すべてのおすすめ
無価値だと思っていた自分が、
酷く重い、
みえないものを
背負っていると気がついた。
それでも両足は、
シャベルカーが崩している廃墟の砂漠で
呆然と立ち尽くしているだけ。 ....
とてつもなく静かなんだけど
やっぱり生きている今日
まるで植物になったみたいだけど
もっと俗なイキモノです
ほしいものは現金です
だって唯一信じられるでしょう
なんだってお金で買え ....
勝手に死んでしまった猫が
地面の下で 魚が食べたいという
いくら魚が食べたいと思っても
ここにあるのは石っころかミミズかモグラか
去年あんたが埋めた三輪車くらいなのだからと
しつようにしつよ ....
音楽を聴きながら
さようなら
さようなら
盃
灰
無色の猫
世界なんてわからないから
君の僕の
心次第
今次第
過去次第
変わって見えてしまうから
決してわからないんだ
僕が ....
私が何事にも興味や関心を示さないのは
死んだ後に色々楽しむ為だ
生きてから死ぬまでの時間より
死んでから生まれ変わるまでの
時間のほうが長いから
生きている内に全てを満たしたら
死んだ後ヒ ....
今度露胃チン
日有るロンさん
グル濃さ眠
ポリフェノール
リコピン、セサミん
イソフラ凡
一歳でも若く見られたい
一日でも長く健康で過ごしたい
ぴんぴんコロリが理想です
認知症だ ....
やかんに水を入れて火をかける
ぽつぽつとやかんが
今日あったことを
私のかわりに
喋り出す
こぽこぽと
良いことも悪いことも
とりあえず言葉にすることで
ふうっとため息
すうっと深呼 ....
どこにもない場所を教えて
だれもまだ踏み込んでいない花園に
こっそり招待してほしい
月のなくなる夜でいい
火も電気も眠るころに
しずかにねどこを抜け出して
あなたの闇に逢いに行くから
....
{引用=––フレデリック・ショパン「夜想曲第六番」に}
球
それはひとつあった
それはさっきまでひとつではなかった
あるいはこれからひとつでなく ....
雲から透け見える月は
満月ではなかった
やっと月が満月でなくなっていた
満月は三日続いた
水道は止まったままだった
粉薬のような雲が
バーニーの絵の光のようだっ ....
雪雲が覗いている
疲れた卒寿の独り暮しに
隙あらば発破を仕掛けようと
庭木も垣根も身もだえしている
そのうえ 漆色の夕陽と
きつい北風に 門扉さ ....
【閂は開かれる】
閉ざされた記憶の門のかんぬきが
思いがけない方法で開かれることを 私は知った
たとえば 少女の髪にあったリボンが
ほどかれた瞬間に急に大人び
何かを失ったかのような遠い ....
蕾ざわめく薔薇たちが
春の使者になりたいというので
わたしは柳になってみた
見上げた月輪はみだれ
無実はひと波のなかへ
地球がひとのためにあるとでもいうような傲慢など
しなやかな柳なら
....
雪囲いの頃 見定めた町は
軽く 幻想的だ
いつもは 主役を重ねられない 竹藪が
尚 一層と 積もる頃
願いも 降り注ぐ
想い たけなわ
竹と縄を 手繰り寄せたら 叶うかな
....
夜は大きな墓場だから
光が絶命する静かな穴だから
雪はただ意味などなく
微かな感覚だけを残して死んでいく
雪はただ理由などなく
微かな過程だけを残して消えていく
夜を泳ぐまばゆ ....
一、通過電車
通過電車を待っている
開けっ放しの扉
吹き抜ける風
体を丸めて
じっとしている
通過電車を待っている
各駅停車がもたつきながら
出発するのを待っている
....
あばずれ女が10万ルーブルの札束を
暖炉の炎に、投げ込んだ。
自らの純愛を置き去りに
去りゆこうとする女の狂った有様に
身を震わせる白痴の男の
頬にはひと筋の涙が伝い…
暖炉の周囲 ....
細々と清らかな
自我を削ぎ落したような声の集合
僕らはみんな生きている
生きているから歌うんだ・・
なにかもっと
違う歌を歌えばいいのに
コミュニティセンターの廊下に
西日はさし ....
空を飛ぶ 夢をみた
子供のころから あこがれていた
空を飛ぶという 夢だった
鳥のように かろやかに
大空を 自由に 翔けめぐった
でも それは やっぱり ただの夢
あ ....
夜な夜な隣の家から
変な呪文と甘ったるい匂い
お化け屋敷に住むのは
お婆ちゃんに化けた女の子
大鍋に入れるのは
吸血鬼の冷蔵庫から盗んだ
ラズベリージュースと
人魚と取り ....
寒くて蒼く光る冷たい夜に
ちらほらちらほら
白い雪が舞う
冷たい風なのに
浮いたり泳いだり
跳ねて回ったり楽しい気分
消えるのは一瞬だけれど
溶けてなくなる白い幻は
きっと叶うだろ ....
死を待つ女が一人
手を組んでいる。
これまでの歩みと
関わった人々に感謝を表すかのように。
父が死んだ日は声を殺し
読経が響く斎場の前列で
ひたすらに泣いた。
....
数え切れない
手に負えないくらいの
幾千枚の白いはなびらが
ほとんどいっせいに
枝という枝を離れて
舞い踊る
まるで蝶のように
儚げであるのだけれど
或る意志を持って ....
神様は0(ゼロ)を
均等に2分割して
皿の上に置くことができれば
あなたたちの関係を修復させようとおっしゃいました。
私は答え探しの旅に出るので
少し時間を頂けますか ....
あの空の美しさは
水辺を走る少年なのです
太陽からの贈り物を
ぴちゃっと反射させて小さな粒となり
輝きをふやして
恩返しをしています
あの海の美しさは
汚れなき少女なのです ゆうくり ....
ごはん多めに炊いて誰も来ない
錆びた赤空 夜に向かう悲しみ
あたしの通る道は ブリキの硬い道
薄桃のリボンをつけた猫が先導する
「どこまで行けば 巡り会える?」
訪ねた声もかき消して 人の波の濁流
もう ここに ....
明日が来るのが怖い
いつからかそう思うようになった
鬱々として
描けない夢を見る、夜
終わってほしくない、夜
必ず朝はやってきてしまう
気の利かない時計は進む
くだらないと誰かは笑っ ....
冷蔵庫にジャムや
ピーナッツクリーム
スライスチーズがあるとき
知らぬ間になくなってしまう
誰だ食べた奴は
と言ってみたところで
夜起きて
半睡状態で何かを食べたのは
私に違いない ....
私は暗闇の中に浮かんでいる
ここはどこだ?ここは宇宙
目の前にある小さな光の物体
あれはいろんな生き物が生まれる
青く汚れた星 地球
空や海に動植物そして人間が
生き死にを繰り返す星 ....
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