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夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた

木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた

教室も ....
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから 
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている

眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢 ....
涙は
流れることを許されず
瞳にとどまっていた

雨が
かわりに泣いてくれたので
辛うじてプライドを保っている

物語は
最終章を目の前にして
頁を閉じられた

栞を
 ....
木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
        享けとめるためまつ毛をカール


ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上


空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
宣告を受けた日
私たちは意外なほど冷静だった
それはおそらく
屈強な父の姿には癌という病名が
あまりにも似つかわしくなかったからで

父はいつもの如く寡黙だったし
私 ....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤


夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅


ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う


い ....
月の夜にほろほろ酔い
虫の音聴いて踊り出す
モミジの葉陰の魔物たち

ヒガンバナが燃えてるよ
ワレモコウは眩しくて
そっと瞳を閉じている

秋の月夜はきれいだね
アケビの露を ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
色褪せたペディキュアの朱 もの憂げな視線で足を組み換えてみる


この浴衣ひとりで着たの?と囁かれ耳が火照るのに あぁ今日はダメ


その後の貴方の舌がつめたくて気持ちいいから抹茶 ....
ベッドの上に横たわり
胸の上で組まれた手が
呼吸に合わせて上下する
その規則的な動きを凝視し
眼を逸らすことが出来ない

肉厚のごろんとした手は
ずいぶん年老いてしまった
額の皺も ....
どうしたら此処から翔べるのか
そればかり考えていて
けっきょく何処にも翔べなかった

次々と羽化する蝶たちを
横目で見ながら
葉陰に守られて留まって

安穏

すがるような言葉 ....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた

ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
 ....
一点の翳りも見えぬ空の下白さを競う百合とTシャツ


軒下でチリリと唄うびーどろは風に撫でられ恋を煩う


結い上げた髪にかんざし挿してみる すこし淫らなおんなを気取る


誰がため ....
知さんの落合朱美さんおすすめリスト(15)
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