すべてのおすすめ
あれはあれとして
それはそれとして
これはこれとして
受け止めて
いくしかないだろう
あっちはあっちとして
そっちはそっちとして
こっちはこっちとして
捉えて
いくしかな ....
どんなふうにしてか
わからないがそれほど悪くない朝
カーテンがわずかにめくれている
白線をたどるように一日を思い描く
そして、
あなたのことをもうそれほど好きではない
それは意外なほど ....
雑多にちらばる枯れ葉の絨毯をあなたと
よじ登る行く先のないなだらかな峠
絵画の美の原点がそこにあり
僕達の命の価値を遥かに越えてしまったその感動が
頼りなくさせる夕暮れ
僕達は
僕は特 ....
何かかもしれない
時間が此処に来た
初めてのことかもしれない
こんなこと何度もあったかもしれない
何かが今笑いながら
僕を試すんだろ 試して去っていくだろう
逃げてきた過去の
亡 ....
覆面してても君だとわかった
出先の喫茶店で「童心」がお題の
コラムを書いてから、自宅のママに電話した。
――じゃあ、読むよ。
――今、周に聞かせるからちょっと待って。
ママが携帯電話の音量をあげてから
できたて ....
あそこに星が、と
きみのさししめす指があわれで
ぼくはこころで百万粒ほども涙をながす
なにもかもまっしろなこの部屋で
きみはそうしてはるかかなたを眺めているのか
生き ....
苦しいときばかり
悲しいときばかり
怒れるときばかり
歌った
孤独な詩人を
ワタクシ自身が
見失う
ああ
この朝の光を
切望したのは
あの詩人だったのに
呆けた顔した
....
名前を呼ぶのは、心を満たしたいと願うから。
前を行く背中が遠くに見えて、少しだけでも触れたいと伸ばす手が無意識に振りほどかれて行く。
「居なくなってからでは、もう遅い。」
しゃり…。 ....
去りし夏に想い馳せる
霞むさきに君の背中
来る秋にはもう見えず
すすき揺らして駆けだした
留まる冬に腕を抱き
積もる白雪眺めている
巡る春が溶かしてゆく
君よ迷わず土を踏 ....
南国から来たコーヒー豆を焙煎して窓辺に並べる
そのうち一つがぱちぱち歩き始めて
豆の割れ目にしまわれた羽を広げて飛び立った
それは焙煎が成功した証なのだ
窓に透明のしわが波打っているのをか ....
「さて、今日は何をしようか」
朝起きるとひとまず煙草を吸って考える
吸いきらないうちに人間を卒業して
ロボットにでもなれたらいいのに
たったと行動計画をたてて
それがいかに杓子定規であっても ....
小さい海
匂いだけの海
二分咲きの海
小さい海
雑な草むらで殺されたって
毎日三食うどんかカップ麺だって
町の嫌われ者であったって
小さい海
匂 ....
夜の速い渦の中で、私は突然の出会いに見舞われたかのように混乱している。電車のホームに鳴り響く様々な声のあらゆる細部に巻き込まれて、夜空高く昇っていくかのごとく混乱している。これだけの複雑な ....
何も考えられなくて
何も考えたくなくて
調子が悪いのに
調子が良いことばかり言って
疲れてしまう
梅酒と炭酸水
コンビニのおでんだけが
あればそれで今日はおしまい
炭酸水の ....
地球は青いのに地球に住んでいる
生き物達はなぜ青くないのか?
なぜ空と海だけが青い
揺れる
風に揺れる
響きに揺れる
そして内なる震えに揺れる
君の瞳に映る光が揺れないように
そっと抱きしめていよう
選ばなかった未来
無数に分岐していく現在
覗くことはもうできないけれど
過去になれば
想像することはできるから
時々、気晴らしに思いを馳せる
「無数のチャンス」
振り返るとそ ....
電子の雨は音がしないけれど
それはボリュームを縮めているだけ
身体はだんだんぐっしょり濡れていく
黄色い雨合羽を着た子供たちが
二列になって歩いている
どうしてこんなにちっちゃいのだろう ....
みんなが寝てる間に地球なくならないかな?
そうしたら消える痛みも
別れの悲しみもないのに
電気ストーブの前でうずくまる
足が床と同化して
人魚のひれのように広がっている
根をはってぎしぎしと軋む
暖かさを分け与える生き物になりたかった
私の手は冷たくて
電熱線の人工の暖かさ ....
酸化し切った珈琲豆をドリップした
午前二時、それはクソみたいな味
だけどどこか落ち着く香りがした
古い本を開いた時の香りに似て
(朝を待つには長すぎる
何か退屈でもい ....
急いでいるのか
寒くてしかたないのか
女子が小走りしている
大きなショッピングモールを
自転車で横切ると
裸の木々に電飾がいくつも巻かれ
楽しそうに優しそうに
綺麗に輝いている
....
やな事が起こるとストレスになり
体の中に溜まってくのがわかる
それが次第に膨らみ
中に何かがいるような感覚になる
溜まった物を出す事が出来ず
ただ成長するのを待つだけ
ストレスが溜まりきっ ....
昼下がりの私鉄は、混んでるでも、空いてるでもなく、ちょうど座席が埋まるくらいの乗客だった。
急行は止まらない駅に停車すると、トレンチコートが乗り込んでくる。
ざんばらな髪。
マスク。
そして、 ....
隣の芝生が青くみえる丑三つ時
いっそ眠れないならと珈琲を飲み
ため息、またひとつ
カモの群がる池の畔
桜花映える日差しに包まれ
川鵜と小白鷺が向き合っている
川鵜
すっかり春だねえ
これから北へ帰るのか
小白鷺
いや まだ田に水が入っていないので
....
どうして私ではだめなんだろうと思うとき
私は私を愛していることに気づいた
なあんだ
私ちゃんと私がだいじなんだ
よりかかりそうなかげは
夜のなかにしずかにとけていった
可聴範囲以外が大事だというが
画面に入り切らないくらい
大勢で歌うアイドルと同じではないのか
毎日比べられて生きている
ボクたちが欲しいのは
比べて判るようなものではなく
比べようもな ....
僕は工場で量産された個性のない品物
僕自身のアイデンティティが欲しくて今日も走る
持ち主が僕をどう扱うか
どんな所を走っていくかによって
僕の個性は少しずつ作り上げられていくから
....
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