白いカーテンだけが意味もなく揺れていた
感情も
体も
もう僕を動かす事は出来ない
胃がグルグル回った
僕はただ洗濯機を想像した
汚れを洗い流している
だけど僕は
汚れを擦り付け ....
隣で笑っている彼女が僕の空間から消えていった。
そこには笑うノッペラボウがいる
彼女の存在を僕は消してしまった。
僕の君はもう消えてしまった
幸せになろうね
と
囁いたその唇で
幸せになってね
と
呟かれた
言わせたのは、私のはずなのに。
春の日差しに罪悪感を感じて
あの人の傍を離れたのは三年前
春の風に孤独感を重ね合わせて
ひとりぼっちになったのは二年前
春の花に空虚感を見出して
飛び降りたのは一年前
春は暖か ....
亜由美ちゃんの三回忌に行った
三年前、目黒の葬儀場でおばさんが言った
『みんな亜由美の分もがんばって生きてください』
という言葉。
今日はおじさんや、おばさんと、みんなでごはんを食べながら
....
抱きしめてみたら
雨の匂いがした
何の苦労もなしに君に移り香を残せる
そんな雨にちょっと嫉妬したなんて
言える訳もなく
4次元目:時間 を操れない僕と
5次元目:エネルギー さえ操る幽霊(女)
中に入れたり入れなかったり
中に入れられたり入れられなかったり は
そもそもできません
....
きみの「ああ」が好きだった。
やさしい瞳でうなずく、あたたかい「ああ」が好きだった。
僕らはいつも少年達のように空を見上げて、周りからは「鳥になりたいふたり」なんてひっくるめられたね。
いつから ....
詩を書くことと詩を読むこととは違うのだろうか。今、私がやっている「詩を読むこと」は、自分がやってきた「詩を書くこと」とは少し違っている。それはそれで良いことなのか、それともそうではないのだろうか。
....
白状いたします。
あの日,人間の脳味噌の細胞の小さな塊を,口に入れたのは,
私でございます。
ああ,そのように引かれなくても。
そのように,犯罪者のように遠巻きにするのは,
やめて下さい ....
どえらい悪夢だった。真剣におっかなかった。
どうも睡眠薬と抗鬱剤がきれると悪夢をみるみたいだ、
てきめんに。
夢の中で私は近所のゴミ捨て場にいて、
なにやらうごめいているゴミ袋をあけた。
....
平和ボケしています
毎日いそがしくしていますが
平和なことにかわりありません
冬の寒さにまいっていますが
平和なことにかわりありません
あたしには
必要最低限のものがあって
べつに必要最 ....
たいていの朝やとんでもない夜中に変なひとはやってくる。
律儀に戸を叩いてくるのだが、むろん叩く必要などない。
彼らは壁を通り抜けるし、それを生業としてる。
今日もなの、とわたしがたずねるとこ ....
今、目の前に
いち
にぃ
さん
し
ごぉ
ろく
六個の空き箱があります
煙草
セヴンスターです
それから
窮屈そうな吸い殻達の群と
何故か花札と
和英辞典と
車のナンバー型 ....
眠ることは死に近い、君よ
僕の腕の中、泣き腫らした目をして、しゃくりあげる赤子
蒸し暑い夜のありふれた、それでいて、不吉なくらい真摯で痛々しい、寝ぐずり
君は運命にあらがうように手足を突っ張り地 ....
鉄塔に雨が降る
手馴れた笑顔で許して終わらせ
ひそかに持ち帰る湿ったフィルター
高圧線に変電設備 乾いて固まる絶縁体
継ぎ目で疼く火花とノイズ 青白い
鉄塔に雨が降る 何度でも雨 ....
暗く輝く舗道に
群れるひとの息
灼熱から遠ざかるからだに
ひっぱられ
脇道にそれて
ひんやりする暗がりに
肩を入れる
夜に流れる
うすい闇は
底なしだ
ぼくは冷たい空気のなかを
....
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