寒さこそ まだ解けねども 冬雪を
はさみで切りゆく 春は来たれリ
春はコンニチワのリボン
君と私とをつないでく
Spring has come.
想いがふくらんで
今
イッキにバクハツだ!
ほら ほどけはじめた
花のリボン
木々を結んで
虹 ....
永遠に風は変わらない
潮は満ち引きをくり返し
夜のあとに朝が
冬のあとに春が
永遠を願うなら
自然に戻ればいい
ただ風に吹かれて
揺れる花になればいい
桃色の想いが
花ひらく その時に
わたしたちも
そこにいさせて
祈りに似た
ときめきのトキを
ふたりで感じていたい
わたしたち
少しずつだけど
一緒に歩きながら
くりかえし ....
私はせっかちで
寄り道とか
大嫌いだけど
だけど
君となら
遠回りしてもいいよ
少しだけ
月のゆれる帰り道
初めて 制服を着た あの日から 早6年過ぎ 卒業す
もう 帰りたくなってきたんだ
雲の 始まりのところへ
僕は こんな草原に一人でいると
どこに帰ればいいのか 本当にわからなくて
山の 上の方まで 伸びた雲の裾野を追って
歩いていくん ....
夜から朝へと染まる荒れ野が
蒼と白にじっとしている
遠く刃物の音をたて
雲はひとつずつ過ぎてゆく
鉄が鉄を撫でている
蒼と白は寄りそって聴く
凍えてゆく声
あたたま ....
春など永遠に来るな
小鳥のさえずりも
野に咲く名もない花も
小川のせせらぎも
暖かな陽射しも
この世界には必要ない
春という季節そのものを
凍てついた地面の下に
埋めてしまえばいいのだ ....
あの人の手からは
物が出る
パズル断片
形絵合わせ
あの人の口からは
うそが出る
嘘の断片
辻褄合わせ
冷たい雪の下にも
春は息づく
いくつもの涙を
希望の光にかえて
純真無垢な想いを
空へとのばす
小さなスノードロップ
今 一輪
空の上空の
そのまた上空で
北風が
リサイクルされている
誰かの着古した冬が
誰かのおニューの春になる
南風ファッションショーも
そう遠くはないだろう
枯枝に結ばれた
「吉」のおみくじ
約束のリボン
春になれば
再び木の芽吹くように
願いも叶う
そんな約束のリボン
だから
北風の中でも大丈夫
どこまでも
まっすぐ
走ってきたはずなのに
またここへ
戻ってきてしまった
このまま
走り続ければ
いいのかな
いつか
遠心力で
ここから
とび出せるのかな
来る日も
また来る日も
毎日 毎日
朝も昼も
そして長い長い夜も
あなたのことばかり
想いつづける
何気なく交わした会話や
時折みせる少年のような微笑や
偶然に触れた
....
喜びのうしろに
悲しみが
いる
涙のとなりに
微笑みが
いる
神様のつくった
小さな人間
つぶ
だまって青い空が
ある
だまって揺れる花が
ある
喜びなんて
悲しみがクレバ
消えてしまうもの
でも
悲しみより
大きい喜びは
きっと…残るんだ。
うみの うえの くもは
ひろく そらに わたり
おやは こども つれて
あおの なかに すわる
かぜは とけて とまり
ときの なかに おちて
よせて かえす なみも
ひろく みれば ....
僕たちの寝床は動く歩道
一分間のまどろみを
くりかえして
くりかえして
冬は南
夏は北
僕たちは
最早
回遊魚
毎分四十メートルに
作られた僕たち
転倒したゲットーを ....
私はあなたが分からない。
一番近くにいるはずなのに
何を考えているか分からない。
だから、遠くから見つめてみた
あえてあなたから離れてみた
けれど
真実は見えてこなかっ ....
一度きり
月は隠れ
闇の中にその眼を見た
答えはなく
沈黙のままに指は触れた
考えることが
なんの意味も持たなくなる
言葉でも心でもない
想いは強く激しかった
唇は
....
誰もいない小屋には
誰もいないので
屋根に雪が降っても
積もるばかりで
誰もいない小屋には
誰もいない部屋の片隅で
蜘蛛がぢっと巣を張って
誰もいない小屋に飾られた
日に焼けた ....
君を好きとただ、言えればいいのに
簡単に言葉にできない僕だから
ノートの切れっぱしに
好きです って書いたら
風にのってどっかに飛んでいってしまった
草原を走る少女がそれを見て
....
おとぎばなしで
ねむらせてください
ちいさな わらやね
ふりつむゆきで
ねむらせてください
おにさんのなみだで
ねむらせてください
たろうどんや たごさくどんと
いっしょに ....
鏡のような水面に
花と月がよく映える
水面に映りし月を見て
竿を垂らしながら
決して届かぬ事を知る
…浮が沈み波紋が広がる
月は霧散し消えて見えず
竿を上げ
....
残像、光の残像、
スローモーションで、ドアが開く。
引き伸ばされた・・・・音。光の残像。
捨てられてしまった記憶、光の残像を、
それは誰にもわから ....
胸にさやけし
春の恋
波のこちらに
夏の色
せめて明日へのおみやげに
きれいに包んで下さいな
子供泣かせの
秋の空
誰もつれなき
冬の石
せめて明日へのおみやげに
小さく包 ....
悲しさと淋しさを
試験管に注いで
反応させたら
恋になるかしら?
手をすべらせて
ビーカーを取り落とすほど
白い煙をたちのぼらせて
恋になるかしら?
通勤カバンの中身が
巨大なネコの昼寝だらけ
暴発、し、俺!走り!抜ける!
山形屋とトヨタの間の路地を
あらぬ方へよからぬ方へ
俺の影を位牌にしてくれ
俺の位牌をKIOSKで売ってくれ
....
この携帯電話一つ
棄ててしまえば
僕はたちまち解放されて
自由になれる
でも孤独が怖いんだ
部屋で一人
テレビゲームをしていると
ふと
死にたくなる
たばこに火を ....
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