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きみに会いに行く
本当だった
列車に飛び乗ること
それも盲目ではなくて。
灰色の雨に流され
こころの小石が転がる
舞い散った落ち葉を踏みしめる音は
きみの泣く声に似ているから ....
青でつながってる
どこにいるかも解らぬあなたへ
ひさしぶり だね
わたしもしばらくここへ来ていなかったし
あなたももしかしてきっと ここへはもう来ていないのかな
だからいえる
「ひさし ....
教室の窓から3列目
頬杖ついて黒板を見る横顔に
囁きかけて…って思ってしまう
第2ボタンまで開けた白いYシャツ
肘までまくり上げた袖から続く
長い指の爪の先まで見つめてしまう
....
あめよ逃げないで
白々しく霧、すとおむ。影ない静かすぎてこわい
炎よりもゆらぐゆらゆららいあい今あいされない
この胚は縮こまっている
この肺は誰にすくわれる
ツェロの弾く音だけが
....
君のその嘘っぽい振る舞い
きらいだ
いつだって つまらなそうにして
きらいだ
いちいちバカ正直で
きらいだ
少し前の自分のようで
きらいだ
今 間違っているような気がして
ごめん、だ ....
ゴミ
おばあちゃんの黒電話
おじいちゃんの錆び鉈
遠いカレー屋のトッピング無料券
友達が残したワンカップへ花一輪
真っ赤に酔って潰れたマンサクの
ゴミ
ゴミ ....
月の清けき夜
折からの澄んだ風が
波のように襲ってくる感情を
鎮めようと
湖面を撫でるように
一陣 通りすぎる
暗い森影からの
ふつふつと湧くざわめきにも
耳をかさず
震え ....
「あのぅ すみません
言葉に効く薬ありませんか」
言葉につける薬ですかぁ
はぁ そういったものは
当店では取り扱っておりませんねぇ
外用薬ですか内服薬ですか
商店街の薬局で聞いて ....
泣き叫べるほど幼くもなかった
そんな時
お金を入れずにガチャガチャを回す
空回りしないハンドルは
鉛筆を握れなくなった腕を手元へ戻し
確かにそれが自分のものなのを確認でき
別の世界から右手 ....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
好きな子に好きと投げつけ
逃げた
それ以来ずっと
頭の上でボールが投げ交わされているのを見る
ボールに描かれているのは日本語でも英語でもなく
受け取っても読めないので
最中は隠 ....
尾崎豊が
盗んだバイクを乗り回していた頃
私は妹を橇に乗せて引き
スキー板を八の字に伏せ
恐る恐る降下していました
彼女が飲み込まれてしまわないよう
ただそれだけに夢中でした
尾 ....
肩を叩かれて振り返ると
孤独が立っていました
なにか用かと聞くと
なにも言わずに
後ろを向いて座りました
そこでわたしも孤独の隣に腰をおろしました
しばらくすると
雨音がやってきまし ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている
あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
....
まどろみの向こうで
たまごが焦げる
かしゅ、かしゅ、と三つを割って
手馴れた指は
ぬるく充満した昨夜の空気と
朝とを掻き混ぜたのだろう
ふっと白くなる意識と
休日の実感とを
贅沢に ....
わたしが
わたしを忘れるようになって
それでいい
あなたの声がする
欲しいものなんかない
わたしは空を見上げて
空の
落ちてくるのを待っている
運がなければ果物のひとつも
ねえ
言 ....
小さな袋をふたつ
満たした春の匂いは
衝動をさらっていくのには
充分すぎる
一度に押し寄せてきても
ゆっくりと迫り上がってきても
最後は同じところに
吸い込まれていく
ねぇ今
....
自慢話うまいひとって羨ましいな
自分のこと話したくても
つい口ごもったりして
自信が無いだけなのかな
たとえばカラオケに行っても
わたしの番になると
他のひと達世間話なんかはじめた ....
小さな頃に見上げた木
いつの間にか光に消えて
ぬるい陽浴びたシロバナも
今では姿を見かけない
手を出しては駄目なのよ
掴んで壊してしまうから
ほらね。
雲よりはかない水に ....
空はいつからか
うそをつくことを忘れたようだ
また 冬に近づいた
寄せ集めた言葉で
とりあえず冬を迎える準備をした
....
体重が口より軽い
大きくなったら三冠王にだってなれると信じてた頃
ジョーズを観て泣いた
ただ食事をしているだけなのに
懸賞金をかけられ
追い回され
銛を突き刺され
頭を爆破される ....
しずかに激しく
ひとたちが群れては
やさしいことばをかけて
やさしいことばにすくわれる
ああ、きみの手ぇ、あったかいねぇ
網の目たちがあくしゅを、している
みえないものをわたし ....
もう大丈夫
なんてごまかしてるだけ
心配かけたくないもの
気に病ませたりしたくない
会いたい
なんて一度考えたらもうおしまい
今の今までおさえてた気持ちが
みるみる溢れて
まだ ....
♪ http://www.geocities.jp/mfta29/yakusoku.html
やくそくどおり あらわれて
ぼくの顔をみて ほほえんで
ここだよと手を ふってくれた ....
【きがあう】
家の庭に「気が合う」が生えた
そういうこともあるんだなあ
生まれたものは
育てなければならない
私は100円ショップに
ゾウさんじょうろを買いにいく
ミドリにしようか
ピ ....
物語にも詩にもなれない言葉たちが積もっていく
それは、心の、大きな空洞を埋めることなく
外に積もる
臆病者には、逃げ腰の姿勢がいちばん似合いだよ
罪悪感を抱え込んで
それは、この砦に残っ ....
あなたは いつもコトバを研いで
いったい何を斬ろうとしてるの
愛してる人に愛されてるだけじゃ
あなたの ココロは満たされないのか
嬌声を どれだけ
浴びたなら
僕 ....
who
おまえは誰だって問われても
わたしって誰なのかな
今のわたしがわたしなのか
ほんとうのわたしは他にいるのか
自分探しの旅路
だなんて聞き飽きた科白だけど
わたしってやつは
....
はにかんで笑う アノコの
やわらかな心のヒダを斬りきざみ
助けをもとめるノドブエを噛みくだいた
アノコに突き刺した
痛みと悲しみの
鮮烈な返り血を浴びたとたん
それはドス黒くキミに ....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
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