく
不器用な鳥たちが
抱きあい
落下する 夕暮れ
あかぐろい肌をして
山盛りの雲をあおぐ
雨を待つわずかの間に
なんども恋におちる

季節はぎしぎし言う
発情のおわらない猫が
前足で引き留めている
濃緑が
少女を溶かしてしまった ....
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね

線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き

のばした先に
ぬれた鉄柵

あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- はるな自由詩613-1-4
今日が終わる- はるな自由詩812-12-31
絶頂- はるな自由詩612-12-14
火のない部屋- はるな自由詩1012-12-10
熊たち- はるな自由詩412-11-30
- はるな自由詩5+12-11-24
- はるな自由詩812-11-15
日没- はるな自由詩612-11-12
雨雲- はるな自由詩312-11-12
不在- はるな自由詩712-11-9
八年- はるな自由詩212-10-31
はずかしいと影- はるな自由詩112-10-31
点滅- はるな自由詩312-10-28
痣のある朝- はるな自由詩312-10-23
シャワールーム- はるな自由詩412-10-22
月と目- はるな自由詩712-10-6
ゆらす- はるな自由詩2412-9-23
ペン2- はるな自由詩412-9-23
うめる- はるな自由詩512-9-20
- はるな自由詩6*12-9-18
誰も- はるな自由詩812-9-16
ばらのジャムを煮る- はるな自由詩2012-9-10
いくつかの- はるな自由詩212-9-8
産卵- はるな自由詩712-8-25
するどい時計- はるな自由詩912-8-18
からから- はるな自由詩712-8-15
(____________)- はるな自由詩612-8-10
丘の魚- はるな自由詩912-8-4
鉄柵- はるな自由詩512-7-20
ナッツ・ケーキ- はるな自由詩812-7-16

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