セックスをもたらさないベッドがある
枕をはずして
もし何かをみつめてるとすれば
終わりのない色の
壁の終わり
空間にとっては軽すぎるものだろう

夕暮れに蛇をつかまえた
金はいつも夜に ....
人は光年の彼方を旅する
どこまでも
どこまでも
現在過去未来
飽くことなく
旅を続ける

時に富を得て
時に殺され
この肉体を他者に捧げ
命が取り込まれてゆく

ある時には恒星 ....
糖蜜工場が爆発したことによって
甘い蜜たちが
静かに街を流れ出しました
その粘度たるや
もう人の手にはおえない類のものです
アスファルトの上の蜜はそのまま冷えて固いかさぶたとなり
土の上の ....
真冬の朝
道を歩いていると
飛べなくなった小鳥を目にすることがある
数年に一度
いつも忘れた頃だ
そっと捕まえ
コートの内ポケットへ忍ばせる
少しおくと
飛べるようになって
やわらか ....
焦りや落胆や失望は

いろいろなことを教えてくれる

ぼくには祈りがあるのだ

澄みわたる世界があるのだ

それが有難い

親切されたり誉めてもらえば

だれでも感謝ぐらいでき ....
エスカリエの沈黙・試論


、林檎を齧りながら
 本を読んで いました。

そして、静かに、

 手を伸ばせば取れるほど
 真近かに
 林檎は
 赤く光って いました。

今 ....
ほんとうの自分のことを
わかってもらうことは
誰かをそっとこころのなかで
信じるということでした

あの日を 
僕らが生きていること
すでに静かな風が通りすぎるように
深い森林と広い草 ....
説明 解説 言い訳
どれも要らないと云った
ただそのままで
あなたは惹きつける


男が女を始めて見たように
女が蛇を始めて見たように
たぶん
美しくて奇妙
エロチックで恐ろしい
 ....
誰も知らない そんな夜、


少女のぽっちり開いたくちから一羽の蝶が
それはすみれいろの 夢見るひとのうすい涙のような
蝶が飛んでいった 音もなく


(恍惚めいた ひみつの儀式)
 ....


赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....
とかげの尻尾を捕まえて
振り回し
捻じきる遊びやったことない?
楽しいよね
人様の失言とか
失態とかそんな尻尾も集めて確か
引き出しの2番目だったかな
とってある
話のネタとしては
 ....
{ルビ理由=わけ}もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ

本当は 
居場所の見当はついている

古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて

またも千日手を繰 ....
グッドラック、発したことない言葉
語感のよさだけが残る
旅立つ日の特別な高揚感は
からんだ糸をほぐす

まだカーテンのない部屋
白い靴下の大きな男たちが運び込んでいくダンボール
馴染んだ ....
昔昔のことです

「ソックタッチ」という商品名の速乾性液状糊のスティックがあった
糊といっても紙を貼りつけるものではない
靴下と足を貼りつけるものなのだ
ずり下がるという引力の法則に抗うこと ....
――切り刻む
思惑/意図/動機//詩情/詩法?/詩論??//詰め込んだもの//
読み漁ったもの/捻り出したもの/スケスケのもの//
レゴ並みの理論武装/生まれや育ち/時代精神/文化/思想/神学/ ....
仄か香に埋もれてしまいました
夢うつつのなかに
鬱々と引きずり込まれてしまいました
湯に足を取られたかのように
ゆるゆると絡め取られて
沈んだ湯のなかから、見上げたそらは
金の産毛 母さん ....
あの頃
きみはまだ産まれていなかった
着床しない
小さな種だった

人はなぜ産まれてくるんだろう
人はなぜ産むんだろう
いつか手ばなす命であるのに

わたしが
影も形もない頃
少 ....
胎内の音は覚えていられないね
夜明けの前のカラスの声も

皮膚の下の七割の水は今も轟々と音を立てているというのに
わたしたちの耳は気づかない

潮で錆びた看板や港町の工場や
点在する小さ ....
  
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから

まっ
    しろ

になってしまって



いつ ....
望まないものを食べて
ふっくらと肥えた鳥達

心はやぶれ、夢を違えて
雪はこんこんと降りしきる


温かい巣にいられないから
誰もかれも震えて
つめたい石の灯りを頼りに眠り

ど ....
ギター
雨をはじいて飛ぶ鳥のように
空気を震わせて濁らない
濡れた枝先の微かな光
抜糸された瞳へ飛び降りる
孵しそこねた夢の欠片から
うなじのほくろふたつ
振り向くことのない永遠が
月 ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
北風が吹き荒む漁村には
荒れ果てた番屋があり

やせ細った野良猫が
廃船の置かれた船着き場をうろつき

誰も泊まることのない民宿では
年金暮らしの老夫婦が
息子の帰省を待ちわびている
 ....
すべての厳しさにすべてのひとのやさしさにすべてのひとのせんさいさにすべてのひとのおくびょうさに、すてきなものをありがとうと、伝えたい

すべての方にありがとうを

*****


ふるえ ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった



冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
 ....
青い空に
浮かぶ雲は
他にやることもないから
特別にゆっくりしている
なんの充実感もない
無益な時間を消費してるだけだ

一瞬は永遠につながっている魔法

雲よ

あなたは
い ....
曖昧な態度のままで察し合うのが自然
と言葉で明示することもなく
顔や声音
目線や肢体の所作で流動的に日常をやり過ごすこと
に疲れもせずあなた烏賊のよう
嫌い
大嫌い
烏賊は好きだけどあな ....
ナニカガ ウマレ ソウダ

言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
何かが何かが ウマレテイル


夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
兄と弟
汗流し
その頃 ....
軽やかに頭を垂れながら
逃避行の挨拶はこっそりと

カメラに背を向けた
二人きりのエレベーター
秘め事にもならないな
車のキーが揺れていた

流れていくフロアの景色
わたしたちは大丈 ....
田中修子さんのおすすめリスト(910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
セックスしたかった- 末下りょ ...自由詩14*17-2-3
命の行く先- レタス自由詩517-2-2
糖蜜の街- そらの珊 ...自由詩22*17-2-1
いのちさめる- ただのみ ...自由詩15+*17-1-28
祈り- 吉岡ペペ ...自由詩1317-1-28
エスカリエの沈黙・試論- ハァモニ ...自由詩4*17-1-27
そっと君から信じてもらう光景に- りゅうの ...自由詩22*17-1-25
お気に入りの一編- ただのみ ...自由詩13*17-1-25
夜毎の蝶- 石瀬琳々自由詩15*17-1-25
- 本田憲嵩自由詩16*17-1-25
鬼の首コレクション- Lucy自由詩11*17-1-22
かなしい- ただのみ ...自由詩18*17-1-21
荷ほどき- 青の群れ自由詩1017-1-19
わたしたちの靴下はいつだってずり下がってはいけなかった- そらの珊 ...自由詩19*17-1-19
あると仮定して- ただのみ ...自由詩11*17-1-18
仄か香り、人- 水菜自由詩18+*17-1-18
風花のことづて- そらの珊 ...自由詩21*17-1-18
或る音- 青の群れ自由詩517-1-17
生まれながらの血の不足- AB(な ...自由詩15*17-1-16
それでも絶やさずに- 印あかり自由詩6*17-1-14
INSPIRE- ただのみ ...自由詩14*17-1-14
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
寂れた漁村- 星丘涙自由詩10*17-1-9
水花- 水菜自由詩6*17-1-9
ポリリズム- 小林螢太自由詩21*17-1-9
猫雲- そらの珊 ...自由詩14*17-1-9
奥さんあなたが嫌いです- ただのみ ...自由詩11*17-1-7
在るの根っこ言葉の根っこ(改訂)- ひだかた ...自由詩8*17-1-6
ラストダンス- 青の群れ自由詩517-1-5

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