すべてのおすすめ
一月ついたち
凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした
まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒 ....
いのちの大切さって何だろう
きれいごとでは済まされないこと
野生の獣が弱い生き物を捕らえ
生きる糧とするように
人間だって経済動物と言う名のもとに
生き物のいのちを断っている
(ひとのいの ....
◇暮れ
年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに
初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう
◇木にぶつかれば
蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
....
今年の目標
ポイントを気にしない
ポイントを気にしないことを気にしない
詩を書くために詩を書かない
詩を書くために詩を書かないことを気にしない
人の詩を読む
人 ....
青い目の奥さんと
わたしは
公園のベンチで
並んで座っていた
青い目の奥さんの子供と
わたしの子供は
たどたどしい言葉で
一緒に遊んでいた
青い目の奥さんと
わたしは
ほと ....
人は傷つきやすく寂しい流れ雲
目的地への旅は続く
あなたの涙あたたかく
コンクリートは冷たい感触
胸にも刺さる
いったい俺達の熱い雪をも溶かす想い
どこで報われるのか
生 ....
万華鏡 手にとりて
万華鏡 覗きし{ルビ快楽=けらく}
低き満月 血の香り
赤き万華鏡に 見えしもの
遠雷のくらき咆哮
蒼き万華鏡に 見えしもの
接吻の憂鬱 ....
哀しみのあなたに
なす術をもたない
わたしもまた
その非力さゆえ
自らの存在に
哀しみをおぼえる
星の瞬きの
ひとつひとつが
人の願いというならば
わたしのそれは
確かな理由を ....
自分の街の空の向こう
自分の目では見えないけれど
青い空がつながっているのだから
きっと青い空にちがいない
自分の街の空の向こう
自分の肌では感じないけれど
冷たい風が向かっているのだ ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである
就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
ピンポンパンポン。
おかけになった番号は現在使われておりません。
もう一度、
番号と、その目指すべき地平をお確かめになって、
おかけ直しください。
おかけになった番号や存在は、
現 ....
静かな湖面に
あなたとわたし
ふたりきり
いつもは感じ得なかった
あなたの男らしさを
ちょっと見直してみたりして
(フレアミニなら喜んでくれたかな
季節はずれの湖面に
あなたとわたし
....
勤める店のある街には
空は上にしかない
疲れた街路樹から
遥かに上
高く遠く硬い
季節は駆け足で過ぎてゆく
日々は戻らぬから
私は大人にしかなれず
この街が似合う年になって
こ ....
{引用=
先日、詩の朗読会に参加しました。
といっても、見てるだけでしたが。
しかし、得るものは多かったし、
楽しく、おもしろかったです。
}
....
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く
人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている
時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
....
根雪というも、いずれは川になる
姿は消ゆれども
解き放たれる
いずれは川になる
根雪 去ったあとから芽吹く、新芽に
何かを告げることさえ請いもしない
落ち葉はいずれ母になる
....
僕の名前はリナ・ローウェン、
かの大詩人が即興で名づけた
ニックネーム。 )))
彼は人並みに僕を抱いて
「もう愛してなどいない
と、言った
そしてパリで ....
僕がなかなか寝ないので
ママが「おやすみなさい」の森へ
行きなさいと言った
僕はしかたがないので
安心毛布を引きずって
「おやすみなさい」の森へ向かう
森は暗くて静かだった
誰もいな ....
黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。
階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた ....
愛しているという言葉自体には
愛しているという意味は無くて
貴方が喜んでくれた時
初めて言葉は輝きを放つ
ありがとうという言葉自体には
ありがとうという意味は無くて
貴方が笑い返してく ....
あたしはただの女だけど
二つの腕があるので
あの人を守ろう思う
あたしはただの女だけど
撃ち込める弾丸はないので
あの人に言葉を込めようと思う
あたしはただの女だけ ....
欲しかったものを手に入れたとたんに
他のものが欲しくなる
判ってはいても止められない
「欲しい」には夢と希望が満ち溢れ
手に入れた後には虚しさが残るだけ
(捕らえた獲物には…なんて言い訳がま ....
一年間ご苦労さん
会社は黒字経営、そうだね
黒縁めがねの経理がうなづく
「黒子ながら経費節減に努力させていただきました。
昨今日本経済をマクロ経済学的に俯瞰すると・・・」
その御説は ....
何を探していたのだろう
散り積もった日々の
瓦礫の中より
それはひとときの温もり
顧みることさえ叶わずに
北風にさらわれてしまった
あなたとの思い出
ことばなんてくだらない一葉に
思い ....
部屋のキャンドルライトが
グラスをほのかに照らす
あとは二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
外の星空の光が
時間をかすかに止める
今は二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
....
メリークリスマス!
私にメリークリスマス!
貴方にメリークリスマス!
みんなにメリークリスマス!
キリスト教徒でなくても、北欧の人でなくても、
....
ちいさい頃
秋になっても淋しさなんて感じなかったのにね
歳をとる度
切ない気持ちが濃くなってきているようです
ちいさい頃
大人は強いと思ってたのにね
....
いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ
それでも振りか ....
トス
して
突き指した
痛くて
体育館を
転げた
床の
冷たい
冬だった
君は
駆けよるのを
こらえていた
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