ゆっくりと
呼吸する
緑の植物
ぼくの時間が
音もなく流れだす
風のない日に
ぼくは急いで
時計の針をもとにもどした
不覚にも
こころときめき
きみの一挙手一投足に
いちいち振り向くこの僕
恋なんぞ
有り余っているのに
何故またこんな
浮かばれぬ思いを
....
温もりを重ねあえればそれは優しく愛しい痛み
いたわりが静かに染みて祈るように繰り返す
時々僕を邪魔するこびりついた劣等感と
不意に君を襲う耐え切れない寂しさも
悲しみを乗せた最終電車の ....
月が白く染まるころに 君に会いに行こう
月が白く染まるころに 君に約束の電話をしよう
受話器をとって ダイヤルを回して 呼び出し音に息を潜めて
君を待つ
「なぁに?」
白く染 ....
誰もいなくなった部屋で
揺れる鈴を
祭囃子と
遠い花火が
呼んでいた
赤い小さな
金魚の遊ぶ
窓辺に揺れる鈴
(ち、りん)
月明かりの ....
八月二十七日 午前二時
病室の小さなベッドの上
真っ白なシーツをかぶって
はしゃいでいました
夏が
終わるのを知って
少し ....
ひらがなを覚えたのは
褒めてほしかったから
泣かなかったのは
泣けなかったから
望まないのは
叶わないのが怖かったから
受け入れられないのが
受け止められないのが
拒絶され ....
褒められたくて
ただ 褒められたくて
どうしたら喜んでもらえるかな?
そればかり考えてた
「良い子」は 僕の勲章
「真面目」は 僕の仮面
それで満足してたあの頃の自分を
今はちょ ....
いつまでも変わることのない
あの青空に恋焦がれて ずっと変わらないと信じて
心はいつも青く照らされていて 淀み一つない君の光は
僕の空の色を七色にも彩って
カケナイ心 いつ ....
人は時に狙われて
ものみな静かな夜の中
時という
まだ固まっていないコンクリートに
自分のしるしを残して
ブランコの音だけが
コキー
コキー
時に思いを馳せたとき、
夜だ ....
空を泳ぐ 羊の群れ
青を連れ去って
どこまでいくの?
え?
あぁ 夏までいくの
灰色の街角に
僕の影がしゃがんでる
地上は白く淡い小雨の日
千は海
幾百の涙を統べる
千は{ルビ宙=そら}
幾百の夢を{ルビ抱=いだ}く
過去は彼方へ飛び去って
常に今はまっさ ....
青空は遠すぎて
どこまでいっても
たどりつけなかった
もう歩けない
光は失われてしまった
寒い
寒いよ
青空は広すぎて
その笑顔は
きれいすぎて
私にはもったいなかった
....
こんなに苦しいのは
人間が氷のように
あとかたもなく
消えることができないから
こんなに悲しいのは
人間が泡のように
ある時パチンと
消えることができないから
雨・・
と、今日の世界を書き記す。
ここからどこへ
行くというのか。
どこへ?
決まっているじゃないか
そこへ。
そこ?
そうそこ。
ここ?
そうここ。
どこなんだここ。
....
ああ 空に降る
冷たいしずくよ
どうしてそんなに
私のほほを濡らすのか
ああ あの暗い空から
美しいしずくが
いくつも沈んできて
今ここで つどうのか
冷えた手足は
あやしく ....
虹のカケラ探して
一人たたずめば
なつかしい道
琥珀の光
思い出してみれば
ふるえてしまう背中
重なった指先
虹を宿して
止まった歯車動き出す
白く閉ざされた世界
{ルビ朱= ....
橋の下には
川が流れている
たくさんの落ち葉の側には
木が立っている
枕の上には僕の頭がある今、
天井の片隅からきみが僕を見ている
庭で猫が鳴いている
ああ、僕は死んでいるんだね
暗い ....
I'm always close to you
「そばにいるよ」
歌声の素敵なあなたは天に召されてしまって
ずっと悲しくて、つらくて、どうしようもなく
落ちるところまで落ちて
....
涼しい初夏の頃
大空に泳ぐ風
緑をざわめかせ
色 そめあげてゆく
目をとじても感じるよ
新しい季節のドキドキ
見えるものが全てじゃない
Feeling everything
in ....
きらめく星空 瞬く間に見た夢
あぁ 手を離さないでいて
波打つ心 雲間の向こうで微笑む{ルビ未来=あした}を掴めるの?
”I miss your smile”
突き抜ける青空 はばた ....
いつも遠くから見ているだけの君へ
今日は花を贈りたいな
どんな花が好きなんだろうな?
びゅーっ
世界各国の素敵な花たちをどこからでも
プレゼントできるよ
どんな花でもリクエストして ....
あなたのこと、見つめてもいいですか?
手のひらの小さな水溜り
そこにかすかに映るあなたの横顔、見つめていてもいいですか?
水溜りの水が手のひらからなくなるまでのわずかな間
あなたの横顔、見 ....
「僕らは彼らのように毎日そばで触れ合うことはできないけれど」
「僕のわがままだけど」
「君とずっと一緒にいたい。僕の心のそばにいてほしい。」
「大好きだから・・・愛してる」
好きなのに ....
なくもんか!
大声あげて泣きじゃくる君の少し離れた部屋の隅
ボクは天窓から見える月に向かって固く誓う
だって
男が泣いたら格好悪いじゃないか!
ボクが泣かせたのに泣けるわけないじ ....
声にならない声を空に向かって話し掛けてみる
「すべてを語るには早すぎる、僕らは近づきすぎた。
うん、そう。別れようとは言わない。言えない。
どうして、か。それは君が好きだから偽りたくないだけ ....
・
・
・
音もなく湖に波紋が広がる
同心円の規則正しいリズムを刻む
その始まりはたった一つ音もなく
湖にこぼれた{涙滴=ティアドロップ}
それはまるで
見ず知らぬ人との間 ....
{過去=きのう}のことがまるで昨日のことのようによみがえる
・・・花びらは
誇らしげに 寂しげに 儚げに
その色を 形を 輝きを
放っているけど・・・
一陣の風 やわらかく包み込 ....
私が本当に知りたいことは
学校で叩き込まれることじゃない
友達や先生の言うことは
どれも最もだが
どれも私にとってマチガイだ
縛られるのは大嫌い
邪魔されるのも大嫌い
もっとカン ....
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