せん
はるな



あなたがわたしにひいた線は
しずかに沈んで いまはもう
ほとんど わたしになりました

種から花へ
あるいは花から種へ
その季節ごとにひいた線は
たがいに絡まりながらなお伸びていきます

わたしがあなたとひいた線は
いつのまにかふたりを断ち切って
いよいよ深くなったときに
水を湛えてながれはじめました

秋がきて 冬がきて
涙がこおりはじめても
それはながれて ながれて ながれてました

ながれてました そして
しずかに沈んで
種たちを抱いて
春を呼んでます





自由詩 せん Copyright はるな 2016-12-04 23:43:20
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