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確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん
お口を使うお仕事
テレアポ
アナウンサー
明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
さっきからわけもなく
ティースプーンで
カップの中をかき混ぜてしまう
テーブルをはさんで
向き合うアナタの輪郭がぼやける
沈黙が岩のように押さえつけるから
うつむくしかなくて
あざ笑 ....
田舎道で話しかけられました。
「ピープル!」って言われた。
私しかいなかったから 私のことだろうと思います。
相手は トビでした。
君という雨に打たれて
私のあらゆる界面で
透明な細胞たちが
つぎつぎと覚醒してゆく
夏の朝
影に縁取られた街路
やわらかな緑の丘
乾いたプラットフォーム
きらめきに溢れた ....
アイスクリーム
持っててね
って
いつまで
待たすつもり?
とけた液体が
腕まで浸透してきたよ
お気に入りの
白いカーデも台無しで
香水のローズの香りの代わりに
チ ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった
雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
「おかえりなさい」
胸をしめつける
この言葉
「ただいま」
と言えるしあわせ
あの不安定な学生寮の中で
おっかない大家の目をかいくぐり
ロミオに会いにいくのです
あぁロミオなんて
悠長に危険を冒しベランダからは言えません
片手にスーパーのビニール袋を提げて
こっそり ....
素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう
トナカイのそりに乗り
飽きることなく
眺めた
白夜の物語
あ ....
「 生れ落ちた その日から
へんちくりんなこのかおで
わたしはわたしを{ルビ演=や}ってきた 」
という詩を老人ホームで朗読したら
輪になった、お年寄りの顔がほころんだ。 ....
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく
しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく
戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦争や殺人 ....
鳥は
自由に羽ばたく姿こそ美しい
私如きが
その軽やかな{ルビ踝=くるぶし}に絡みついて
ともに堕ちてはならない
いつか
大きな空になりたい
そんな、さよなら
相反する不確かな ....
弱気な僕の
精一杯の勇気に
あなたはあっさり
うなずいてくれたね
外は、雨。
少し前から降り出した
どうやら当分止みそうにない
開いた傘に
むかえ入れる
戸惑いな ....
私が今どこにいるのか
あなたには
分からないかもしれません
でもいつか私は
一つの灯台となり
私の存在を
あなたに知らせることでしょう
広大な海をも超える
確かな力を手に入れて
....
通りゃんせ 通りゃんせ
ほそ道に咲く梅が香に
思い出づるは幼き日
祖母に引かれて踏み初めし
天神道の梅まつり
通りゃんせ 通りゃんせ
赤き兵児帯祖母が手で
結びて咲かす梅 ....
腹立つと言われた
みんなが笑っているときに笑えない私
空気を読めと・
そゆうやつがいると気分が悪いと・
無理に笑えっていうんですか?
楽しくもないのに笑えっていうんですか?
嫌だからと ....
いさかいなんて どこにでも あることで
うつろなんて 小石みたいに ざらだね
かえすがえす なおざりに うらがえる
そうじゃないだろ ほんとうはなんなのかの思い
ただずまいは ....
おしまいをしらせない空
そのしたで鳥はとんで
わたしたちは家をつくり
海のそこでねがえり
くうきのかわりにおもさ
たいようはくものすに広がる
まるであなたのように
波をおいこすきたかぜ
....
社会の授業で
何も考えることなく
黒板の文字を
そのまま写していたあの頃
ページを変えなくてはならなくなって
めくったまではいいけれど
ふと何も書かなくなった
理由は何もないけれど
....
「1÷3=」と問われて
「はい、1/3です」
「小数点第二位を四捨五入して0.3です」
「0.33333333…で、循環小数です」
級友はいろいろな正しい答えを出し
そして問いを忘れてい ....
私の住む この街にも 雪が降りてきた
長めのマフラー纏った 君に会いに行きたい
ヒザの上まで積もるかな 雪だるま 作りたい
ピンクのマフラーが似合う 君に会いに行きたい ....
エンバリーさんは その日も青をつくっていて
もう一体 いくつめの青になるか 自分でもわからなかったけど
それでも いつもと同じように青をつくっていて
赤だとか 黄だとか 緑だとかが もて ....
朝起きるとボスだった
眉間に深い皺が刻まれていたが
特に不満があるわけではなかった
煙草をつまんで深々と吸い込む
ブラインドはない
のでカーテンから覗く
何ということのない休日の朝が広 ....
手紙を書きます
あなたのために
今日起こった 様々なことを 便箋に
何枚も 何枚も
日記ではありません 手紙です
あなたにだけ 伝えたいから
でも あなたに 宛てて 投函するこ ....
大人の
夢の
世界で
育つ
あの
未来の
かけらを
すくいあげて
つなげる
怖い?
怖い…
だれもがみんな
孤独で
....
{画像=070219164910.gif}
流れ落ちるだけの空虚な時の水を
この手でせき止めてはみたけれど
やはり指の間から
少しずつ滲み出してきて
乾いた瞳を潤した
あなたの陽だまり、に
包まれていたことを ....
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
これ以上 言葉を重ねたら
青い光にすっぽり 包み込まれてしまいそうで
触れるか 触れないか 指先の熱をもてあました
人を好きになるって 理由とか わからないけど
青い ....
君がもしここに居なくても
僕は君を待ち続ける
君のための歌をうたって
それは君が居たって 居なくたって
少しも変わらないことで
僕にとってはそれがすべてで
それが日常で
太陽が東から昇る ....
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