ぬれた犬
はるな


ぬれて可愛い犬のあたまを撫でてやる
自分の手が よいもののようにみえてくる

ほんとうのことを言っていればいいと思っているひとのとなりだと
まるでほんとうでないように見えるわたしの手が
なにか よいもののように思える

あなたたち
いつまでもぬれていないで
はやく もとのところへ かえっていきな

撫でた手いっぱいに 雨を湛えている



自由詩 ぬれた犬 Copyright はるな 2016-09-25 03:33:22
notebook Home 戻る