第3ニューロン 「勝手にしやがれ」
惚れてしまったものはどうしようもない。しかし、問題がある。
友達の女だ、って事である。これもどうしようもない。
どうにかなるもんじゃない。どうにかするも ....
第二ニューロン「吉祥天」
庵のアートスペースを出て、時間つぶしの為に、三鷹駅前のドトールに入った。
たった100mも歩かないうちに、俺は汗だくになっていたのだが、
庵は汗を一滴もかいていな ....
おいらは死にたい
死にたいよ
ネクタイで首を
吊ろうと思ったが
何故かおいらはクールビス
死にたい
死にたい
死にたいよ
飛び込む電車に
サラリーマン
サラ金地獄 ....
ねぇ、奥さん奥さん、見て、あの窓際の席に座ってる男の人。さっきから独りで喋ってるのよ。「ごめんね、ヨーコ」とか、「おれが悪かった」とかなんとか……なんだか彼女に謝ってるみたいだけど……最初は携帯で喋っ ....
濁った瞳孔の中で赤い金魚を飼っていた君
祭りの時出店の親爺に貰ったらしい
餌の代わりに角膜を貪る赤い金魚
くすぐったいと君が笑った
生まれ変わったら何になる?
カイリ(娘5歳)を連れて業務用センターというお店へ買い物によく行く。
仕事で毎日漬け物を使用するのだが、この店が一番安いからだ。
カイリは店内に設けられた100円 ....
頭中に鳴り響くコンパッショーネにオモイ馳せる。
ゆらゆらと蠢く音流に瞼を閉じる。
ユニゾンのベースが弾き出され、心は静かに足踏みを始める。
***
ウチ ....
カフカはするめイカだ。するめテクストと呼びたい。文体は質素だし、感情は薄いし、一見晦渋。テーマが見えにくい論文みたいな印象。でも、少しずつ奥に踏み込んでいくと、ヘンテコなユーモアや皮肉がアミノ酸みた ....
僕と、君の境界線はどこにあるのだろう。僕の体と、空間の境界線はどこにあるのだろう。僕は移動し、僕を変化させる。揺れ動き、僕の境界線を不確かなものにする。
僕は、僕を崩し、僕の体を確かめる。どうしても ....
*蝶
黒猫の気だるい微笑みは、いともたやすく蝶を虜にする。
その静かに差し出された手の上に、青い翅の蝶がとまる様子を、
少年は頬杖をついたまま眺めていた。
「可 ....
内戦や紛争、戦争にテロで死ぬ人の数と同じだけ、日本人は自殺をする。特に20代の若者に自殺者が集中しているらしい。死ぬ気があるなら、何でもできるはずだって言う人がいる。僕もそのうちのひとりだっただろう。 ....
ある方から、俺の詩の内容について、私信を頂いた。
滅多に無い、と言うより俺の詩についての私信はほぼ始めてだったので、
非常に嬉しい。ついつい喜んで、七味唐辛子を舐めてしまう。
さて。ご存じの ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
子供を抱いて病院を後にする。
今日は風が強く寒い一日だった。
子供の体が冷えないように
ぎゅっと抱っこしてあげて車まで小走りに行く。
車にて子供が「二人っきりの、きりってなあに? ....
朝目を覚ましたら、隣で眠っているはずの妻が、蟹になっていた。
かさかさ、もぞもぞ。
全長40センチくらいはあるだろうと思われる蟹が、妻の枕のあたりでうごめいていた。
僕は驚いて体を起して、メガネ ....
自分の話をするのは面白い。そうは思わんかね?
よく、「日本人が一番エロい」と言うが、そんな事は決してない。
尻の軽さなど、体重計に乗っけたってわかるもんじゃない。
NYにいたって、痴漢に遭う ....
注射を打ってから病院の売店でお昼のお弁当を買う。これが僕の日課。売店にはもうあんまりお弁当が残っていない。時間が少し遅かったから。
僕は、目玉焼きか、鮭か、どっちの弁当か悩む。幸せな時間だなって ....
象にはお墓がある。すごいなって思うけど、それは象がつくるんじゃなくて、死期を悟るとみんな同じ場所にやってくるんだって。だからお墓って言うよりも、死に場所だなって僕は思う。ヒトはお墓を作る。僕は無宗教 ....
僕は写真を撮る。何故?何故だろう。僕はシャッターを切るとき、きっと何かを感じている。そして、それが銀塩の中に放り込まれる事を願う。なんでもかんでも撮る。何かを感じれば道路を真上から撮っちゃう。建物も ....
バイト先でカップル誕生。二人とも黙ってるけど、そういうのって勝手に広がっちゃう。勝手に広がるのを楽しむために、何も言わないのかもって思う。バイト中に僕と二人きりになった時に色々聞いてみる。だって、以前 ....
僕は病院が嫌いです。
痛いし辛いし怖いし寂しいし、何もいいことなんてありゃしない。でも、行かなきゃいけないときは行こうと思っています。何でそう思うようになったのか、僕の話を聞いてください。
僕 ....
自分が何故生きているのか、考えたことがあります?まるで10代の思春期みたいな質問だなって思う。でも、それは感受性が豊かだからだって思う事にしている。色々なことを感じ取れるから。考えられるから、そういう ....
天井が見えた
ひどく煤けた見慣れた天井
ぼくは眠っていたようで、柱時計の秒針が刻む音できっと目を醒ましたのだろう
ここは来たことも見たこともない場所で ....
それはとても簡単な事なのだろうあ
なたが其処にいた事実もう既にない
のだから後は己次第だ忘れようとし
て記憶操作を行うも脳に染み付いて
しまったあなたの言葉や多くの嘘い
まも消し去る事できず ....
刺繍がいい。輪郭を隈取ってから、鎖のような針目を重ねて面を埋めてゆく。糸の光沢は緻密で重く、かさぶたのように薄く盛りあがる。色彩の濃淡を綾目に託す刺しかたではない。絵模様のひと色いちまい毎、面と面を ....
不必要ならそう云って
大人しく身を引くわ
不必要ならそう云って
大人しく家路につくわ
不必要ならそう云って
貴方といた証全て消すから
不必要ならそ ....
コウモリになれない夜はお腹を空にして死んだ夜をじーっと見つめるんだ。
ただ、だらんと。
街灯にぶら下がり13の春から成長の見えない思考力で小さくひっそりと
僕が生まれる前の唄歌う ....
それでも私はアナタの足にしがみついた
アナタが私を見下ろして笑う
何をそんなに慌てているの。
何を ....
うそよりもほんとの方が痛かった 居たかったのはあなたの隣
「君いつもひとりでいるよね」「違います隣に居るの透明人間」
透明になればこのまま居られるの? 問うてはみても応え返らず
返す ....
死にたい って
呟いてから
やりたいこと
思い浮かんじゃった
死のうかな って
剃刀持ってから
やりたいこと
思い浮かんじゃった
死んじゃえ って
手首に当ててから
やりた ....
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