忘れられた48色の色鉛筆のためのソネット
マッドビースト

子供のころに母に言われ見上げた夜は透き通った紫
故郷を出て大人になり今見上げる夜は漆黒空に星はなし
何かを探しに来たはずが日々に追われ求めること飽き
仲間集まれば現実以上に鮮やかな世界昔の話

デジタルな毎日に慣れ効率化されビジネスマンたれ
ノートの端に青い鳥の絵描き手にした鉛筆に懐かしい毛応え
いつの間にか鳥篭は自分の部屋になり自分の形自分の色を忘れ
紙さえあれば世界をつくれたあの魔法の芽生え

きっかけは世界を洗う六月の雨
だれが探しにいくのか48色魔法の杖隠したタイムカプセル
すこしの道草は許す社会であれ
翼あるものは同じ枝に留まらない明日の予定はキャンセル

翼に憧れ鳥を捕らえればほら失くしてしまう本当の色合い
自らの翼を描くため今とりもどせあのときの魔法僕の色彩


自由詩 忘れられた48色の色鉛筆のためのソネット Copyright マッドビースト 2006-06-09 18:31:01
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