遮るもののない青空に憧れ
背中に砂のあたたかさを感じて
自由を願った幼さは
いて良い場所が欲しかっただけなんだと
膝を抱えて震えながら泣いた

夜の暗闇を望んで
ディスプレイの光の中で生 ....
ふとした陰りに
降り落ちてきた雨に
足元の不確かさに
救うように
連ねた文字列の先に
わたしは生きている

温もりを失った瞬間に
光が差さない海辺に
沈みゆく夜の深さに
耐えがたい ....
砂浜であたたかな光を浴びながら
私たちは貝殻に閉じ込めたことばを砕いている

細かい粒子がキラキラしては手のひらで
掴み切れないものをかろうじて掻き集めて拾っている

足の裏に微かな熱を感 ....
北の先まで歩いて
呪いを解くにはことばを
刻まないといけないらしい
包丁を研ぐには暴言が必要で
持つ手には温もりが必要で
橋を渡るときに気づいたけれど
川は流れていないことに
歩くのは怖 ....
水面を何度も跳ねる小石のように
弾けて走って抱きついて頬を合わせて
近づいてまた離れていく潮のように
傍にいてでもそのままひとり自由でいて
嵐の中でうねる波が静けさを取り戻すように
圧倒的に ....
あたたかい日には
春の歌が口ずさまれる
恋や愛には光が降り注ぎ
出会いや別れには桜が降り注ぐ

ここから離れたい
それでも離れたくない
いつしか
光は嘘や矛盾さえも包み込み
桜は過去 ....
あたたかさはいつも
敵わないほどに傍らで咲いて
叶わないたびに散り
地面をひたすらに覆い尽くす
 
しあわせという匂いにむせて
風のつきあたりでは
くるくるくるくると
止むことなく空へ ....
いっぴきの魚がキラッと
跳ねていく月の
一日には海辺が朱色に染まり
水平線で傾げる夕日に向かって
あなたへ告白の橋を掛ける

物語りが夜半の寝息に
幕を下ろた七日に
閉め忘れた扉をノッ ....
むなしい
と声に出ることはなく
ことばは秋に静かに枯れていき
地面に落ちては
たくさんの足音に踏みつけられ
悲鳴にもなれず
冷たい風にたやすく飛ばされる

ここで
ここで腐りたくはな ....
窓越しに今日を見て
誰かが向こうへ手を振ると
明日へと勝手に動きはじめて
頼んでもいないのに席が空いて
ここがあなたの場所だと告げるから
大丈夫です。
みたいな曖昧な返事が降車駅まで必要に ....
ある日の繊細さが
風鈴の音の揺らぎで夏を作り出したように
きっかけという名を
古ぼけた電話帳で探したときに
故郷につながる道の霧が晴れていった

生まれてきたという引き金は
生きてきたと ....
なんかなくしていって
傘の色が透明だと便利だけど
コンビニで買ったりして
適当に置き忘れたりして

なんでもそうかもって
好きだった本とか
場所がないから売ったりして
Kindleで読 ....
木漏れ日の熱源には
黒ずんだ記憶をひとつ落としていく
君のなまえも季節に置き忘れていくから
自転車を漕いで走り続ける
子どものように生きたかったから
立ち止まることは
あたらしい夏の眩しさ ....
教室で黒板を見つめていた
隣の席のワタナベくんは遅刻をしてきて
コンビニ袋からおもむろに
焼きそばパンを取り出して食べはじめた
イスを傾けて教室の後ろの壁につけてもたれていた
倫理の担当は臨 ....
三ヵ月前に母に送ったてがみをゴミ箱に捨てた
いま、どれほどの痛みに横たわったのか
いくつかの記憶にいくつかの窓、いくらかの空といきばのない言葉
ぽっかりと浮かぶ月からあふれ出した涙と
「助けて ....
名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った
窓ぎわの一輪挿しに
雲の合間から洩れた光があたる
人の群れの片隅に
置かれたままの孤独には
今にも途切れそうな蛍光灯の橙色が
仄かにあたっている

本棚の蔵書の間に
あなたに書いた ....
むかしの歌をきくたび
過ちは目の前でかげをつくる
おもかげを残した
ふるさとのあの道で立ちすくむ
かなしみ、なげき、いきどおる
わたしはほほえんでいたのか
あのとき、あの場所で

やま ....
いたみから
目を背けられない夜の月のような
白く甘いこどくと
カップの底に残ったままのココアは
あの手が握りしめたやさしい日々の
ちいさな祈りをいくつも
いくつもつないで

告げること ....
知らぬまに
小石を投げつけてわたし、わたしに
その水面の波紋は
かたちを歪ませて、きっと
こころとか
生きていくとか
そういうものの足元を崩していく

きいてほしい話は
きいてほしく ....
この冬に
するすると
ほどけてゆくことばを
つむぎ合わせることを
わたしが
わたしとして母に伝えるのは
愛が
愛のふりをして
また愛のようなかたちをして
そして
愛としてのことばを ....
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。

ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる

ささやかな抵抗を繰り返し ....
静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動

暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し ....
ねえ、さよならをしよう
後ろ向きに流れるメロディ
誰かが世界のしあわせを歌うよ

アスファルトを強く蹴る
自分ってなにか
求めすぎて自販機で炭酸飲料のボタンを押す
すべてが泡となって足元 ....
朝が来ると鏡の前でこい。を頭の中で漢字に変換をする。雑踏を歩くと踵が痛い、世の中に埋没する生き方を足し算し続けると、私は空を見上げない、結局地面を見下さない。黒板の文字がぼやけて、目を細めると現実 .... かけてはいけない。
おさらがかけたらつかえない。
かけるひとは
かけてしまうことで、
かけそうなこころを
おとしてはいけないのです。
朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤 ....
しろく印した約束
違えないようにと
丁寧に付箋をはがす
いつかの夏のはじまり
まちあわせを繰り返すきせつ
出会わないやさしさ
みどりに染まるかげを
ひたすらに踏みしめてあるく
 ....
あさ、
と呟いたことばを
ひと呼吸おいて窓辺に置くと
射し込むひかりに反射して
きらきらとひかる

うとうととする
あさ、のとなり
クロワッサンがやさしい匂い
ぼおばる月のかけらが
 ....
水面にキス、をした波紋の先に血液が流れる事実が愛しい、見上げる、あげる、ね。あの星々から落ちた涙と身体に雨が滴り落ちる、夏の夕ぐれ。何もない綺麗もない汚いもない、陽射しに目を細めて少しだけ君が小さくな ....
かんな(284)
タイトル カテゴリ Point 日付
雲の切れ間から愛を掬ぶ自由詩221/11/27 11:34
ことばと生きる自由詩421/10/17 0:03
砂浜でことばを砕く自由詩321/8/17 9:26
南へ進んで愛まで歩いて自由詩421/7/28 23:59
春の海に小石を投げる自由詩321/4/20 15:09
あたたかい日に私はここにいる自由詩121/4/3 8:22
眩しさから逃げるように春を自由詩421/3/13 23:34
十二月は踊るように繋ぎ、傾くように綴る自由詩220/11/15 21:16
ことばは秋に枯れていく自由詩920/11/8 15:19
立ち止まるわたしは停まる電車に乗れない自由詩3*20/10/23 19:31
夏が繊細さを手放すとき秋は虫の音を抱きしめる自由詩420/9/21 23:09
すこし背中がまるいかも自由詩320/8/19 16:16
夏の黒点のようにわたしは過去へ走る自由詩320/8/5 13:13
隣のワタナベくんと焼きそばパン自由詩720/6/24 19:02
ソファで夢みるように三月のわたしは鍵をあけた自由詩320/6/21 6:35
空が落ちてる自由詩13*20/5/20 21:34
静けさの残り音自由詩320/4/23 10:00
わたしについてのわたし自由詩120/4/2 13:25
夜の月が祈りのかたちを照らすとき自由詩420/3/23 11:52
こころとか記憶とか生きていくとか自由詩920/3/4 15:53
ほどけないことばの結びの中で自由詩520/2/17 0:49
冬の朝の光が痛みをうつくしくする自由詩1519/11/28 17:30
ことばだけが夏に欠ける自由詩719/7/24 16:58
さよなら。あなたの細い右腕自由詩419/7/6 21:30
No spring chicken自由詩3*19/6/30 7:31
かける。自由詩119/6/24 21:36
夕陽の虫籠自由詩1219/6/21 19:46
まちあわせとやさしさと夏の呼吸自由詩819/6/18 18:39
はじまりを脱ぐ自由詩6*19/6/6 22:11
夏を投げる自由詩3*19/6/3 17:15

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