夜を待つドライバーが眠る
黄色のタクシーが連なる駅までの道

すれ違うのはいつも仕事帰りの疲れた
サラリーマンかOL

しみったれたこの通りとも今日で最後なのだ

花束には真冬に不似合 ....
明日はしあわせですか

夜の地下鉄の中で本当に知りたい情報を拾った新聞に探す
ipodの中にも耳を澄ませる

誰も声を発さない
がたんがたん輸送されていく

言葉では問わない 否定 ....
熱奪う風が吹き付ける道
乾いた街がカサカサと音をたてて
灰色になっていく

コートの中にまで入ってくる冷気が
自分の中の惨めな部分だけを表にひっぱりだそうとする
口を閉じて
自分を抱 ....
デイビスという名前の動物が
銀色の毛並みを逆立てて
部屋を飛び回る
出口を探して壁という壁に体をぶつける
ときに強く
ときに軽やかに
僕の思想も
厚い頭蓋骨の中を
同じように反響してゆ ....
アイキャンセイグッドバイ

まだこの世界に

そう言いたげに冷たい朝の空間で
小鳥は囀る
弱く
とてもか細く
まだ誰も目覚めぬ早朝の空間で


アイキャントセイグッ ....
冷たく重い雨が降ってきて
僕らは迫害されるように
俯いて足早に穴倉へ戻った

雨粒が地面を打つ音に耳を澄ませば
世界が広がっていることを想像できるが
穴倉は狭く隔絶され誰からも見 ....
冷たい空気
りんごは蒼に染まって
夜を形作っている

街は静か
だれも目を伏せて
雪が降る季節までもう少し

動かない
ホームレス達の息遣いが
白く
空に昇って
月は悲しみ ....
ガラス窓の夜に写った瞳が少女のようにきれいになっていることを願っては瞼を開く
二十二時の電車に乗っているのはみんな旅人
人生の意味を探す旅の途中だ

ガラスの中で半透明の自分はやはり疲れた目を ....
コンクリートの床
スニーカーのゴム底を通して僕の体温が始まったばかりの新しい季節に薄く広がる
入れ替わるように下肢は石像のように感動を忘れる

鳥は歌わず空は晴れず
タイムリミットに怯え世界 ....
alfa.---

風に乗り空を遠く渡っていくために
鳥は翼を手に入れた
遠く遠く 自分の生まれた場所など忘れ遠く飛ぶために

どこまでも似た大地が続き
同じ海原が続いた
地平線一杯に ....
東西線の中野行き
隣に座った女は黒い服
携帯電話握り締めて
テトリス

俺もやるからテトリス
きれいに積み上げて整然と
端っこだけ空けて待つ
確信犯
華麗に消す
テトリス
終 ....
朝 ちゃんと起きられない

煙草をやめられない

満員電車に慣れない

新聞を読まない

爪を噛む癖が抜けない

目を見ながら話せない

煙草をやめられない

うまく話 ....

誰もいない太平洋の真ん中で生まれた
小さな波が
季節風や海水の温度や潮の流れなんかの影響で
少しずつ大きくなって
海面を走る

波はエネルギーだ
そこにある海水のことではなくて ....
遠い海の向こうに旅立った夏を惜しんで
夜露にハイビスカスは濡れている

もはや冷たい空気が僕らに厳しい季節を旋律させる

命は
守らなければ溶け出してしまうのだと
白昼夢から覚めたよ ....
つり革にぶら下がったスーツの男は
まるで死体のようだ
そのネクタイが不安だ
つり革に結び付けられそうなその細長いやつが不安だ
真夏の太陽が乾ききったヘチマにそれでもまだ容赦なく陽を降り注ぎ ....
夜毎に月の灯りが街を照らすと
君の世界への入り口を探す

僕の世界は六角で
君の世界は八角なので
どうもうまく重なれない

僕らは半透明のカーテンで区切られた部屋の両側で
お互い影絵を ....
雨の音色に耳を澄ます
変化するリズムに
何某かの意図があるような気がする

天は雨を
世界に降らせ
その音で
何を語ろうとするのか

人間の社会は
砂漠だから森の国だからと
もう ....
夕暮れていく空の
侵略される白と
紫が混ざり合うように

中途半端なまま心は
形を変え続けて年を重ねる

不意に感じる虚無へのやり場のない焦燥感
孤独への抵抗の微熱が
私の中ではあの ....
 車両の硝子越しに夜の街を眺めてぼんやりと揺られていた
車両が地下にもぐると街が写っていたところに不意に自分の顔が重なって見えた
 疲れた顔だ 夏なので汗ばんでいたし
眠そうな目は滲んだ青い ....
もういいと
何時からだろう
硬い殻に閉じこもった
わずかの養分と
わずかの水分とを持って
硬く硬く閉ざした

もういいと
放っておいてと
何時からだろう
光に触れないように
 ....
青いきらきらした羽毛の
美しい鳥が
朝焼けの中を飛んでいた

光はまだ世界に行き渡っていなくて
冷えた雲が灰色に固まったままオレンジに照らされ
荘厳に渦巻いている空

地上では
カラ ....
 夕方街ですれ違う人の顔を
 ひとつひとつ眺めながら駅に向かった

 疲れて渋い顔をした顔
 厚化粧の顔
 おしゃれな眼鏡
 莫迦みたいな飾りをつけて
 熱心に本を読む
 独り言いいつ ....
発掘された古代の石器が
 見つけないで欲しかったと
 土をかぶるように
 
 カーテンを抜け降り注ぐ朝日を避け
 クリプトはシーツにもぐっている
 
 鳥たちの歌はとうに終わっていて
 ....
 男は走り回る
 物を持ち上げ
 線をひき
 名前をつける

 男は陸の生き物だ
 りんごを離せば地面に落ちる
 風が吹く日は踏ん張らねばならない
 一日に三度腹が空く
 しかし ....
 ほとんど一日家にいても
 腹は減る
 そんなときの食事は妙に豪勢にやりたくなる

 肉も魚も野菜もたっぷりと食べたくなる

 そして食べ過ぎたと思う
 気持ち悪い

 それでもまた ....
隣のテーブルでは
中年の男が
くわえ煙草で
眉間に皺を寄せ
本をにらんでいる

奥のテーブルでは
初老の女が
眼鏡をかけて
忙しく次から次へと
バッグから書類を取り出しては
興味 ....
草や葉や花の蕾が香る午後
六月の雨に空気は濃さを増している

植物の吐息が混じった空気が
血中に入り込み
くすんでしまった細胞を浄化すると

かすかに残った本能が
脳裏に囁くので
 ....
子供のころに母に言われ見上げた夜は透き通った紫
故郷を出て大人になり今見上げる夜は漆黒空に星はなし
何かを探しに来たはずが日々に追われ求めること飽き
仲間集まれば現実以上に鮮やかな世界昔の話
 ....
美術の先生が
黒と白だけは
どんなに絵の具を混ぜても
作り出せないのだと言っていた

そんな貴重な色の絵の具は
どんな材料で作られ
どこの国の工場から送られてくるのだろうかと
想像をめ ....
午前二時の町に
星空はなかった

海の向こうの国に
旅立ったまま
この町の空は留守になっている

遠い都会に行ってしまった
若者はもう生まれた町のことなど
忘れてしまっただろうか
 ....
マッドビースト(79)
タイトル カテゴリ Point 日付
take off自由詩3*07/3/18 1:00
しあわせ予報未詩・独白007/2/27 1:55
flag自由詩1+*07/2/26 0:23
ディープナイト アンド サウンド未詩・独白107/2/13 0:26
アイキャントセイグッドバイ未詩・独白007/1/6 21:14
アクター・イン・アパートメント未詩・独白006/12/27 0:40
BlueApple未詩・独白6*06/11/21 0:36
Chrysalisis未詩・独白206/11/3 23:03
永遠石未詩・独白406/10/17 0:30
slight fever (trial010)未詩・独白506/10/1 23:42
オーバーミクロン未詩・独白306/9/29 0:04
incompetent未詩・独白206/9/28 0:14
ビッグウェーブ未詩・独白106/9/27 22:48
cricket自由詩306/9/22 1:24
アヴァロン未詩・独白3*06/9/20 0:27
night bug未詩・独白406/9/19 0:34
nature song未詩・独白206/9/18 11:34
リトルプレイ自由詩7+*06/9/16 23:40
Make it!未詩・独白206/7/13 0:10
未詩・独白306/7/10 23:53
ニュクス\ヒュプノス\タナトス未詩・独白406/7/7 23:27
銀魚未詩・独白406/6/21 23:47
昼間の世界未詩・独白006/6/20 23:51
ニュータウン未詩・独白306/6/17 21:27
空腹未詩・独白3*06/6/15 23:23
スモーキング・カフェ未詩・独白106/6/14 22:11
サバンナの雨未詩・独白2*06/6/11 15:14
忘れられた48色の色鉛筆のためのソネット自由詩306/6/9 18:31
潔癖症の子供自由詩1006/5/5 0:58
夜空自由詩206/3/13 1:58

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