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遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
それでも朝は来るので
わたしはまた生まれてしまう
約束されていないことなので
途方に暮れている

わたしは手を持たないので
仕方なく
眺めている
ふりをしてみる
鳥の不思議な動きを少 ....
{引用=  空をイチョウが渡っていった
  最初は一枚
  次には乱舞

  真上を通った瞬間に
  くるくるイチョウの形が見えた

  落ちてきながら
  落ちてはこずに

   ....
 紫色の空がなめらかに

 この地上を染め出せば

 深い森の中で

 梟がゆっくりと目を覚まし

 豊かな知恵を含んだ鳴き声で

 街に向かってささやく

 ビールで染まる街 ....
酷く薄暗い部屋の中
退屈しのぎに抱きあって

見つめ合う儚げな視線が映す
明日とか言う流れの先に
僕達は二人でいられるかな

重ねた悲しみを互いに背負って
形の無い幸福を夢見ても
掌 ....
芽、夏の始まる頃
なだらかに繁茂し
雨戸のような
古い匂いのする部屋
少年は水棲生物の絵を描き
鉛筆の芯はそのために
おられ続けている
逝くもののために祈り
生まれるもののために祈る
 ....
零れる汗に目が染みて
抱えた荷物に途方にくれる
何もかもを投げ出すには
少し遅すぎたのかな

社会人になってみて
背負ったものは責任と
僕の器を蹴破るほどに
膨れ上がった残業時間

 ....
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
水は途絶えを忘れる薬

波を待ち望む青年や
イルカを愛する少女の瞳

波うち際に揺れる小舟や
小高く揺れる果樹の枝


彼ら
彼女らの
その目の海は
わたしには見えない
 ....
君の名前を入れてみて
検索ボタンを押したなら
数千件の検索結果
どれも君じゃないけれど

思い出したくないって
何をしてようが関係ないって
何度嘯いてみたとしても
何度言い放ってみたと ....
与えられた運命のがっちりつなぎあわせられた糸
ほどこうともがくぼくは

一匹の昆虫としてもぞもぞと眠るだけ

何かしなきゃってわかってる
信じようとしている運命を
それが正しい道 ....
ほうほうと
夜を捜す声がする
ほう 一羽飛び
ほう 一羽飛び
またひとつ木は居なくなる
雨のなか
しっかりと手を握る子ら
緑の闇に
飛び去る羽音を見つめている


 ....
秋に
葉と葉が
まだ生き合っている
その音が、して
その影と影が、あって
その匂いまでが、生じていて


生じては離れてしまうそれらが
見つめ合っていると ....
通勤電車に迷い込んできた
一匹の赤とんぼ

比較的空いている地元の電車
珍しい訪問者に
乗客たちの目元が緩む

夕焼けこやけの赤とんぼ
まだ朝だけど赤とんぼ

*

赤とんぼは ....
いつまでも
優しくあろう
小さな太陽が
果てしのない流れの中で
一瞬間だけ
またたいている
どんなに邪険にしても
きっと魂が
引き寄せられてしまう
星に、石に、樹木にするように
虫 ....
この町にきてわたし
どんな明かりかどんな空気か
暗がりからのぞき込んでいた

じんせいのさいしょのあんよはおえたけど
このまちでさいしょのあんよをいざ さあ

うれしかった
どこにもみ ....
秋が来たかと眺めてみたら
ギンナンは忍法葉隠れの術発動中
残暑ざんしょ

暑いザンショと怒ってみても
黄昏はつるべ落としのすみれ色
残暑ざんしょ

☆が出たかと見上げてみれば
鰯の大 ....
うだるような暑さ
浮かぶ汗は彼の人を飾るオパール
薄いガーゼのシャツ
肢体を包んでいる
あまい匂い
バニラアイスみたいな
舐めたくなるような

誰にでもこんなことするの

わたし ....
幼い日々
などというものは
これまでも 
これからも
全く変わりありませんので
特筆いたしません



或るときから
うたに喜ぶようになって
泳法はままならずとも
流れゆく日々 ....
ふいに
欠けた気持ちで目覚めた
三日月の朝


とんとん、と
階段を降りながら
わたしを満たしていた
はずの
あたたかい何かを
必死で思い出そうとする

思い出そうと
コーヒ ....
あなたが 

いだきはじめた

きもちは

はなびらが

ゆっくり

すこしづつ

やわらかに

ひらきはじめた

はなのきもち



ひだまりで

 ....
部屋はいつもGONESHのラズベリーを焚いて
赤いギターを吊るし上げている
ピックのネックレスを嬉しげにぶら下げた
あいつの部屋はいつも汚い
携帯電話の着メロをダウンロードしても
いつもマナ ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
8歳の少女が
星に願いをかける時は
指を交叉し
顎を上げて
こう言うそうだ
「イクサル・スプレンデー
 イクサル・スプレンデー
 イクサル・スプレンデール
 私の妖精
 降りて来い
 ....
キャベツ畑の真ん中で
僕らまるまっていた

傷つきやすいいろいろを
幾重にもくるんでいた

いたずらな風にあおられて
隠していた顔をのぞかせると
そこには海が広がっていた

一歩も動けずにいたのに
海 ....
縮こまった  手と足を

ゆっくり  伸ばしてみる

卯月の 空へ

ドアを 開けて

ゆっくり  ゆっくり

歩き出してみる



季節を感じて 蒼い風に乗る


 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
はらはらほろり
あのひとが帰る
肩に降り積む雪のひとひら
ついてゆきたい
それはできない
せめても帰路の足跡を埋めて
なかったことにしておくれ

夜半の月
鏡の中に白い顔
黒髪の雲 ....
深夜の駅のホームを飛び降りて
線路の上に独り立ち
北風に吹かれながら
オリオン座の方角へと吸い込まれるように
敷かれた線路の向こうに待つ明日を
全ての葛藤を貫ぬいて光る眼差しで{ルビ睨=にら ....
海の底に潜む深海魚が
巨大な目で
わずかな光をとらえるように
目をこらしていましょう

そうすれば
この暗闇に
光を見いだせるはず

貴方の隣にいると
いつも泡のように
綺麗な言 ....
イオさんの自由詩おすすめリスト(143)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠くにいる- ふるる自由詩37*05-12-18
わたしの終わりのわたしの- いとう自由詩1605-12-14
渡り銀杏- 小池房枝自由詩2105-12-9
手のひらの月- 炭本 樹 ...自由詩6*05-12-7
君の中で思う- 松本 卓 ...自由詩2+*05-12-7
芽、蘇生- たもつ自由詩1205-12-6
生存証明- 松本 卓 ...自由詩4*05-11-30
優しい機械- たもつ自由詩3105-11-14
見たことのない海- 千波 一 ...自由詩19*05-10-31
search- 松本 卓 ...自由詩4*05-10-27
恋虫- 石川和広自由詩11*05-10-24
銀に_緑に- 木立 悟自由詩805-10-23
アンサンブルの証明- A道化自由詩1005-10-23
赤とんぼ- ミサイル ...自由詩805-10-1
小さな太陽- 鏡文字自由詩6*05-9-21
みどりとワルツ- 自由詩2*05-9-19
*残暑ざんしょ*- かおる自由詩7*05-9-15
硝煙- とうどう ...自由詩21*05-8-12
履歴書- 千波 一 ...自由詩19*05-8-8
目覚め- なつ自由詩12*05-8-3
はな_と_にている- 玉兎自由詩6*05-7-18
自分を客観的に見てみようの会- 無知アコ自由詩5*05-7-13
時計- たもつ自由詩3205-7-4
少女の流儀- 鏡文字自由詩305-6-15
キャベツ畑のヨット- ベンジャ ...自由詩5*05-4-16
ひとひら- しらいし ...自由詩5*05-4-5
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
雪月花- 一筆自由詩4*05-2-13
迷える若人へ_♯2- 服部 剛自由詩8*05-2-5
希望について- 佐々宝砂自由詩8*05-1-11

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