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父の眼鏡が光を取り込んで
天井に反射をした淡い粒子が
「帰ってきたよ。」と呼びかける初夏の午前中。

庭では母と娘が
来たるべき新盆に備え
草取りをしている。

うっすらと積もる雪の中 ....
すれ違う時、片方の目は開かない。
かけたい言葉/話したいという欲求を抱えたまま
最後の最後で死に別れる。

(何処かで、会えます様に。)
会いたい・・・・。会いたい・・・・。と思うのは
魂 ....
幾何学カットされた放射状のライトセーバー。
グラスに注いだ水はきらきらと反射をして
虹のアーチを作る。

日の光を全身に取り込んだグラスは
魂の輝きを映し出すかのように
手にする者を無言の ....
昨日まで
温もりを感じた父の身体

今日になって
冷めかけのお茶よりもぬるくなる。

一昨日まで
温もりを感じた父の身体

今日になって
明け方のこたつよりもぬるくなる。

三 ....
父の衣服が
風も無いのに揺れだした。

一人でうずくまる東京のアパートで。

死の間際
僅かな体力と精神力を右手に込めて
「お父ちゃん。お父ちゃん。」と呼ぶ娘たちの両手を
ほんの少しず ....
お別れの言葉

お父さん。おとうさん。
お別れの言葉と言われても、何を書いたらいいのか解かりません。
かといって、等おじさんの様に感謝と思い出を素直に綴ったものを書くことすら出来ません。
だ ....
死を待つ女が一人

手を組んでいる。

これまでの歩みと

関わった人々に感謝を表すかのように。

父が死んだ日は声を殺し

読経が響く斎場の前列で

ひたすらに泣いた。

 ....
名前を呼ぶのは、心を満たしたいと願うから。

前を行く背中が遠くに見えて、少しだけでも触れたいと伸ばす手が無意識に振りほどかれて行く。

「居なくなってからでは、もう遅い。」

しゃり…。 ....
あなたが好きだったものを食べるとき

こけた頬の凹凸と

「水が飲みたい。水が飲みたい。」と

湯飲みを差し出した事を思い出します。

「いただきます。」と手を合わせ

皿の上のも ....
父の額に手を置いて

硬く冷たい頬をなでながら

最後の言葉を贈る。

「ありがとう、お父ちゃん。ありがとう。。。

次もまた、お父ちゃんの子供に生まれたいなあ・・・・。」

風に ....
千切れた身体を引きずり

たどり着いた場所で

残った肉体を地中に埋めた。

遠くで呼んでいたはずの名前は聞こえなくなり

冷たい空気の元

よりよく澄んだ空を眺め

静かにた ....
金子茶琳さんの梓ゆいさんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
麦藁帽子。- 梓ゆい自由詩615-5-17
曇りガラス。- 梓ゆい自由詩215-4-20
真夏の家族。- 梓ゆい自由詩715-4-19
今日になって。- 梓ゆい自由詩215-3-2
形見。- 梓ゆい自由詩415-2-28
お別れの言葉。- 梓ゆい散文(批評 ...115-2-27
死の間際。- 梓ゆい自由詩215-2-13
リセットボタン- 梓ゆい自由詩215-2-11
いただきます。- 梓ゆい自由詩315-2-3
ありがとう。- 梓ゆい自由詩615-2-3
去り際。- 梓ゆい自由詩115-1-12

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