take off
マッドビースト

夜を待つドライバーが眠る
黄色のタクシーが連なる駅までの道

すれ違うのはいつも仕事帰りの疲れた
サラリーマンかOL

しみったれたこの通りとも今日で最後なのだ

花束には真冬に不似合いな鮮やかな花弁が顔を覗かす
なら私の名前はハイビスカス

コバルトの道路はまっすぐに伸る滑走路 私はゆっくりとコースに入る
いつもより胸を張って軽い歩調で歩く 飛び立つための勢いをつけて
葉のない丸裸の街路樹の誘導等がエスコートするよくある冬の色のない街

夜のコバルトが支配する街
私の名前はハイビスカス
静に冬の街を飛び立つ


自由詩 take off Copyright マッドビースト 2007-03-18 01:00:51
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