希望について
佐々宝砂

海の底に潜む深海魚が
巨大な目で
わずかな光をとらえるように
目をこらしていましょう

そうすれば
この暗闇に
光を見いだせるはず

貴方の隣にいると
いつも泡のように
綺麗な言葉が私の心に生まれ
それはみんな泡のように
はかなく消えてしまって
ふと気がつけば
つまらない二人が
つまらない会話を交わしていて

でも世界にはまだ希望があります
貴方に見えないとしても

貴方がいるのはきっと
あおぐらい海の底で
貴方の目はまだ闇に慣れていないだけ

夏になったら
ゆかたを着て
ひとり
海辺に佇んでみるつもりです

貴方はもういちど
私を見つけてくれるでしょうか




Pakiene名義で発表


自由詩 希望について Copyright 佐々宝砂 2005-01-11 20:54:06
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ポエムス(パキーネ詩編)