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川沿いに座る
気持ちの良い風
どこからか
遠くだろうか近くだろうか
電話のベルが鳴っている

ちりりりりん
ちりりりりんと
よく響く黒電話の音

ベルが止む
誰かの話し声
年老 ....
夕暮れの都会は ブルーに沈む
ビル街は華やかに さざめき始める
イルミネーションに飾られた 水の中を
お洒落した熱帯魚が行き交う 笑い声と


ビル街の吐き出す熱気が 淀んでこもる
 ....
ふと思い出した
小学1年生のときに亡くなったおじいちゃんを

まだ自転車に乗れなかったぼくは
おじいちゃんのこぐ自転車の後ろに
いつも乗せてもらっていた

目的地もなく
ただゆっく ....
頭皮が何か云っている
お疲れ様 そろそろ本格的に休めよ〜

頭痛の前兆のような頭皮痛

マッサージでほぐして
頭皮の美容液という名の育毛剤をシュッシュッ

ああ痛い痛い

そろそろ ....
日射しは敗北で
日々は屈辱的な弛緩で

時がたつことと年をとること
変わっていくことが
一体に世界をなしていたころは
もはや遠い記憶なのか

今私は後ろ向きに前進している
足りないの ....
曇天の休日洗濯を終えた君が
キッチンで
フレンチローストの豆を挽く
大きめのグラス2つに
たっぷり氷を入れて
Tシャツからのぞく白い腕が
微かに震わせながら薬缶をかざす
溶岩のように膨ら ....
鏡のように映り込む山々
湖は鏡そのもの

たくさんの魚が見える
水が綺麗な証拠
心が洗われて綺麗になった

遊覧船が行き来している

山々に囲まれていて
空気が綺麗
静かな愛が流 ....
ただ光のみ求め歩いていた
右手には闇
左手にも闇
光の道は永遠に続く
ただ光のみ求め歩いていた
哀しくなっても
歩み自体は止めなかった
苦しくても
くさらずにいようと決めた
ただ光の ....
たいていのものは皮膚と得体のわからないものでできていて

縫い込むのに使われた糸は電線として再利用されたものだ
駅前ターミナルに到着しようとしていた
路上に杖をついた高齢の紳士が
窓のすぐ下に見えた
彼の進む先には確かにバス乗り場があるが
そこが人の歩くべき路でないことに
既に気付いたのか
ほんの少 ....
人は決められた事を
決められた通りに行動する
まるで機械のようだと思った
人と同じ僕もやっぱり機械で
自分らしく生きてきたけど
それは意志ではなくプログラム?
ある日わたしは闇に襲われた
真っ黒な闇に葬られた

何もかも失われ
喜怒哀楽も忘れ

そんな日々を過ごしてきました

明日もただただ生きる
息をしている
神社のない
町に生まれた
墓もない
新しい町に育って
隣り町の友達は
高層マンションから
空き地だらけの町を眺めた
僕らは
歴史のない町に育った
僕らの故郷には
神社がない
僕ら ....
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する

収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣

序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
 ....
人が見てる自分は
自分ではなく体を見ている
例えばおなかを叩けばおなかが痛い
あたまを叩けばあたまが痛い
それはおなかやあたまが生きているから
体を痛めても自分は痛くない
だから人が見てる ....
こんなのは本当の私じゃないんだと
電気の消えた部屋に帰り
酔いも冷めかけた頃につぶやく。
あぁ、例えば、
上司との飲み会は親睦を深めるという面で大切だと
誰かに言い聞かせるようになった自分が ....
地球はまるい
僕はとんがっている

宇宙は広い
僕の心は窮屈だ

光は速い
僕はいつもびりっけつだ

秋の日が暦に倣うころ、僕はあまりにも目覚めよく曇り空を眺めていた。フィレンツェの ....
君の右側がどんどん物化してゆく

歩くこともままならない
食事することもままならない
まして字を書くことはままならない。
自分の署名すら出来ない。
君は苛々する。

もうだめかも知れな ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
母の日に送る一方的な便り

必ず返事を返してくれた

受話器の向こうで あれこれ心配してくれた

そのありがたさに気付かない

チョット面倒になり

すぐに受話器を置こうとしていた ....
         都市計画税で造られた
      住宅街の一角を占める広場は
           きのうもきょうも
      浮雲の空っぽいかげを映して
ブランコに 滑り台と ジャングル ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
春の海はまぼろし
蜃気楼の楼閣さえ彼方に浮かんでいる
わたしを呼んでいるように


遠い海鳥
緩慢な波
割れた貝殻
ただ砂にうずもれて


あの子のか細い肩甲骨はもうさびしくなか ....
良い薬を取り混ぜて
頭を平均化していく
世界に耐えれるように
人に耐えれるように

平均化された脳みそで
ピッキング作業をし箱にひたすら物を詰めていく

きっとその人には巨大なだれもの ....
人は悲しみを忘れるから生きていける
人は苦しみに慣れるから生きていける

でも人は恥を忘れるから失敗する
でも人は日々に慣れるから失敗する




人は喜びを忘れるから形に残し
人 ....
むこうの木々が 影になり
すべてのものが 暮れなずむ

なにかをみることを忘れて 
貝のようにとじたまぶた

ずっと ずっと まっていた
やさしいひかりの ふるのを

地表を背に ね ....
本当に
忘れられないのは
あの人ではなく
あの人以外の
すべてを無視して
恋をしていた
私の姿
梅俺杏桃桜の順で君から遠い ぷちん
なにかが切れた
音がした
いつもの会話
悪ふざけの途中

短い言葉を吐き捨てて
出ていく君

そんなにも
いっぱいいっぱい
あふれそうな苦しみを
少しずつ少しずつ
育 ....
朝靄の中
白い影が一歩また一歩
呟く声の方向は
白い視界の中の山脈
吹雪いている心の中の
一線の黒い帯赤い線

ほんの三ヶ月前には
仄かな暖かさのため
身を寄せ合って生きてきた
そ ....
金子茶琳さんの自由詩おすすめリスト(516)
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