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時の流れに飲み込まれていく生命の波動をこぼすまいともがき、足掻き、意味の判らぬ声を発する、その刹那、常識と限界を飛び越えた者だけが新しい詩を得るだろう、漆黒の闇の中でも、微かな火種さえあれば光は生 ....
裏路地にもう何十年も転がってる自転車の
茶褐色に錆びた車輪が真夜中に一度だけ軋んだ
生き過ぎた鳥のため息のような音
その時、俺の知り合いがそこに居れば
俺がひとりで何事か話していると思ったかも ....
昏倒のような深夜、ブロック塀に書き殴られたイルーガルな単語のいくつかは綴りを間違えていた、まだ十月も終わっていないというのに不自然なほど冷えていて、俺はふらふらと歩き出した最初の目的をすっかり忘れ ....
脳髄を静かに掻き回すマイルスのエレクトリック
インスタントコーヒーの粉を食パンにぶちまけて湯を飲む
退屈にかまけた下らない遊びさ、ハナから味なんか期待してない
だから心配しないで、俺はまとも ....
暗い湖に朦朧と沈む膨張した死体の夢
網膜のなかに書き殴られた最期の詩
叫びはふやけた肉体に阻まれ
二度と出られぬまま溶解して流れ出る
いつだって午前二時
破裂と飛散を望むものたちが
内 ....
幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して、どこからか忍び込んだ鼠が食い破った洗顔フォームのチューブをごみ箱に投げ込んだ、太陽が顔を見せる時間があまりなかった日、深く息を吸い込んだら黴の臭いを ....
四番街の真っ赤なシトロエンの中の焼死体は一七歳の娘だった、その車がいつからそこに止められていたのかということについては誰もはっきりと思い出すことは出来なかった、そこは居住区の端っこにある不便な地区 ....
枯れたバラ園のそばで
鮮やかな過去に埋もれて
もう聴こえないヴァイオリン・ソナタの
朧げな旋律を追いかける
厳しく美しい冬
風は心の奥まで
凍らせようと目論んでいる
死んだ土をす ....
コンビニエンスストアの駐車場で鍵つきの車をかっぱらって、曇り空の下、国道を北方向へ二五時間休みなしに走り続けて辿り着いた先は、名もない樹海だった。バックシートを漁ってみると同乗者の荷物のなかに ....
子供のころから若さが嫌いだった、気に入らないことがあるとグズグズと駄々をこねたり、癇癪を起したりするのが嫌いだった
子供のころから若さが嫌いだった、学生服をほんの少しやんちゃにアレンジした、中途 ....
動脈は情け容赦のない撲殺、静脈は金切声、細胞は無感覚なギャラリー、そんな蠢きの夜だった、与えられた寝床は求められたものと決して同じではなかった、湿気が強すぎたし、隣室には他人のものを覗いてばかりいる薄 ....
おぼろげな夢のなかで
おまえは踊りはじめた
おざなりなワルツのプロローグ
おぼつかないステップの羅列
金属のような月明かりが
照らす板張りの床のうえで
同じリズムが何度も、何度 ....
ルーズにこんがらがって
筆箱は本棚の二段目
トローチはテレビの下のラック
レターセットは引き出しに
昨日の夢は枕カバーと
洗濯籠のなかで眠っている
「明日も雨」と天気予報
家を揺らす ....
綿密に編み込まれた絨毯のように
今夜の気分はどこのどれとも言い難いものだった
沖縄辺りで停滞している台風のせいで
エアコンをつけていてもじめついた部屋だった
アリスが自殺した小僧の尻を叩い ....
ある時刻を境に街路は静まり返った、酔っていた連中たちは酔い潰れ、眠るかあるいは死んだ、お盛んな恋人たちは建物の陰でお粗末な絶頂を迎え、指を絡め合ってどこかへ消えた、忘れられた競馬場のナイター設備み ....
狂った世界の鼓動からは
もう受け取るものはなにもない
梅雨の晴間のウザったい午後に
少し前に死んだ詩人の詩を読んでいる
俺の世界は幸か不幸か
たいして変化してはいないが
本棚に並んでい ....
近頃はなんだかテレビで誰某があんなこと言ってやがったとか政治家が遊んでたとかどこぞのスポーツでひどいラフプレーがあったとかでたんびに炎上とかなんとかでボサっと座ってテレビ観てるぐらいしか能のない烏 ....
俺の無機質を食う
お前の無機質を食う
俺の無機質はスイートで
お前の無機質はデリートだ
俺は気に入らないものには手も付けないが
お前はまずいものでも残せない性分だ
ずっとそうだった ....
冷たい水が流れてゆく先は
ここよりもっと暖かいところだろう
冷たい心が流れてゆく先は
ここよりもっと冷たいところだろう
名もない小さな流れに右手を浸して
青い星の温度を知 ....
記憶の紙片は幾度破り捨ててもそのまま失われたりしない、すぐに復元されて頭蓋骨の内側の隙があるところに貼り付けられる―おそらくは小さなピンのようなもので―そのわずか0コンマ何ミリの異物が、感情に奇妙 ....
ほんのすこし長く
少年で居過ぎたのさ
膨大な時計の回転のなかで
上手くやるコツを見過ごしてしまった
高速鉄道の窓から見える景色に限りがあるように
自分の思うがままに走り過ぎたのさ
ごら ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように
まともなあんたは
ひびわれた ....
馬鹿ってばかりの国
馬鹿ってばかりの国
寒いものを暑いと言い
増えたものを減ったという
馬鹿ってばかりの国
馬鹿ってばかりの国
声も出せない小娘に
肥えた豚が金を注ぐ
....
数時間硬直したままの肉体は、真っ白い砂漠の中でどす黒く腐敗する夢を見ていた、血液は破れた血管から鉄砲水のように溢れ出し、もう使いものにならなくなった皮膚に無数のラインを描いてから砂地に染み込ん ....
マーガレット色の街灯が
午前三時の路上で
墜ちた月のように佇んでいる
ジンの酔いは
俺のこめかみを
左から右へ真っ直ぐに射貫いて
思考がそこから全部漏れていく
....
田中修子さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(25)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蜃気楼に傷口
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-7-5
あらかじめ瓦礫の中の
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
21-2-1
ダイスを転がそうと棒を倒してみようと、それで行く道が決まるわ ...
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
20-10-29
足音が聞こえないやつこそがいちばん長い距離を歩いている
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-9-4
不意打ちのようにやって来る
-
ホロウ・ ...
自由詩
7*
20-6-2
幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して。
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
19-12-5
頭のいい子が幸せになるのは難しい
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
19-10-20
あなたの居なくなった世界に
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
18-12-20
キリストとフクロウ
-
ホロウ・ ...
散文(批評 ...
1*
18-9-9
子供のころから若さが嫌いだった
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
18-8-17
ラストマン・スタンディング(或いは暴いた繭の中の)
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-7-23
ソリチュードのもつれ
-
ホロウ・ ...
自由詩
4*
18-7-21
冗長な雨のリズムとだらしない詩情のジャム
-
ホロウ・ ...
自由詩
7*
18-7-6
口先だけじゃどうにもならないよ、きみ
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
18-7-2
街のもの言わぬ羽
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
18-6-29
生温い風邪の週末
-
ホロウ・ ...
自由詩
4*
18-6-24
わかったように言ったところで
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-6-4
Inorganic(性質など関係ない)
-
ホロウ・ ...
自由詩
8*
18-5-31
そこが始まりとするなら辿ってゆくだけのことだ
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
18-5-29
貯蔵庫が騒々しい―たとえそれを完璧に閉じ込めていたとしても。
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-5-13
あの頃と同じように赤い
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-3-25
あらゆることが語り尽くされたあとに
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ホロウ・ ...
自由詩
15*
17-12-1
馬鹿ってばかりの国
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
17-5-3
誰も思い出さないその雨のことを
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-4-2
銃を取れ(それがどんな感情だろうと)
-
ホロウ・ ...
自由詩
10*
16-12-24
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