腰が痛くて歩けなくなっても、
恐怖にすくんで脂汗かいても、
手が訳もなく震え続けても、
全てを失い意気阻喪しても、
大丈夫、大丈夫だよ
生き抜く意志さえ失わなければ
全てを学ぶ機会と受け止 ....
ぬるい風が強く吹いて、寒さの角が丸くなる
冷たさがもう人を傷つけたりしない

そのうちうんざりするような薄水色の空が広がって春を呼びはじめるね

仄暗い街にとぼけた光が刺すまでのこと

 ....
都市は 心の模倣だろう
粉糠雨に 街灯が燈る
心の溝にも 点在した明るさが次第に道になる

見えない糸で繋がる送電線
車のように動きまわる明かり
しずかに一人きりの夜をともす ....
人の影を踏まないで歩くということは
それはそれはむずかしいこと
それを求める人は
だれかの影をすでに踏んでいることには気づかない

探し犬の張り紙をみつける
大人しい犬です
と書いてある ....
腹のあたりに
ぽっかりと穴
医学的な話ではない
かといって心の中とか
そういったロマンチックな歳でもない
実際に腹のあたりに
バレーボール大の穴が開いたのだ
妻や子どもはよろこんだ
そ ....
       東海は きさらぎの
      優柔不断な 虚空から
  ふわふわ 裏庭に 舞ってきた
       不揃いな 粉雪 め
          ひょっとして
  寸暇を つぶして ....
蒼い優しさに触れ
眩暈の空に包まれる

流星の矢に射抜かれて
陶酔の海に沈み行く

絡みつく潮風
生暖かい夏の夕べ

白いシャツに透ける躰
触れる指先に伝わる鼓動

羽化したば ....
耳元に
毛細血管の危うさで
流れゆくのは
私の心臓

体中を駆けめぐる
火照った愛撫が
暴れ出すのを
待っている

水の臭いは排水溝へ捨てた
吐息を微かに白くして
私の心臓は
 ....
豆腐くらいの冷たさの風

味噌汁ほどの温かさのこころ

まっすぐなこの気持ち

浮かんで浮かんで消えて浮かんで


肩のちから

抜く

飛び降りた


それでもぐちゃ ....
縁側の机は
祖母の為にひと時のやすらぎを作り出す。

孫と語らうお茶の時間。
本を読みながら転寝をする
晴天の昼下がり。
一日が無事に終わりました。と
マッサージをして迎える夜半

 ....
サラリーマンの味方のビデオボックスで、
うちへ帰るまでの時間を潰そうと、
60分グッズ付きで、1050円支払い、
適当に見つくろったエロDVDを持って個室に入る。

俺は自己目線モードのエロ ....
過ぎ去った時間の遥かさを
たやすくとびこえる色がある

枝葉のさまざまなありようは
忘れてしまったのに
あの日
落ちかかった滴のことだけを
覚えているのはなぜだろう
人生の岐路で
も ....
世界が世界であるかぎり
わたしたちは夢を見るのだし
なんどでも夢からさめる
放りだされたさいころみたいに
つめたい体を転がしながら ときどきは、
咲いたりもする
咲いたふりをして逃げた ....
 剽窃したい人はそこに居て、夏のセロリをしっぽから齧っている。水は生温い 
 が金魚鉢の赤い魚たちは夢を追わずきょうも元気だ。猫は背を丸めしっぽりと
  寝ている。 
 猫を抱き ....
打ち上げられた六百頭のクジラにナイフを刺した
どうしようもなく大きなかたまり
どうしようもなく身を投げた人の命が溶け込んでいるから
潮の匂いは生の匂いがする

冷えた肉体をプランクトンが分解 ....
  

凍てついた川面を蹴って舞い上がる
氷点下の風
丈高い建造物の隙間を吹き抜け

厳しく雪を吹き下ろしていた雲が
ため息ついて
気まぐれのように座を譲る
冬だけが見せる裸身の蒼穹 ....
私達はきょうも鳥の首を絞めて
お釈迦様を雑巾でぬぐっている


星は一面凍りついてしまって
月の香りがしないと鼻をすする


ころっと犬の彫刻が転がって
心臓をノミで打たれた感じ
 ....
ひかりのつくり方は だれも教えてくれない

水の配合を間違えたことで 白く霞む朝に
きみの浅い微睡みは
錆びたダイヤモンドのように 美しくおちていく
レースをまとった瞳の透過は
いくつかの ....
一枚の写真が燃えている
黒い鉄の花びらの上
ひらめく炎をその身にまとい
そりかえる
水蒸気と煤があいまって
白くにごった煙とともに
封じられた時間も漏れ出して 
霧散する
平面の中の奥 ....
色が見える
肌触りを感じる
匂いと、
匂いとみたいに立ち上る情感

一瞬が光の速さで
私たちが気がつく時にはもうすでに
少し過去だ
今とは、悲しいかな少し過去だ


詩のようなも ....
ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった

[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]

あの青い青い宇宙の大海原
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
朝はごはん
でもときどきパンが食べたくなる
フライパンで焼くパン
1枚出来上がり
マーガリンを塗って
アツアツ立ち食い
そうしているうちに
もう1枚出来上がり
アチチとアチチ
フンワ ....
そうですファーザー僕の罪です
僕の空想の中にしかない緑の地で
彼を罰したのは僕です
絹糸のようになめらかな美しい川の流れ
を燃やしました
とてもよく燃えました

腕に黄色いスミレ紫のスミ ....
そうや、おらんかったね

自分以外の人がいる居間は暖かかった
冷えたこたつの中で丸く、眠るその影に小さく蹴りを入れても
明日もそうだろうね、言い訳することもないよ

灯油を乗せた車の音楽が ....
ある日 妻が疲れていたので私が食器を洗った しかし
次の日 録画をして週末にまとめて見るのを控えて
欲しい と言われた 妻にはそんな時間ないとのこと
しかし アメトーークだけは譲れないーー
テ ....
    腕ぐみで 冥想の真似をして
   過ぎた心情を つまんでみても 
 もはや 始まらないが どうしても
のどにつまるのは 青い年に生まれた  
      つぶやきの苦さ ばかり

 ....
野に咲く草花のように
誰にも見られなくても
ほかに残せるものがないから
生きている証しに
今日も一片の詩を
書いてみた
折れ傷つき 挫け痛み
苦い草を食いちぎり また歩み
道ならざる道に 壁は壁ですらなく
人のほほ笑みは 時に後ろ髪をひき
憎しみを擦りあわせて ほのかに熱をだし

また歩み また断崖に臨み
 ....
南の窓から朝日が差し込んでくる
簡素な食卓 トーストとコーヒー

妻と私は向かい合い 何気ない会話をかわす
あたりまえの事に幸せを感じる

ふたり別れて暮らすこともあったけど
今は一つ屋 ....
満たされないのは

足りないからではなく

求めている方向が

違うから
田中修子さんのおすすめリスト(910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
捧げる- ひだかた ...自由詩9*17-2-23
昧爽- 青の群れ自由詩417-2-22
粉糠雨の街灯_- るるりら自由詩19*17-2-22
- 朧月自由詩217-2-21
穴男- やまうち ...自由詩5*17-2-21
卒寿のかげ(三)- 信天翁自由詩317-2-20
思春期- 星丘涙自由詩10*17-2-17
紅く晴れた夜に- 末松 努自由詩7*17-2-16
ぼくの哀しみ- 吉岡ペペ ...自由詩1017-2-16
長いお休み- 梓ゆい自由詩117-2-16
もう勃たないかもしれない- はだいろ自由詩517-2-16
虹色の滴- そらの珊 ...自由詩12*17-2-16
夢みる- はるな自由詩817-2-15
剽窃_- 白島真自由詩21*17-2-15
浅瀬のクジラ- 青の群れ自由詩717-2-14
二月の空に- Lucy自由詩16*17-2-13
雪のひとびと- 印あかり自由詩15+*17-2-12
一欠けらのひかり- 小林螢太自由詩13*17-2-12
炎の遊戯- ただのみ ...自由詩15*17-2-11
「今」- 自由詩217-2-11
金の花びら- ひだかた ...自由詩12*17-2-8
朝ときどきパン- 灰泥軽茶自由詩717-2-6
記録者- ふるる自由詩6*17-2-6
+2℃- 青の群れ自由詩617-2-6
イクメンには今も届かない- 朝焼彩茜 ...自由詩817-2-6
卒寿のかげ- 信天翁自由詩417-2-5
一日一詩- ホカチャ ...自由詩417-2-5
_- 印あかり自由詩4*17-2-4
朝食- 星丘涙自由詩5*17-2-4
満たされないのは- ホカチャ ...自由詩1*17-2-3

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