雲のむこうに たゆたう鼻唄

なんだ
ずいぶん機嫌がよさそうじゃないか

安心して 踵をかえす
淡い 一本松の影を踏みながら
夏の日に
僕等は少しだけ詩的になる
降り注ぐ太陽は殺意とともに肌をじりじりと焼いて
そんな苦役さえも受け入れて
僕等は夏を楽しむのだが

夏の日に
僕等は少しだけ何かを予感する
この喧 ....
「冷やし中華はじめました」、それは夏を大まかに括っていた、水色の一枚の暦のように、町中華の古びたガラス製の開き戸に貼られていた、その水色の張り紙を、店主のおっさんの手がゆっくりとひき剥がしてゆく、ぽっ .... もう、何がなんだかワケワカメ

物静かな人妻のパンティを脱がせたら愛の嵐でワケワカメ
中折れし、拳で殴られ鼻から垂れたワケワカメ

冷蔵庫の中で賞味期限の切れた深い悲しみのワケワカメ
入居 ....
薄汚れた曇空から
ちぎれた臓物や心臓の残骸
パラパラと骨片がふりそそいで

どうしようと
大地に平伏していたら

神さまが耳をかきながら
真っ白い雲のうえ
どうしたあ と
呼んでも ....
土砂降り雨、
それは胸中の無性のそわそわ、
屋内という安全圏から聞く、
トタン屋根を打ちはじめる激しいその響き、
一時的に水浸しになってゆく外の世界に、
人は良くも悪くも予感する、
いつも ....
生まれた時からバッハもピカソもあった訳です
赤ん坊の私がそれらに気づくまでの長い距離は
何かの原型でありそうだなと推察し終え
当時の感覚まで思い出されていたのです
座卓には抽斗がついており
 ....
盆が過ぎ
盛りを越えず
しずくはおちない
八月

陽の下
きみよ

九回で終わると思うな
イレギュラーはつきもの

焼けた肩に仲間が触れる
口元にしずくがこぼれる
伝 ....
今は廃校になってしまった小学校のグラウンドに
ぼくら男子児童は立たされていた
50m走のタイムを計るのだと
体育の大森先生は号砲のピストルを
真夏の空へ向けて構えていた
過疎化の進んだ小学校 ....
あれやこれはみんなのものって言うけど
私はあれであってこれであってものだった
私はみんなではなかった
夏の暑さに、包まれ、静まり、静かな怒りの流れのように、
今、雷鳴がとどろき、わたしは戦慄した。
……ざあっと、雨が降るね。おびえる目で見守る。
やがて、ぽつりぽつりと、頬を打つ雨は感動で、至らな ....
風が吹いたからって、何だっていうのさ。
わたしは人殺しのような目をして、アスファルトに小瓶を蹴って、
救われることなんてあり得ない、ボードヴィルに身をまかせていたよ。
涙……など、流れない。
 ....
その耳、分かるよ? ──分かるわけないさ!
頭蓋をうち壊して(死ぬ?)、わたしはわたしの頭痛を排除した。だからって?
ああ、どんな愚痴でもちょうだい。
わたしは一番街から五番街までの通りを走って ....
終末の
緊張感なんてなかったと思う
ただどこを見てたのかとか
なにを聞いてたのかは
波がさらっていったような
たまに断片が押し寄せて
引けばわたしも海に近づく



ジリつく路で
 ....
あたまのよくなる
くすりをのんでればきみとは
友だちみたいに
過ごせたけれど

あたまのよくなる
くすりをのんでればきみと
友だちみたいに
過ごせるけれど

あたまのよくなる
 ....
シンガッキ、
なつやすみにおウチでおかあさんに洗ってもらった、
とてもキレイになった、
まっ白なウワバキ、
ゲタ箱したのふるいスノコの上で外グツと履き替えて、
とてもウキウキしながら、
ナ ....
今そのちいさな胸に打ちあがる
いっぱつが いっぱつが
導いている 空を
あちらが会場 ここがわたしんちの台所の窓
夏だから あがって見ましょうよ

それから黒いにおいをはこぶ風に くちびる ....
遠いパヤパヤは、ヤバイ音。
とおいぱやぱやはやばいおと


来る、逢うユリイカ。蒼白い路地を赤い理由歩く。
くる あうゆりいか あおじろいろじおあかいりゆうあるく


宵、鹿住むは陰湿 ....
行き違い……死んでしまおうと彼女が言う。
いや、僕が言う。
辿っても辿りつけない、過去へと梯子を下ろして、
一歩一歩、深淵に向かって。
誰かが言ったよ、今日の青は明日の緑、と。
お盆を過ぎると、
いつも風が少し涼しくなるのは、
多くの死者たちが来訪していた、
その磁場の名残なのか、
死んだカブト虫たちを裏庭の暗い土に埋めて、
その上にできるだけ細長い小石を立ててゆく ....
一緒にいるだけでいい
通り過ぎる車のように
同じ景色を見ていくのなら

瞳の中には何があるでしょう
すれ違った日の涙も
遠ざかった日の踵も
 
あなたじゃなければ
受け止められない
 ....
ポエムちゃん、サヨナラ
汗ばんだからだでふたり抱きあった
昨日までの嘘は水に流して
今夜からは本は読まないで眠る

潔く、完璧な AI に譲ろう
思えば、想いはすべて映像だった
ことばは ....
酒鬼薔薇の絶歌を読んだ
被害者遺族の方のお心を思うと
筆舌に尽くしがたい懺悔を思う
それでも、二度と子供が子供を殺すような
未来が明けることを信じて拝見した

彼の口から語る両親像は、かい ....
ハンカチをほどくと、
(ル・クレジオ『モンド』豊崎光一・佐藤領時訳)

そのたびに
(パヴェーゼ『ヌーディズム』河島英昭訳)

生まれかわる。
(ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』 ....
ああ、海が見たい。
(リルケ『マルテの手記』第一部、大山定一訳)

きみは海を見たことがある?
(パヴェーゼ『丘の上の悪魔』10、河島英昭訳)

ぼくは
(サルトル『アルトナの幽閉者 ....
ぼくは
(サルトル『一指導者の幼年時代』中村真一郎訳)

花びらが
(カミュ『異邦人』第一部、窪田啓作訳)

海に落ちてゆくのを見つめていた。
(ナボコフ『ベンドシニスター』4、加 ....
時計 重なり
燃える 時計
開いては閉じる
空の草の目


声と空蝉
途切れ途切れに廻る世界
光っている
触れるものすべてが光っている


夜を動かそうとす ....
人の役に立つのがいいとか言ってると
役に立たなくなった時
死にたくなったりする

君の体験する偉大な時は何か
大いなる軽蔑の時間であろう

自分が人の役に立たず
存在が邪魔にしかなって ....
ルーペをこらせば針は意外とでこぼこしている
ざらつく空洞を液で充たした

 ニミリ

 十ミリ

 百ミリ もっと 震わせながら伸ばす

 ずる休み

保健室の時計はゆっくり回る ....
{引用=
たとえば そらにわたしが浮かんでいたら
きみは おもしろがって みていてくれるかな

つまらない事が続いて 吊り革から手を離して
ホームに降りるときに
いまいる現実 と毎日 のこ ....
陽向(2躯-30~35)さんのおすすめリスト(639)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
帰る- 印あかり自由詩424-8-28
夏の日に- 岡部淳太 ...自由詩1024-8-28
「冷やし中華_終わりました」- 本田憲嵩自由詩1224-8-27
ワケワカメがワケワカメなワケワカメ- atsuchan69自由詩10*24-8-27
どうしたあ- 由木名緒 ...自由詩4*24-8-26
土砂降り雨- 本田憲嵩自由詩424-8-25
ふりかえる生長- soft_machine自由詩1024-8-25
白球- 湯 煙自由詩7*24-8-23
Life_In_The_Fast_Lane- ちぇりこ ...自由詩1524-8-23
みんなのもの- リィ自由詩2*24-8-22
ポエム- 朧月夜自由詩10*24-8-22
ポエム- 朧月夜自由詩7*24-8-22
ポエム- 朧月夜自由詩7*24-8-22
湿風とともに- 唐草フウ自由詩8*24-8-22
あたまのよくなるくすり- 竜門勇気自由詩2*24-8-22
シンガッキ- 本田憲嵩自由詩724-8-21
火の花- soft_machine自由詩624-8-21
青くて白くて赤い夏(回文)- 水宮うみ自由詩5*24-8-21
ポエム- 朧月夜自由詩5*24-8-21
晩夏の鐘- 本田憲嵩自由詩1324-8-20
スクランブルハート- ミナト ...自由詩224-8-20
素敵な嘘- atsuchan69自由詩13*24-8-20
やさしさトス- 由木名緒 ...散文(批評 ...324-8-19
Interlude。- 田中宏輔自由詩12*24-8-19
Interlude。- 田中宏輔自由詩9*24-8-19
Interlude。- 田中宏輔自由詩12*24-8-18
白く漂う- 木立 悟自由詩624-8-17
生きねば~Never_die~- りゅうさ ...自由詩324-8-17
ニンゲン- soft_machine自由詩524-8-17
とれない、- ryinx自由詩824-8-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22