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車載時計は21時半を過ぎて
人気などあるはずもなく
風が木々に囁く声さえ聞こえない
料金所を越え
長いトンネルに入り
アクセルを踏みしめ
車間距離を示す標識が
歪んで千切れるのが ....
弱い雨が混じる夕暮れ
運ぶ風が柔らかに包む
小さな花びら舞い落ちる
鼻の頭で微かに咲いた
一片の泡沫を運ぶ香りは
いつからか通り過ぎるだけの
季節を憂えているようで
桜にですらき ....
迷いや苦悩
劣等感や嫉妬
孤独や寂しさ
無理解への苦痛
美味しい食事
快適な眠り
人前での笑顔
傷一つ無い手首
病名がないから
この重苦しい心も
たいしたもんじゃない
{ ....
ちりん、ちりんと
ストラップにかけた
小さな鈴が泣いていて
僕はただとぼとぼと
涙さえ流せずに
現実に草臥れていました
金に囚われた義務と
時に縛られた責任が
いつの日か忘れ去 ....
静かに語る歌声が
明日に紡いだ願い達
どれ程叶えてくれるかと
見つめて過ごす夢を見て
ささやかな温もりを
同じだけ与え続けて
報いを求める卑しさも
小さな箱に閉じ込める
優しく ....
もう何度も読み返して
もう何度も噛み締めて
もう二度と戻らない
時間を振り返るだけ
もう何度も思い直して
もう何度も後悔して
もう決して返らない
記憶を思い出すだけ
片隅の声を ....
遠くにおいてきた時間を
一つ一つ取り出して
今の僕に重ねてみた
懐かしさと共に思い出す
未熟だったあの頃を
自立の為に選んだ道
自律を願って歩んだ道
幼さと若さの間で
ひたすらに足 ....
北風の声が少しずつ
冷たさを増す12月
いつもと同じ帰り道
佇むように咲いていた
小さな体いっぱいに
陽射しを浴びてのんびりと
場所を間違え根を伸ばし
季節を忘れて咲い ....
手を伸ばした先に
掴みかけた陽射し
するりと零れ落ちる
温もりが少しあって
冷たさがやって来る
1月の空に投げかける
呟きは喧騒に隠れ
とめどなく詠う詩は
誰かが作ったものだけ ....
酷く薄暗い部屋の中
退屈しのぎに抱きあって
見つめ合う儚げな視線が映す
明日とか言う流れの先に
僕達は二人でいられるかな
重ねた悲しみを互いに背負って
形の無い幸福を夢見ても
掌 ....
零れる汗に目が染みて
抱えた荷物に途方にくれる
何もかもを投げ出すには
少し遅すぎたのかな
社会人になってみて
背負ったものは責任と
僕の器を蹴破るほどに
膨れ上がった残業時間
....
君の名前を入れてみて
検索ボタンを押したなら
数千件の検索結果
どれも君じゃないけれど
思い出したくないって
何をしてようが関係ないって
何度嘯いてみたとしても
何度言い放ってみたと ....