雲はぼやぼや
ふるる

昼下がり
雲がぼやぼや流れている

ハラピンが道を歩いてきた
ぼーとしながらふらふらしている
俺を見ると
ダッシュでやってきた

汗でふにゃふにゃした原稿用紙を押し付けてきた

読ませてもらうと


「友」  作 ハラピン

友よ
私の友よ
すごくすてきな友だち
泣きそうです
泣きそう

なんかわかんないけど
怒ってくれたとき
なんかわかんないんだけど
なみだでました
うう

友よ
私の友よ
このもやもやした感じ
なきたくてうれしいです
なみだなみだです
言葉に書きたいのにできません
ごめんなさい

なみだでました
友よ
友達よ
すてきでだいじ
なみだでました
すいません


なんかめちゃくちゃだけど、お前らしいじゃんと言うと
またぼーとなっている
どうしたんだよ
肩を揺さぶると

「売れたー来月の雑誌にのるんだー」

なんだと
これが
このめちゃくちゃな詩が
このめちゃくちゃでどこがいいのか分かんない詩が
このめちゃくちゃでどこがいいのか分かんないけど俺はいいと思う詩が
このめちゃくちゃでどこがいいのか分かんないけど俺はいいと思う多分俺のことを書いた詩が

やったなハラピン
ついにやったんだな
これで仲間を見返せるぜ

「せいかつのために書いたんだよ」

ああ、せいかつのためにだな
そうだよせいかつのため
せいかつのため
せいかつのため
せいかつばんざい
せいかつばんざい
せいかつばんざい
せいかつばんざい

よしじゃあココア飲もうぜ

うんでも

こんどお金もらえるから、それでおごってやるよ

ハラピンは黒々とした鼻をふくらませて威張る

大きな耳はぴん、毛は心なしかつやっとしてる


雲はぼやぼや流れている





自由詩 雲はぼやぼや Copyright ふるる 2007-01-16 20:20:32
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