ミニカーみたいな自動車のうごきが気色悪いので、思想をちぎってはなげふるえている。
これは、(こんな)くもり空いちめんのま下に、ビルを行き交うわたしの愚直としてどうぞ。
半とうめいに透き通ってい ....
手紙が送られてくる
まっ白い文面で
わたしはあなたの名を抱く
そうすると世界は痙攣しはじめる
 口ぐせもふせたまつ毛が濡れるのも汗ばんでたのも全部うそだよ

 痛いほどきらめきながら死んでいくさかなの群れは空を飛びながら

 結びめのきれいにできた関係を断ち切るはさみは錆びてかなし ....
わたしをAと見たて踊らせるのは
おそろしいことにちがいなかったが
おかげで血はとまった

うすばかげろう、
知らない言葉を育てることで
知らない自分を見捨てることができた
(辞書はよ ....
だれがわたしを見捨てたか
指さしや目線の鋭角
とりどりの基準のなかで
きちんと焼却してください
水に落ちていく墨か、
あるいは墨に落とされた水滴か
どちらも、
すぐにそれとはわからな ....
ま夏の背中よろしくこぼれおちる曲線は
ぼくのよろこびにまっすぐに突きささり
それらはやっぱり放物線をえがいている

きみの曲線のおしまいにくちづけをする
そんな目でみたってだめだよ、もう ....
ことばはとめどなく産まれるけれど
ひとつもどこにもとどかない
やわらかい壁がゆれる

わたしがあなたのそばに落ちるとき
きっとひとつも言葉をもたないで
まばたきだけでやりあうような
 ....
ま昼にうす闇の絶望をえがいて
えがききれずに筆を折るのはおよし
空はまいにち傾いて
だんだんに染まる木々や青を
眺めている場所がちがうってだけだろう

筆を折るのはおよし
ま昼にはま ....
いったいこのうすきみわるい街道を
やつらはどうやってあるいている
死ぬだけの生をよこたえたらば
文句のひとつも言えようが
あまつさえ感情を行き交いし、
それでいてうつむいて泣いている
 ....
小鳥にパンを投げてやる
あるかなしかのわずかのくちばしのために
この子らはやすやすと川をこえるのに
わたしはまだその手前で積木をしている
あなたの庭はなんの匂いもしない

野球中継
祝日
汚れたスニーカー

擦り切れてゆく生活のなかで

煮える卵
砂壁
青空

だれがわたしたちを救えるだろう?

液晶モニ ....
あなたが眠るのを待って
部屋じゅうに花を飾ろう
あなたが起きるまでには全部捨ててしまおう

一瞬にからめとられるまえに

病室を出るのだ
花瓶を窓から投げて
割れる音の一瞬まえまで ....
すぐにあしたになってしまう今日 は黒くて、生えている星はぬるい。あしたになったら手に入らない、それとか、夜のたべものとか。背中にはえていたのは、よろよろした壁 ・ だれもいないから、黒を白にしても .... 照り返す四十五度の善意が怖い

黒髪にじょうずに女を縁取らせ
嘘つきとぬるい背中と一人きり


午前四時薄紅をひく窓ガラス


竜の背にしがみついては振り切られ


歪んでる海を飲んでる通り雨


ドーナツの穴を集めるアスファルト
 ....
一日におくれで降りそそいでくる
あなたの会話がばらばらになって

わたしはつめたくそれでいて
からだはこんなに熱いというのに

流れでる体液の生ぬるさ
いったいどういうことだろう

 ....
たびたびからだは貫通するが
すこしも風がとおらない
あの背中のうえではなんども裏がえった
裏がえりつづけて
すっかり風そのものになってしまった
あれは何百年まえだったかしら
うしろむきに種を食べていた
あのとき
あなたがわたしを好きだとしっていたら
あんなには幸福じゃなかったろう

鏡とするような接吻ばかりした
そのむこうに
だれかはちゃんといたのに
 ....
鳥は飛ばない
不在だらけの世界で
決めていた
啼けと言われたら
もう
飛ばないことにしようと
鳥は決めていた
鳥は飛ばない
つめとゆびは
20ずつあるので
ちょうどよくセットになる

わたしは
とりだせないしいくつあるかわからないので
だれともちょうどよくない
かなしい
テーブル、ほんの一秒まえの
カーテンの波を再現できない
難しいことを言わないで
泣いたり笑ったりして
わたしの手前で
息を吸って
そしてすぐ後ろで吐き出して
運動を繰り返して
 ....
だんだん死ぬひとを見ながら
それでもやめられなかった
もうおいしくも気持ちよくもなかったけど

あたしたちはきっと
ああいうふうには死ねないよね
やめられない道のとちゅうで
ささやき ....
まくらを抱えてすみっこへ
あざだらけの脳みそを抱きこんで
痛む歯を舌で舐めている

でもあたしは愛されている
覚えていないくらいむかし
あたしはだれかにキスされたから
歯が全部溶けて ....
あい色ごしに赤をみて、
まばたきごとに星が降った
あんなにとおい星どうしが
かちかちと鳴りあうのも聞こえたよ

草は草なりに濡れ
砂はひと粒ごとに熟れて
笑いあうのが世界だね

 ....
あのひとから
ラブレターが届いたので
くちづけをして
しまっておいた

死んでから読もうと思う
あなたが誰なのか
わからなくなってから
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
衣服は脱ぐために着るのだし、髪の毛は切るために伸ばすのだ。
時間も夢も思想もお金もじゃぶじゃぶつかうのがたのしいし、物ものの壊れるさまはいつもいっそう美しい。物事は終わり続けているし、始まり続け ....
おいしいうそをついて
世界はおわらない
寝がえりをうったら
あの子が泣いてた
ゼリーみたいな涙してさ
いつまでも覚えている青さを縫って、
(勝手に)、
勝手に生きている、
終わらせない(終わらない)
自由を、(不自由を)
はしりまわって、はしりまわって手に入れて

おいで、と言ってく ....
階段の途中で立ち止まるような恋 昇ってきたのか降りてきたのか

ふりだせばいっそ気にすることもない水を遣らずにこの花咲くか
はるな(1847)
タイトル カテゴリ Point 日付
ドライ自由詩313/8/3 11:47
痙攣自由詩213/7/27 12:30
はさみ短歌313/7/27 11:58
A自由詩513/7/24 23:41
診断自由詩213/7/24 23:29
ま夏の背中自由詩613/7/22 21:05
まばたき自由詩913/7/19 1:18
自由詩313/7/18 14:56
街道自由詩313/7/17 13:36
つみ木自由詩513/7/17 13:29
自由詩813/7/15 10:45
花瓶自由詩213/7/14 22:09
さよならのこと自由詩413/7/11 20:57
四十五度川柳113/7/11 20:20
あじさいの枯れてるところで逢引川柳213/7/11 20:14
蝶々 餓死自由詩313/7/11 6:18
貫通自由詩413/7/10 17:26
鏡とする自由詩613/7/9 21:51
鳥は飛ばない自由詩313/7/9 21:46
つめとゆび自由詩513/7/6 19:01
(-)自由詩313/7/5 23:26
ぬるぬる自由詩313/7/5 23:09
虫歯自由詩913/7/4 21:29
りょんちゃん、たべかすがついているよ自由詩913/7/3 19:20
ラブレター自由詩413/7/2 14:24
りんごのこと[group]散文(批評 ...1013/7/2 14:21
再生散文(批評 ...513/6/30 12:25
おいしいうそ自由詩713/6/29 4:57
窒息自由詩413/6/29 4:53
階段[group]短歌213/6/28 13:45

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