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川沿いに座る
気持ちの良い風
どこからか
遠くだろうか近くだろうか
電話のベルが鳴っている

ちりりりりん
ちりりりりんと
よく響く黒電話の音

ベルが止む
誰かの話し声
年老 ....
風が吹いて
森の産毛がわっさわさ
木々が揺れる
私の産毛もわっさわさ
森が色濃く息をする
膨らむ膨らむ
私の心も
一体となって
一部となって
広がる意識と感覚
目を開けると
生命 ....
山つつじの花が
ぷっくりぷっくり
つぼみをたくさん
春の風が嬉しくて
絵具で描いたみたい
彩る奏でる春の唄

私にもたくさんの
つぼみがあって
ゆらゆらと今か今かと
心が踊り華やぐ ....
私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
春かな
雨がしとしと
しとしと心に
目をつぶり
何をしようか考える

春かも
傘をさして外へ出れば
何かあったのかな
皆嬉しそうに少し笑っている

春だよ
手は冷たい
頬を撫 ....
ぽこぽこ生まれる
春の訪れ
風はまだ冷たいのに
鼻をくすぐらせる
漂う甘い匂い

団子のような
もちっとした梅の花が
ぽこぽこと
まだなの
いまかいまかと
春を待つ
古いのや新しいの
ひびだらけや穴ぼこだらけ
人の生活
車が走る
すき間から雑草が伸び花を咲かす
犬がくんくん歩いている

今日もどこかで工事している
せっせと耕して平らにするけれど
 ....
湯船に
お湯を溜めている時間
時間はゆっくりと進む

湯船に
身体を投げ出す
目を閉じて浮く
時間を忘れゆっくり休む

身体を洗い
湯船に浸かる
つやつや朗らか
声を出して声を ....
冬の寒い空
空が澄んでいて
星が輝いている

清らかな気持ちが
コポコポ湧いて
シュワシュワ
浮いて弾けて
飛んで星になる

夜空に浮かんでいる
星々は親しげで
すぐそこまで行 ....
空を見上げれば
見たこともないような
すいぶんと長い飛行機雲

どこから伸びているのかと
空のてっぺん
頭を反らして反らしていくと
山の向こうの端から伸びていて
空をまっぷたつ
遠く ....
たくさんの人と
映画を観るのもいいものだ
レンタルビデオ世代の私は
ワタクシの空間で
ムキムキのヒーローや最新技術のおとぎ話
古今東西憧れて漁るように
観てきたけれど
最近映画館で観るの ....
やかんに水を入れて火をかける
ぽつぽつとやかんが
今日あったことを
私のかわりに
喋り出す
こぽこぽと
良いことも悪いことも
とりあえず言葉にすることで
ふうっとため息
すうっと深呼 ....
寒くて蒼く光る冷たい夜に
ちらほらちらほら
白い雪が舞う
冷たい風なのに
浮いたり泳いだり
跳ねて回ったり楽しい気分

消えるのは一瞬だけれど
溶けてなくなる白い幻は
きっと叶うだろ ....
冷蔵庫にジャムや
ピーナッツクリーム
スライスチーズがあるとき
知らぬ間になくなってしまう

誰だ食べた奴は
と言ってみたところで
夜起きて
半睡状態で何かを食べたのは
私に違いない ....
何も考えられなくて
何も考えたくなくて

調子が悪いのに
調子が良いことばかり言って
疲れてしまう

梅酒と炭酸水
コンビニのおでんだけが
あればそれで今日はおしまい

炭酸水の ....
電子の雨は音がしないけれど
それはボリュームを縮めているだけ
身体はだんだんぐっしょり濡れていく

黄色い雨合羽を着た子供たちが
二列になって歩いている
どうしてこんなにちっちゃいのだろう ....
急いでいるのか
寒くてしかたないのか
女子が小走りしている

大きなショッピングモールを
自転車で横切ると
裸の木々に電飾がいくつも巻かれ
楽しそうに優しそうに
綺麗に輝いている

 ....
餃子がね
とっても美味しいんだよ
昔ながらの佇まい
町の人達が
あちらからこちらから
電話も鳴って
店先で
生か焼きかを選んで買っていく

ラーメンとかもあるけれど
餃子二人前とラ ....
野菜を買うときは
いくつか何気なく
ひょいひょいと
持ち比べてみる
手に持ち近づけると
重さや鮮度
身が詰まっているかどうか
おぉずっしり鮮やか
今日は此奴を使って何を作ろうかなんて
 ....
山を登り汗をかき
服を脱ぐ
上半身裸で
身体から湯気が出る

冷たい風が
木々を揺らし
光がまばたき
葉脈の枯れ葉が
ひらひらひんやりと
肌に沁みこみ
私は透き通る
葉脈のよう ....
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと

とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
 ....
畑の隅に雨水を溜めている
ラムネ色した
プラスチック製の風呂桶

畑では老いた夫婦が
腰をかがめて手入れをしている
昔はその
小さなラムネ色の風呂桶に
家族で皆身体を丸めて
入ってい ....
金子茶琳さんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風のいたずら- 灰泥軽茶自由詩415-5-17
産毛- 灰泥軽茶自由詩715-4-19
山つつじ- 灰泥軽茶自由詩515-4-3
折り畳み傘- 灰泥軽茶自由詩1215-3-3
春の雨- 灰泥軽茶自由詩615-3-1
梅の花- 灰泥軽茶自由詩515-2-27
アスファルト舗装- 灰泥軽茶自由詩615-2-22
湯船に浸かる- 灰泥軽茶自由詩515-2-21
冬の星- 灰泥軽茶自由詩615-2-20
飛行機雲- 灰泥軽茶自由詩515-2-16
映画と人々- 灰泥軽茶自由詩815-2-15
やかんの独り言- 灰泥軽茶自由詩915-2-14
白い幻ちらりほら- 灰泥軽茶自由詩515-2-13
犯人は私だ- 灰泥軽茶自由詩915-2-12
そんな夜もある- 灰泥軽茶自由詩815-2-10
電子の雨と小さな子供たち- 灰泥軽茶自由詩715-2-9
ポテトチップスな夜- 灰泥軽茶自由詩415-2-8
庶民の味方- 灰泥軽茶自由詩515-2-7
手にとる野菜たち- 灰泥軽茶自由詩415-2-5
葉脈- 灰泥軽茶自由詩915-2-1
二段ベッドの下- 灰泥軽茶自由詩915-1-31
畑と風呂桶- 灰泥軽茶自由詩1015-1-25

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