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車窓に映る自分を眺める
このスーツを着た疲れきった青年は何者だろう
いや、何者でもない、ただの「夜」だ
何者かでありたいようだが
何者になりたいかも分からず
ただ何者? という問 ....
人間の体は労働により徐々に疲労していき
ある真夜中に一つの硬い器となる
器は木ずれの音も雷光もなにもかも呼び寄せて
きれいにその中に収めてしまう
疲労というこの硬い器には
幾つも ....
雨が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は辺りを水浸しにしないし
視界を霞ませたりはしない

日が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は全てを明らかにしないし
辺りを温 ....
何もかも
原則的に敵だから
僕は今日も肩で風を切って歩く
すると思いもかけない温かい風が吹いてきて
僕にあいさつするものだから
戸惑いながらもあいさつを返すと
風は微笑みながら ....
朝の電車は何かを探している
遠くにある理想的なものを探すのではなく
近くにあるけど
いつもの通路にあるけど
まだ発掘されていないもの
新しく降り注いで来るものを探している

 ....
私は去らねばならない
あなたの始まりを撹拌してはならないし
あなたの未来を逸脱させてはならない
いや、私は去ってはいけない
あなたの始まりを完遂させ
あなたを未来へと接続するため ....
幸福な人よ
あなたは一度死んでしまった
かつて巨大な飢えに引きずられて
ひたすら哲学の研究で自らを満たそうとした
探求の徒としてのあなたは死んでしまった
あなたは次第に人々に囲ま ....
駅から家までの道を歩きながら
様々な方角へと視線を分け入らせていく
見たこともない花が咲いていたり
知らなかったガソリン貯蔵施設があったり
私の視線は細くしなやかな糸のように
ど ....
なぜなら真新しい渕に一枚のはがきが落とされたから
なぜなら古い日記帳に挟まれたかつての友人からの手紙が鮮やかだから
なぜなら花は美しいだけでなく春は温かいだけでないから
なぜならどこ ....
夜は大きな墓場だから
光が絶命する静かな穴だから
雪はただ意味などなく
微かな感覚だけを残して死んでいく
雪はただ理由などなく
微かな過程だけを残して消えていく
夜を泳ぐまばゆ ....
夜の速い渦の中で、私は突然の出会いに見舞われたかのように混乱している。電車のホームに鳴り響く様々な声のあらゆる細部に巻き込まれて、夜空高く昇っていくかのごとく混乱している。これだけの複雑な .... 僕は工場で量産された個性のない品物
僕自身のアイデンティティが欲しくて今日も走る
持ち主が僕をどう扱うか
どんな所を走っていくかによって
僕の個性は少しずつ作り上げられていくから
 ....
去っていく人よ
あなたの最後のまなざしは誰に向けられていたのか
私への教育の際いつも注がれていたそのまなざしは
それは私を突き抜け、あなたの家族も突き抜け
誰にも捕捉されない自由な原っ ....
あなたの手に私の手を重ねると
それは既にあなたの手ではない
あなたは電燈のように存在の消燈を繰り返し
さらには鳥たちのように存在の集散を繰り返す
私はあなたを燈らせあなたを集めよう ....
夜が降り続けている。サラサラと、粉雪のように降り続けている。人々は夜を一身に浴び、結局何も洗い落とせないことを知る。夜は何も洗い落とさない代わりに、ただ過ぎていく一日の最終行を書き続ける。 ....
金子茶琳さんの葉leafさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の夜- 葉leaf自由詩415-5-19
- 葉leaf自由詩215-5-17
降る言葉- 葉leaf自由詩1015-4-18
- 葉leaf自由詩515-4-16
朝の電車- 葉leaf自由詩415-4-6
去る- 葉leaf自由詩115-4-4
幸福な人- 葉leaf自由詩215-3-2
歩く- 葉leaf自由詩3+15-3-1
理由- 葉leaf自由詩315-2-22
夜と雪- 葉leaf自由詩215-2-14
複雑な夜- 葉leaf自由詩315-2-11
自動車の歌- 葉leaf自由詩415-2-8
去っていく人- 葉leaf自由詩215-2-3
隔たる人- 葉leaf自由詩315-1-11
- 葉leaf自由詩415-1-8

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