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ぼくの身に止まった蝶が
羽根をやすめることができる速度と
やわらかさで生きていく
だまされても理不尽に遭っても
戦争になっても
失意のときも得意のときも
その蝶 ....
夜あるくにはこわい道だった
夜桜は昼よりも白くて
ふたりの歩幅はうそをついていた
お葬式のような桜のぼんぼり
好きだとはとても言いだせなかった
血を流したところを抱き締め ....
豆腐くらいの冷たさの風
味噌汁ほどの温かさのこころ
まっすぐなこの気持ち
浮かんで浮かんで消えて浮かんで
肩のちから
抜く
飛び降りた
それでもぐちゃ ....
焦りや落胆や失望は
いろいろなことを教えてくれる
ぼくには祈りがあるのだ
澄みわたる世界があるのだ
それが有難い
親切されたり誉めてもらえば
だれでも感謝ぐらいでき ....
防衛庁の巨大なアンテナのさきが霧にかくれていた
富久町の高層マンションのさきも霧にかくれている
そんなことを眺めながら路地を歩いていたら
あ、
きょうの日付をあたまのなかで確認 ....
母と久しぶりに会い生まれて初めて外食をした
町の三階建てのビルの二階にあるちいさなレストランだった
ぼくも母も日替わり定食をたのんだ
メインはチーズロールカツだった
豚カツは食 ....