忘れ去られ、蔦が這い
色褪せくすみ、ねむったまま
死んでいく、そんな佇まい
そんな救いのような光景を
横目に朝夕を、行き帰る
遠くのタバコ屋の廃屋まえ
どんどんとカメラが引いて行き
エン ....
「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ

幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
彼女はピアノの歩調
酔ったように濡れながら
街角を幾つも曲り公園の
裸婦像の前

肉と骨の鳥籠に
冷たい火ひとつ
切りつけるナイフではなく
やわらかな雨

胸のジッパーを下ろす
 ....
やあ
十五年前の君
予想できるかい?
ひとつだけ、教えてあげよう

{ルビ面白=おもしろ}苦しい、面苦しい、日々の果てに
君は手にいれる
ひとつの温かい宝を

自由だとか、幸いだとか ....
 花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。

 うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。

 目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
 ....
自称詩人は
死ぬまで自称詩人でいて欲しい
クソの役にも立たない内向きの感情が
自称詩人を止めることで
外向きに変わった場合
下手をすると
屋上からベランダに降りて
ガラス窓を焼き切って
 ....
元号が変わろうが
何が変わろうが
自称詩人は
自称詩人のままで
いつまでも
クソつまらない自称詩を
書き連ねていく

屍は屍以外には変われない
万が一生まれ変わったとしても
やはり ....
むかしむかしあるところに大正という村で育った少女がいた
彼女は いつしか百歳を超えて
「敬老会に行っても 最近は若いモノばかりで つまらん」と言い
八十を超えている若い衆が ぐっと笑いをこらえた ....
雨は解かれる時間
こどもたちの声の重なり
散る 花のモザイク
煙は祈り 空は響かず
水は光を乗せて黒く笑う
蛇のように去る なめらかに


井戸に落ちた人
井戸が歩いている枯渇した
 ....
詩は勝てない

自分の意見を言葉にできる人に
詩は決して勝てない

気づいたことをちゃんと調理せず(素材そのものの味とか言って)
なんとなく寂しいだとか嬉しいだとか
そういう気持ちのソー ....
もしも 三人が しゃれこうべになったら
三人は親子だと すぐにわかる 
なぜなら 同じ頭の形してる。 と、言われ
ハチマキ姿のタコの絵のような 立派な おでこを
三つ つきあわせて
婆さんと ....
A

光とパッションで
あい わず ぼおおん
おもわず ぼんぼぼん

三叉路のような枝先に
咲いているのは紙様の花
花の名は みつまたで

なぜだか知らぬが いにしえの人は紙を梳い ....
 詩は生きるために必要なものではない。

 例えば貧しく混乱した世の中では人々は生きていくことに必死で、詩どころではない。豊かで平和な世の中になると今度はしなくてはならないことが多すぎて、やはり詩 ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた

 ....
{引用=*筆者より―― 旧稿を見返してゐて、本フォーラムに掲載してゐなかつた作品があることに気付いた。以前のアカウントを消して以降、復帰するまでの間にかいたものは随時掲載していた積りだつたがどういふわ .... 最近ヤモリは現れなくなった
夜のはめ殺しの天窓に映させている
流線形のシルエットが好きだった
イモリだったかもしれない
それとも風に導かれて降り立った
小さな神様だったのかもしれない
便宜 ....
枯れてゆく冬に名前はなく
キャベツ畑の片隅で枯れてゆく草花を
墓標にしても誰もみるものはいない

ただ今日一日を生き抜くことが
大切なんだと、うつむきがちに言う人に
ぼくは沈黙でこたえる、 ....
クソゴミみたいな自称詩人は
ある時からパッタリと姿を見せなくなる

うだつの上がらない現状から
ほんの一時でも解放される気がして
クソゴミみたいな自称詩を投稿し
一所懸命他のクソゴミにイイ ....
不細工さが
窺い知れる
その横顔

億が一、正面から見たら
広瀬すず似かも知れない
淡い期待を胸に
回り込んでみる
ムーンウォークで

・・・・む~~ん(感情シャットアウト)

 ....
暗い部屋で
{ルビ胡坐=あぐら}をかいている
私の上に

 ?


ひとつ
浮かんでいる

なぜ人間は
言葉を語り
言葉に悩み
言葉に{ルビ温=ぬく}もる
のか

た ....
生命線をなぞる
左手のひとさし指でいちど君と
出会った気がした真昼に
やさしく訪れるように降る雨が
こころに刺さる氷柱を一欠片ずつ
溶かしていく夜に冬が泣く
何度も読んだ小説の
一行 ....
自称詩人の投稿には
毎日がっかりさせられる
よくもまあこんなに
才能ないもんかと

普通こんだけ書き続けりゃ
ちっとは上手くなるんじゃないかと
思うけれど
これが成長のせの字も見られな ....
あなたは少しだけ震える声で
言葉を世界へ解き放っていく
それは遠い未来の記憶だ
空のこと、風のこと、涙のこと
夕焼けのこと、無くした恋のこと
あなたが生まれた朝のことだ

そんなことは無 ....
いつか真夜中に犬たちの遠吠えが
飛び交っていたことがある
あれはいつだったか

野良犬というものをいつからか観なくなり
町はひどく清潔で余所余所しくなった
リードに首輪、犬たちも主人により ....
日曜の朝っぱらから
くだらねえこと
書き込んでる暇があったら
自分で味噌汁でもこさえやがれ

おまえらのクソカキコに
決定的に欠けているのは
日常性だ
普通に働き暮らしている人の習慣だ ....
誰もがそれとわかるように
名前をつけてみましょうか

花と名前をつけます
蜂と名前をつけます
光と名前をつけます

だけれど君がそれを指さすとき
花と戯れる蜂や蜂と戯れる花を
輝かせ ....
この花は永劫の畔にゆれている。
あまたのうつろいをながめ
蕾という名の一輪となって。

風よりもとうめいなあなたの声が、
水面をやわくなでている。
どことも知れずに吹いてきては。

 ....
夢の中となりに座ったあなたと話すことが出来なかった
夢でもいいから会いたいと願ったあなたがすぐ横にいて
あなたはもはやあなたではなくわたしの心の影法師なのに
あなたを知りあなたの心を慮ることで虚 ....
大きな欅が伐採された
ものの半日かそこいらで
姿を消した
あっけないほど
たやすく
死んでしまうことは
こんなに簡単

雨を飲み
光を吸収し
息を繰り返し
いくつもの季節をその身 ....
雨の夜の窓のなか
遠くに灯る赤い傘

赤い灯台、雨のなか
近くにゆけば遠ざかり

遠くにあれば懐かしく
夢路の窓は滲みます

あの灯台はなお赤く
赤子の頰もまた赤い

雨の町か ....
田中修子さんのおすすめリスト(910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
唯一の友だち- 帆場蔵人自由詩10*19-4-9
家族は唐揚げ- 石村自由詩19*19-4-8
窓辺の思考- ただのみ ...自由詩6*19-4-7
十五年前の君へ- 服部 剛自由詩519-4-3
菜穂子- 石村自由詩19*19-4-3
殺し屋の手口- 花形新次自由詩219-4-1
家族迷惑- 花形新次自由詩119-4-1
かわるもの、かわりゆくもの- るるりら自由詩819-4-1
潤むモザイク- ただのみ ...自由詩9*19-3-31
詩は勝てない- 印あかり自由詩7*19-3-23
ほね- るるりら自由詩15*19-3-22
みつまたカノン- るるりら自由詩519-3-18
なぜ詩を書くのか- 石村散文(批評 ...14*19-3-15
虐待- 印あかり自由詩11*19-3-12
最終電車- 石村自由詩19*19-3-5
ヤモリ- そらの珊 ...自由詩1219-2-28
冬の墓- 帆場蔵人自由詩11*19-2-24
消えた自称詩人- 花形新次自由詩419-2-23
横顔- 花形新次自由詩119-2-22
五十音の石- 服部 剛自由詩419-2-20
はじまりは揮発していつしか空が曇る- かんな自由詩12*19-2-20
がっかり自称詩人- 花形新次自由詩419-2-18
VOICE- もとこ自由詩15*19-2-18
犬たちへ- 帆場蔵人自由詩4*19-2-17
恥ずかしい自称詩人の日曜- 花形新次自由詩219-2-17
沈黙のなかで- 帆場蔵人自由詩18*19-2-14
永劫の蕾- 新染因循自由詩13*19-2-14
あなたの夢をはじめて見た- ただのみ ...自由詩16*19-2-11
かなしいおしらせ- そらの珊 ...自由詩12*19-2-2
夜想- 帆場蔵人自由詩219-2-2

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