どういうふうに笑えばいいか知っていた
人びとが納得するために
どういうふうに傾いで、
どういうふうに泣けばよいか

いまは
だから
どういうふうに笑えばよいのかわからない
自分の納 ....
穴を
かたっぱしから
うめたてて
苦情をうけて
またあけた
あたらしい穴は
みたり、つかったりするには
すこしあたらしすぎる

ふるい穴は
ひとつだけかくしてあるので
死んだ ....
あなたの夜が空を飛んでいる。平らかなあなたにふさわしい藍色のなかをひかりの流れるように。ねそべるかたちに匂いが残り、重みが残り、この部屋には、あなた以外の何もかもがある。

何がここにあっただろう ....
みじかいキス、そして雨
矢印の方向へ

ドーナツみたいな彼
長ぐつの夜
思っているのとはすこしちがう

水色は水に返す
言葉は
だれにかえしたらいい

みじかい雨、
そして ....
言いたいことがあったような気がする
けれど
あなたは熱すぎて

言葉を持っていたような気がする
でも
つかうにはどれも遠すぎて

死を思っていたような気がする
けれど
あな ....
くちぶえみたいな夜が煮詰まったら
朝やけは痛いくらい赤くなる
はじめて手がみを書いたときに赤くなった
鉛筆を握る指よりももっと

わたしももっと赤くなればよかった
みさかいなくはしたな ....
0時まえのまちに青く沈んでいるからだたち
空を落とすよりも
忘れることがむずかしいかな
ひときわ白く可哀そうに光っているのにむかって口づけしても
ますます白が青ざめるばかりで
今日がおわ ....
夜が明けたら
指をむすぼう

悪気のない月明りが
影をつくっている

永遠 という言葉を知っている
それでじゅうぶん
一生 口にすることはなくても
たとえ 夜が明けなくても
 ....
宝籤はもうずいぶんりっぱな犬になった。しっぽのわずかな先と、胸もとと、それから腿のうしろにも毛羽立つような白い毛が生える、黒い犬だ。しっぽは太くてたっぷりしていて、よく動く。
雨のあがったきょう ....
世界は
そうではないもの で
埋めつくされて

わたしは 青緑を食んでいた
ひとびとがそれぞれに
大切なものを忘れゆくように
あなたがほんとうに
あなたなら
IDを脱いで
そよそよするビルを三角にして
意味とかを味にして
眠い椅子たちをこうばしく並べて
もしあなたがほんとうにあなたなら
これ以上ないくら ....
猫っぽいものが
あなたっぽい暗がりへすり寄って
休日っぽい一日になった

下腹あたりに
あなたっぽくて
わたしっぽいものを抱えながら
とりあえずいまは
手足がとても熱い
鎧に水をためる
緊張して
わたしは
裸足で
後ろ指を
さされても
いいよ、どうぞ
裸で
こわいよ
でも
わたしは
鎧に水をためる
どれほどうら返しても
あなたはみつからない
すみずみまでひらいても

どうしてかいつもこんなふうに
ひとりでみることになる
足もきれいにしてきたのに
道路はいつも
ほかのだれかを運 ....
増えも減りもしなかった
空白の
2時

ふるえるほどかわいて
奪いあったね
月、街灯、コンビニエンスストア
あんなに青くなって

もうだれのことも愛さなくていいなら
どんな ....
絵具なら白
鉛筆なら2B
くつ下は紺
クロゼットの右側の
黒い服ばかり選んで
同じような詩ばかり書いている
実在か
あるいは不在についての
あなたのような
わたしについての
同 ....
こんなにみじめなのに
雨もふるのね
蔦は先端から枯れはじめ

あんなにしたのに
あなたは笑うでしょうね
あらゆる肯定をもって
嘘は嘘でなければ意味がないのに

雨はふるのね
蔦 ....
三本足の猫は
とてもはやく走るので
だれにも見られたことがない

知らないふりをしないで
外ばかりみないで
わたしがわたしになるまえに
鉢植えは育ってしまうし

なにかのふりをし ....
はじまりのない迷路に居て終わらせる術はいくつも持って立ってる

これいじょう失えるなら幸いだ まぶたにこぼれる星さえも今

きりもなく、おそろしいのは 何ひとつおそろしいとは思えないこと
 ....
ふたりしてつくっていたのは絵ではなくかたちでもなく額縁だった 鈍痛をめくりあげると赤蜻蛉 あしたはどこか遠くへ行こう 食べ終えたからだには
波のあと
後ろ手に作曲したふたりは朝を拒んで

花は咲かない 実もならない
良い香りがするわけでもない
冬がくれば死んでしまう草みたいに
あるかなしかの根をから ....
あんまりにびしょびしょで
かまわないまま
それがなにかも気にせずに
奪いあったものだから
愛みたいにおもってしまう
ただのセックスを
それ以外のかたちにくり抜こうとしたから
からだは ....
扉の音がしたけれど
どちら側に開いたのかわからない

あったのかなかったのかわからない
いくつもの好意
あってもなくてもかわらないような
くりかえす行為、

いつまでも振り向けない ....
出ていかなければならない
と知っている
部屋は
あなたとあなたでないものでできている
このまま朝は終わらずに
言葉もひとつも終わらずに
開かれなかった小説
届けられなかった手紙
呼ばれ ....
なにはともあれドーナッツ、
食べると穴のなくなるところ、
恋をするみたいに
かなしかったよ
きょうもこんなに曇った空で
なにはともあれ
ドーナッツ
ゆうがた
べったりした体をオーブンにいれる

もうすこしでわたしになれる、というところで
あなたがわたしを齧りとるから
わたしはいつも、
そういうかたちで次の朝を生きるのだ
そしてそれが来て、
わたしたちの手は離れる

(あかるいもの
 くらいもの
 つめたいもの
 あついもの
 動いているもの、
 動いていないもの)

あなたの耳たぶに
甘い水 ....
まったくかまわないよ
世界が
思ったのと違ってても

新聞をめくると
新聞のにおいがする
あなたをめくると
あなたのあじがわかる

あなたがもし
いなかったら
かまうけど
かげろうみたいに
日々は
嘘になるから
それなら
特別うすく
上等のにしよう
むこうがわが透けてみえるような
いつでもそれが
透けてみえるような
はるな(1730)
タイトル カテゴリ Point 日付
糸糸自由詩213/11/12 22:28
うめたて自由詩513/11/11 23:27
窓、窓ガラス、そして外自由詩213/11/11 23:04
みじかい夜自由詩213/11/10 23:49
i自由詩713/11/6 1:04
くちぶえ自由詩813/11/6 0:53
発光自由詩213/11/5 23:58
自由詩413/10/29 2:17
10散文(批評 ...313/10/21 11:16
青緑自由詩413/10/18 23:39
ID自由詩813/10/13 23:41
休日自由詩413/10/12 14:51
鎧に水をためる自由詩413/10/8 0:29
自由詩313/10/8 0:24
2時自由詩213/10/8 0:18
熊(仮)自由詩613/10/5 0:31
自由詩613/10/4 14:38
三本足の猫自由詩413/10/2 0:49
きりもなく[group]短歌113/10/2 0:44
額縁[group]短歌313/10/2 0:31
とんぼ[group]短歌013/10/2 0:26
波のあと自由詩413/9/29 23:42
自由詩513/9/29 0:44
自由詩213/9/29 0:33
水をかためる自由詩1013/9/26 21:14
ドーナツその3自由詩313/9/26 19:10
チーズ・オーブン自由詩413/9/26 19:07
何もかものかわりに自由詩313/9/25 20:52
かまう自由詩1213/9/21 23:23
かげろうみたいに自由詩213/9/21 23:19

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