宣告を受けた日
私たちは意外なほど冷静だった
それはおそらく
屈強な父の姿には癌という病名が
あまりにも似つかわしくなかったからで

父はいつもの如く寡黙だったし
私 ....
世の中で一番偉い人はだれかと考えました。
お医者さま。臨床心理士 お父さん。御母さん。
おじいちゃん。おばぁちゃん。ご先祖さま。
カミサマ。
ワタシは コノヨウナヒトタチニまもられて
イキテ ....
水なりに進んで行けば轍と気付き

ぬくい手を裏返し裏返し持っていき

一画のひらがな全部繋げたような川
べり

舞い上がる葉のごとく蛾のひとひら

石蹴って歩く子らを蹴って歩く

 ....
空の際を白くフリンジしている
入道雲はあぐらをかいて居直っていた

緑はいつの間にか黄色のまだら模様で
青の侵入を緩やかに許している

落ち葉の中カマキリはちゃっかり枯れ葉色
こ ....
玄関の隅に
白い蝶が 逝っている

ちりとりに さらい
外へ

いつもと 変わらぬ
朝が はじまる

仏前へ 供えるご飯
今日一日の無事を祈り
自分も 食して

 ....
細い道を一人で
ひっそりゆっくりあるいていると
背中をつめたい汗がするりとながれ
自分がほどけていくのがわかるのだ

おだやかにあれ
かぜとともにあれ
朝を生き 夜を生き
かぜのなかに ....
ふかみどり
ふかみどり
言葉を手わたし
笑むみどり


腕の輪まるく
伝うしずく
胸をすぎる
こがねの尾


風のなかをふり向けば
たくさんの声が消えてゆく
 ....
不安なきみの胸からのびた、気持ちをたどって
その痛みを取り除きにいけたら
あの日も汗を見ていたのは

水色のユニフォームと白い靴
時の詰まったタイムカードに
行儀よく刻まれた青紫色の印字


晴れた夏にタオルを投げ捨て
雪の日も半袖は変わらず
(腰に装備し ....
 取り締まることのできない光の減少が
 駅のホームに加算されていき
 歩みと停止を繰り返す人影を貶める
 遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
 やがて満たされる黒の描写の内 ....
29歳の僕と53歳の N さんが
向き合うテーブルの上に離れて置かれた
2つのコップ

減り具合もそれぞれに
薄い道の途中で{ルビ佇=たたず}むように
遠い未来の方から
おぼろにやって来 ....
ほっぺの紅い小さな女の子が
  飴玉を僕のてのひらにのせた


いや 僕はいらないよ

   煙草があるからね

ほら お母さんも笑ってるよ


僕は君より少しばかり大人だから
 ....
あれからずっと、暗い森の中
目を閉じて
なにからも遠いところで
あてもなく
さまよっている背中

地獄の淵におっこちて、
もうここから出られはしないのだと思った

長い長いこの道の果 ....
砂時計が流すことのない一粒の砂
悲しみを知るか

桜を手折る時、残された枝の揺らぎ
寂しさを知るか

発電と称して進むことのないプロペラの空回り
孤独を知るか

鍛えられていく鉄塊の ....
別にそんなに私の名前が変わってるとか、あんまり思わないんですけどね、
いたって普通だと思うんですけどね。
だからそんなに興味ないと思うんですけどね…ぶつぶつ…
でも一応お答えしようかなと…ブツブ ....
  以前、他のところへ投稿した作品を今朝現代詩フォーラムに投稿した後、考え直して1時間後に削除しました。たまにやるんです。投稿しようか迷った末に投稿した挙げ句、やはり削除する事を。

  その作品 ....
すきなひとを あきらめることは とても 辛いことです。動物で 在る以上 いきものである以上 請いの季節は かならず 在るもので それは たぶん かならず だれにも あります。人間はどうしても頭で考えて .... 仕合わせのはちみつを購入にいった。にんげんにはげんそくがあるらしい。とおりいっぺんのぎしきをスマサナイコトニハひとは仕合わせになれない。なり得ない。人はそれでなんどでもくるしむけれどさいごにはかならず .... 25m プール
縁を摑むために泳ぐ

なんて哀しい
泳ぐことは義務でないのに
楽しくて 素敵なことなのに

早く淵にたどり着いて
楽になりたいだけの
泳ぎなんて

 ....
水曜日の唄



色とりどりのビーダマが
ぱらぱらと
空からガラスの水曜日

みんみんぜみのたましいが
ころころと
みんな飴玉水曜日

とんぼが落としたサングラス
きらきらと ....
シロナガスクジラの一家が
泳ぎ回れる程
頭の中は巨大だった

目の前は
人いきれで
ぎゅうぎゅうの
すし詰め状態

心が
あっぷあっぷで
溺れる前に

お風呂を
すみれ色で ....
あなたの
しあわせ
のぞまぬ 
かくどで

ゆびの
ささくれ
みつめた
そのとき

だいじょうぶ
だよって
わたしの 胸を

ひゅう
     って 
 かける

 ....
湖に子供
静かに波打っている
湖に子供
もう
息をしていないのだろうか
塩水ではない水に
もうすぐ浸される
からだは大きくて
頬はまだ
赤い
もう息をしていないのだろうか
だれが ....
むねのなかに
がらすだま
があるんだっておもうと
うまくいった
らむねのびんみたいに
がらすだまを
くぼみにひっかければ
ことばだって
ちゃんとでてくるんだって

すきなこと
や ....
なくのはオヤジだ
エンキドゥ
おまえじゃない

音の届くところには
光はない

光があるところには
ことばの木が茂り
キッコロ コリララ
生まれたばかりの
声がする

 ....
何か空腹を満たすものはないかと
見上げた空は午後だ
トンビがビルの屋上で踊る


薄色の羽根が舞い散る
猛禽が食らっているのは鳩


同族の羽根の降る中
広場ではポッポーとのんきに ....
その大きな手は
いつもどこかにあって
5才の目には映らない

小さな手で
探し当てたのはシャツの端っこ
まよい子が迷子にならないように

届くはずがないと
街の底から見上げれば
と ....
音の無い雨に くるまれて 

溶けていきます


揺るぎようの無い 

あなた と わたし


揺るぎようのある世界に 

流れるように 溶けてゆきます




もう ....
あなたの方で風が吹いている
わたしはわたしで知らないことばかり捜している
秋がそこらじゅうで溶けはじめるとき
空き瓶には夕くれが満たされるとき

幾つもの詩を繋げるようにして
わたしはあな ....
こころの機微をおひとつ、どうぞ

かわりに今後もよろしく、どうぞ


わたしの背後のあれこれの
言い尽くせないあれこれの

混じり気のない よろず味



恥ずかしながら
 ....
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