あっ、わたし
ふきとばされにきたのかもしれない

冬の砂浜では髪も波打って
耳も引きちぎられそうに寒くて
 ワタシヲ
 マモッテキタハズノ
 カタイカラサエモ
泡となって ....
この子への あいのかたち
辿りながら 夢へ誘う
眠れ 眠れや
明日は晴れる
夢に見るのは
月の舟

耳に聴いて こもりうた
包んだその手 もみじのように
眠れ 眠れや
雨の降る夜も ....
とうとう雪が降ってきて
あの人をさらってくるチャンスがやってきた
今朝あなたは外へ 出られない
今すぐそこへ
生霊をとばすわ 
雪がとろけてしまわぬうち

わたしの体からいま
切り離 ....
わたしが

うまれてから

なみだを

 このてで

  ふくまで

ちちははは

どれほど

こころを

 ぬらした

  ことだろう


いきていく

 ....
染み込み切らず
床に溜まる夕刻、それは束の間
窓枠が区切って下さった一人分の西日は
結局は目の前で
床へ、床へ、沈んでいった


星といえばビー玉の中に
赤く青く黄色く、在 ....
壊れたカーテンレール
パーツは
カラカラ 音たてて
たどたどしく告げる一日の幕切れ
何千日ぶんの火蓋が
このカーテンの開閉とともに
切られてきたんだっけ

あと
何万 ....
数学が苦手だって言うのに
もう少女ではないから
計算違いは許されない


髪を伸ばすこと
それは可能性
ダイエットコークの味を好きになること
それは目論み


統計では
きみの ....
行ったことのない所ばかりの
詳しい地図には飽きたから
パチンコ屋のチラシの裏に
勝手な地図を描く

縮尺や図法なんて知らない
知ってる場所を適当に
描き出してみるのだ

   小学校 ....
幸せな人を見るのが好きだ

あなたがうれしいと 私もうれしくなる


幸せな人を見るのが好きだ

優しいあなたを見ていると 優しくなれる


幸せな人を見るのが好きだ

昨日泣 ....
狂い咲きの花が
手をすべり
奈落の底へとしずむ夜
逆さまにのぼる 落ちていく
奈落の底へとしずむ夜


奈落の底では また奈落
だから墜落が
絶えない
これからだっ ....
これから明けていくというのに
どんな闇より深い
口笛が
聞こえる

とぎれがちになるのは
灯台が
瞬くから
そして波が
騒がしい

そう、音が
熱をともなって
肌を
突きぬ ....
その指先に
凍れる紅をさし
頬の産毛を粟立たせ
きみは
街なかの雪に泳ぐ


手のひらで固めた結晶は
赤い目を探すうち
もはや雪でなく
氷の透明に変わっている


そんなにも ....
明日ね
また今度ね
そう言いながら消えていく
ここで体が離れたら
わたしたちの間の空間はどんどん広がって
なんだかもう会えないような気がするの
明日なんか
もう来ない気がするの
真夜中の毛布に隠れ
短い振動が
密かにわたしを呼ぶ
七十センチ横では
きみの見知らぬ連れ合いが
高らかに寝息で嘘を吐いている


幸福の整理券を
並んで手に入れたものの
本当は少し ....
朝、その一方で
コンクリートの階段を
冷たくなって滑り落ちる風
一段ずつ、無抵抗に落ちてゆく影


正しく、針が切る時を
間に合い続ける列車が貫通してゆく
プラットホー ....
きらびやかな服を着て
きらびやかな街に出て
たまごの美味しいお店で
美味しいたまごを食べ
たまごが美味しかったと
あなたに電話をした
何て答えたのか覚えてないけど
あの日はあなた ....
ポストがあんまり赤く誘うから
こっそり仕組んだ悪戯めかして
宛名にきみの名前を書いた


雪があんまりひっきりなしに
きみの傍に寄り添うから
水晶の珠を割って
ちいさな虹で
憂欝の左 ....
紙一葉の重みは
風に飛ばされるほどだけど
そこに詩が綴られたとき
人の生に響くほどの
力をもつことがある


詩よ
天の恵みを浴びて
我の中に実るもの
いつかはたれかの鳩尾深く
 ....
死にたくなる理由を
全部集めて
バケツに突っ込んだら
そいつをぶら下げて
ブンブン振り回しながら
海まで歩いていこう
凍りつくような真冬の海まで
右手にはバケツ
左手は君の右手と手をつ ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
初出:
ウエノポエトリカンジャム3 公式パンフレット「Iu(イウ)」(2005年夏)
(http://www.upj.jp/)
「詩なんかよく知らない人にネットの詩について伝えるメッ ....
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと

逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく


痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと

明日を司る月が
昨日 ....
それでも朝は来るので
わたしはまた生まれてしまう
約束されていないことなので
途方に暮れている

わたしは手を持たないので
仕方なく
眺めている
ふりをしてみる
鳥の不思議な動きを少 ....
ガマの穂が天に向かい綿に覆われて立っている
安らかな秋
まるで別世界のことのように
自分のことを思う
帰りたいと願う
時間を戻してくれと願う
叶わない願い
わたしの歩く道から
ガマの穂 ....
信じていたものが
違っていたとき
ぎゅっと身が縮む

寒さに震えながら
両手で缶コーヒーを
強く強く握り締めたりする

あきれるほどにぎやかなパチンコ屋に入って
無感動に札を穴に入れ ....
したり顔その方がいい不倫なら
移り紅どうどうとすりゃ良い余興
指輪する男に惚れる症候群
爪立てぬ癖持つ女に要注意
香水をつけぬ女に策士有り
倫ならぬ恋はどちらか合い知れず
星々は願いの重さ堪え切れず 儚く散るよ宇宙の果てに
瞬きは啄ばむような口付けを溢しているから口付けをしよう
夜の空寒さが増せば増すほどに輝いている誰かの涙 
私の中味なんて
ほんのちょっぴりだわ
昨日も少し減ったし
また出ていくんだわ

明日まとまった金が入るけど
あの男がまた持っていくのよ
しかも利子が小さいとか
ぶつぶつ言いながらね
 ....
不吉だと思って頂戴
とてもとても不吉だと思って頂戴
そう思ってくれればくれるほど
あなたの前を横切るのが楽しいから
咲き残る
幾重もの紅き花片は
誰人かに
散ることを留め置かれた

木枯らしに晒されて
「私はもう疲れたの」と

通りすがる男達に
哀しい微笑を投げかける
アマル・シャタカさんのおすすめリスト(492)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風と体- まほし自由詩8+*06-1-30
こもりうた- とうどう ...自由詩14*06-1-29
Chance!- 阿麻自由詩9*06-1-27
きねんび- まほし自由詩22*06-1-27
ビー玉の停止- A道化自由詩906-1-25
「壊れたカーテンレール_」- 阿麻自由詩8*06-1-24
アルゴリズム_オンナの端くれ- 銀猫自由詩20*06-1-22
地図に有限は生まれ- たりぽん ...自由詩506-1-22
〜Rose〜微笑み- 阿麻自由詩11*06-1-21
「奈落の底へとしずむ夜」- 阿麻自由詩6*06-1-21
残闇の口笛- たりぽん ...自由詩1206-1-20
紅と雪うさぎ- 銀猫自由詩11*06-1-20
明日また- チアーヌ自由詩206-1-20
ある告白- 銀猫自由詩13*06-1-19
レントゲンの粉飾- A道化自由詩606-1-18
たまご- たもつ自由詩1006-1-16
プリズム- 銀猫自由詩17*06-1-12
おもみ- まほし自由詩12*06-1-10
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩7*06-1-10
世界の別名- 岡部淳太 ...自由詩33*05-12-19
Hello----,Hello----._私たちは、つながっ ...- いとう散文(批評 ...4105-12-19
ホワイトアウト- 銀猫自由詩24*05-12-18
わたしの終わりのわたしの- いとう自由詩1605-12-14
安らかな秋- チアーヌ自由詩505-12-7
収縮- チアーヌ自由詩305-12-4
不倫。- 杉田蝶子川柳305-12-4
夜空の星。- 杉田蝶子短歌405-12-4
預金通帳が泣いている- けんご自由詩405-12-1
黒猫の気持ち- チアーヌ自由詩7+05-12-1
冬薔薇- 落合朱美自由詩13*05-12-1

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