枯れ葉が、自分のいた場所を見上げていた。
木馬は、ぼくか、ぼくは、頭でないところで考えた。
切なくって、さびしくって、
わたしたちは、傷つくことでしか
深くなれないのかもしれない。
あれは、 ....
父はギャンブルと女に金を使い果たし
家に給料を入れることは殆どなかった
幾度となく踏切りの前で躊躇したことか
カンカン カンカン ゴォーッ ゴォー
母は嗚咽を押さえてぼくの手を ....
UMAがゆらりゆうらりと
こちらへ向かっている
新月がその姿を曖昧にする
心の中に抱いている
あんなことやこんなことを結びつけ
その姿を見ようと頭の中を巡らせた
心に浮かびあがる月とU ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを
アフリカの中央部、西部、そして ....
きみの手は、
しっとりとした雪が、
もうすでに降り積もっている、
ひんやりとした夜の雪原である、
年末年始のとある休日、10時に起きて、ぼーっとしたままテーブルの
上に置いてあったステラおばさんのクッキーを食べた。おいしかったよ。
日本人好みの味だよなと調べたらシロガネーゼ ....
隙間から光のこぼれる
カーテンは閉めたまま
布団の中
隣の温かい曲線をなぞり
指や足を絡め
パズルのピースを探り合い
ピッタリ嵌めて
繰り返し
もう少し
繰り返し
あともう少し
....
ちょっといいですか。
あなたは神を信じますか。
牛の声で返事をした。
たしかに、神はいらっしゃいます。
立派に役割を果たしておられます。
ふざけてるんじゃない。
ぼくは大真面目だ。
友だ ....
散らかったイメージを一瞬の構成の中に誘い、ひとつの体系を生み出す、その時の真実、その時のリアル―俺は思考がまだ信号の段階である時にキャッチして変換する、脳味噌はその作業をするには遅過ぎる、それは神 ....
大阪難波元町に、まぎれ込む
二人の微細な影がゆらめく
幾らかの紙幣で買われた
わずか四時間の締め切られた空間
ユニットバスの洗面台で
歯ブラシをくわえる私の顔の
筋 ....
青い涙を流した林が風にさらされ
色褪せた枯れ葉の残り火の
漂う煙りが眼に滲みる
他の誰かに抱かれるであろうきみを後にして
俺はコートの衿を立てて往く
冷たい風が頬を掠め
{ルビ掠=かす ....
冬の乾いた青空を見上げて
生きていて良かったと
何度でもそう言える
喜びも哀しみも
ついには過ぎ去っていき
命燃える歓喜だけが
全身の血管を貫いている
人はみな線香花火のようですね
全ての詩集が翼を広げ
永遠の空の彼方へ飛び去ったとき
飛び降りた詩人たちの
血だまりがひしめき合い
詩人たちの巨大な墓標
と呼ばれる高層ビルの根元を
群れた無数の血だまりが包み込み
突き ....
前日はマイナスイオンを浴びて
木漏れ日の中で夢を見ていた
翌日になれば儚い過去
抱きしめていたもの
腕の中から消えて
ゴツゴツした現実の岩を
指先と爪先の感触だけで登る
投げ ....
「女優Sが爆弾を作ると爆弾発言」
思わずネットでクリックしてしまったら
「爆弾作りを検索したことがある」と
発言したことを書いたコタツ記事だった
テレビ番組は見ないという人が増えたのは
....
先ずは詩書き人としての詩の基礎は良い作品から学ぶことではなくて最初からあるオリジンを提出するときまでに分別していくこと。ネット詩サイトにはトランプカード好きな詩読み人が多すぎるのだとは思うがai(ad ....
昨日届いた喪中葉書
十二月が、いそぐ街道で
歩むわたしの跡に光っている
薄いオリエンタルブルーの粘液
これは体のタンパク質と
多糖分と大量の水分
角が右も左も交互に ....
水炊きにあすはビーフン東京の水はおいしい目はうつろでも
白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く
破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢の ....
やっと想いも嘘も忘れた冬の夜に
それでも消えない画像だけは
頭の中のアルバムには残る
昔生きた男のさみしい笑顔とか
押しつけられたありがたさを
断れずに無理矢理笑ったこととか ....
世界は、ただ一枚の絵だけ残して滅んだという。いったい、だれの描いた、どの絵として残ったのであろうか? あるいは、世界自身が、世界というもの、それ自体が、ただ一枚の絵になってしまったとでもいうので ....
松本さんは
おはよう。こんにちは。こんばんは。
精一杯振り絞るように挨拶をする
今までそれも無かったと看護師は言った
回廊でぼくの袖を引っ張り
彼は時計を差し出し
何かを聞きたいらしかった ....
おむすび、
お出かけする、
にちようびの晴れた朝に、
握ってくれた、
台所の海のかたまり、
炊きたての、
白いゴハンの湯気に混じって、
海苔と塩の蒸せるような香りが、茶の間にまで活き活き ....
このログを読んでくれた方々が詩に対して何処かで、より「関心と理解を深め」て
いただけることを期待して、以下、載せておきます わ 、、、ー、、ー、、わん
この問題をテレビやネットで知った ....
磨きぬかれた回廊が朝日に照らされピカピカと輝く頃
眠りに就いていた患者たちは目覚めの一服をふかし
何時もと変わらない挨拶を何回もする
そして名前を呼び合うことで互いを認識するのだ
ぼくはブラッ ....
{ルビ朧=おぼろ}に深まってゆく夜
鏡に映るのは諦めをつなぎ合う僕ら
幾重にも繰り返されたパラダイス・ロスト
進むほどに歪んでゆく羅針盤
僕らの無邪気の夢はとうに喰い尽くされた
誰かに ....
朝
ひかりが窓際に
座る
僕はこの町と
友達になれない
昨日の切符
ぬかるんだ抜け道の足跡
君のセーターに
虎が縫ってある
最近
君に背中を叩かれる
君は ....
アサシン養成所の子どもたちは最後の卒業のときに親友と殺しあうページはパターン化している。闇バイト(の情報を聞いて)育っている今の子供たちは細くなりつつある日本経済のなかで育つにつれ暗殺者を認めてしまう ....
あるきはじめてから
やっと息をすることを
感じたものだから
四つん這いにすすむことが
やっとで
匍匐前進した先で
どんなに頭を上げても
見えないものは見えないだろうなって
息が上がって ....
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