青空よ
無垢な雲よ
森よ 海よ
遠くをめざせ
心のみ知る目的地へ
鳥よ
忘れないで
空に果てる その日まで
清く果てなき飛翔を
清く果てなき飛翔を
……
グラジオラスには
夏が咲き
雲なく晴れて
風もなし
夢はほのかに
午后の空
盆ちょうちんの
夏かがり
遠き耳に
海は果て
夢はさかりに
夕の風
青きトマトに
古き恋
....
おさないたましいが
いつまでも浮かんでいた とき
すべてが凪いでいた
まっさらな夏の日
あさい角度でそそがれる
いまにも壊れそうな
まひるのほしのひかりが
あたためすぎた布団から ....
真昼の空に白い月
青い空の白い月
それはみえないけれど
そこにある幸せ
天の川まで
こぎ出でてみよう
この街が
世の中が
どういうふうに見えてるのか
あなたの願いが叶うように
流れ星を連れに行こう
海の香りに目をさまし
ふと見れば 波
誰を待っているのか
どんな言葉を待っているのか
私
不思議な涙は
いくつも流れて空に消えた
君の香りがした
君は希望の香りがした
....
風はいつでも強いかな?
空はいつでも暗いかな?
ちがうよね
やさしい風も
あかるい空も
あるじゃない
不幸ばかりは続かない
素直になろうよ
私たち!
心のわだかまり
な ....
夢のような色合いの
からっぽの貝がら
心のような色合いの
砕けてしまった貝がら
チクリと指に花を咲かす
害のない言葉など
ないと知りながら
きれいな言葉を
使いたかった ....
笑ったり
泣いたり
怒ったり
君の、ころころと、まるで万華鏡のようにかわる
「君の顔」
ボクの一番好きな「顔」は照れ笑いの顔、
宝物の中の宝物
恋の歌を口ずさまずにはいられない
....
音符のように揺れる花は
ビロードの四面ソ歌
色と音とがマチアワセ
白い夢を真っ赤に染めて
花になれなかった
けれど似てしまった
ゆえに{ルビ永遠=とわ}をゆく
四面ソ歌
声にならなかった
すぐそこにいたのに
あの一言は
時の彼方へ行ってしまった
ただ「あいたい」と思える人がいるだけで
幸せなのかもしれない
だから 君がうらやましい
六月は蒼く煙っ ....
泣いていたのは
誰だったろう
涙はコロコロ
微笑みにかわり
たんぽぽに
揺れている
おひさまに似た黄色に
揺れている
大輪が
弾けて消えて
なくなって
繋いだ指が
離れて消えた
Date:9th,May 2004
4th
じゃんぷッ!
いちッ!にッ!のさんッ!
小さいけど真っ白な花を
今、精いっぱい咲かせたよ!
小さな体を
小さな背中を
ぐんと伸ばして
いちッ!にッ!のさんッ!
さぁ、じゃんぷッ ....
立ち尽くす
波のしずくは
指からこぼれて
あの人の命
永い別れを
私に告げる
見えなかった
思い出
聞こえなかった
風
けれど消えない
指先の感覚
窓の外
首をかしげ ....
あした
また あした
雲 流れて
あの空は春の中
風 流れて
波立つ 森の音
風はあるけど
帆をたたもう
船出の朝は
まだ遠い
あした
また あした
そら 一番星
痛みだけが
今も私をここにつないで
逃げ出すことも
かなわない
夜の闇の中
月にさえ見放されて
口ずさむ
思い出の歌
でも もう届かない
消さないで 記憶
消さないで 傷
....
昔
びい玉は ころころ転がり
車にひかれて 粉々になってしまった
大切なびい玉だった
キラキラしてて
でも どこか光は優しくて
本当に大切にしてたのに
だから今
風船を見つけたから ....
気がついて ふり返れば
桜はもうなく
最後の花びら {ルビ一枚=ひとひら}
ひらり ひらり
風に流れてく
春がいってしまう
つかまえようとした
この手をすり抜けて
春はいってしまう
鳥のように生きたいと言っても
鳥の悲しみなど
知らないで
薔薇の花のようになりたいと言っても
薔薇の苦しみなど
知らないで
知らず 知らず
ひどい仕打ちをしていることを思って
....
木の芽吹く 枝の指さし 春の雲
気がついて ここはどこだと ふきのとう きらめく空に 大きくのびして
菜の花の黄色に
あたたかさを感じた
芽吹いた緑に
優しさを覚えた
暮れゆく紫に
せつなさを知って
どこまでもある青に
強さを学んだ
心のゆとりは 恵まれていたから
冴え返り 愛用毛布 手放せず
風が強くて
笑うほどはためく
せんたくものたち
私のからだも
飛べたらいいのに
空寒み ぽっぽとこぼれる 白い息 春への汽車が 出発進行
そっと想うのは
君の幸せ
私は少しでも
顔を出せているのかな
たとえば
本のしおり
サンドイッチのパセリ
寒い日のマフラー
日常の何気ないところに
そっとでも
顔を出せてい ....
淋しいときには思い出してほしい
悲しいときには思い出してほしい
あなたの苦しみを
共に苦しむことはできないかもしれないけれど
あなたをまだ知らなくて
何の力にもなれないかもしれないけれど
....
木の幹の中は
小人の国
「冬」という地下の駅から
汽車の音がきこえるよ
しゅっぽ しゅっぽ
長い長いトンネルぬけて
しゅっぽ しゅっぽ
新しい緑の帽子をかぶった小人たち
夢と希望ととき ....
寒い空 空も思わず 白い息
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