まるめろの樹皮は
水を考えている
夜にそれは泳ぎ疲れてしまうので
却って
月暈はあかるいのだ

蜘蛛が垂れてくる
そのとまる処にみずうみの{ルビ膚=はだえ}
甘露酌み交わすゴリラ
 ....
今日ごみの分別作業中
精液のはいったコンドームが破れて
分離した水分が飛び
まつ毛にくさった滴がついた

そのうち
誰かが屍体の口をこじ開け
金歯をペンチで引き抜く時代が来るだろう
そ ....
どうやら
うつ状態らしい
見かねて
モスバーガーを奢ってあげた
これが
今のぼくにできる
精一杯だ
オニオンリングは
案の定
バラバラになり
だけど
食べてる間
ずっと
ポロ ....
いたんだ春を拾っても

もう

あの頃には戻れない

夜風の声をきくたびに

どこかに

自分が立っている
本のこどものシッターをした
本もまだこどもなので
ヨチヨチ歩きだった
いっちゃメという国へ
いきたがり
やっちゃメという冒険を
したがった
なかなか語彙を食べてくれず
困っていると
 ....
昼間考えたことが
床に丸まっている
つま先で小突くと
変な声がした

現代詩フォーラムのポイントが入ると
ぼくはうれしい
そして
おろかにも哀しい

昼間考えたことが
伸びをする ....
「ものがたり」

あることが
あるようになったのを
あらしめたものが
なくなって
はじめてあることは
あることの
ありがたいことを
しったのだった


「おしり」

おしり ....
ビニール袋を
引きさくときの
あの
うれしそうな表情

あぁ
トトはね
さくばん
八木重吉さんの詩を
もくどくした

さめざめとなき
青いてんきりんの柱ノように
しばらくなっ ....
ブナの木にハトが2羽とまっている

ハトの木にブナが2羽とまっている

ブナとハトを入れ替えてやる

現実は

こんな風に入れ替えることはできない

文章にはそれができる

文 ....
いとこの子供が
この春から国立大に行くそうだ
理系らしい
現役でだ
ぼくはといったら先日
知能テストを受けたばかり
結果はそろそろ出ると思う
IQも分かるらしい
曽野綾子さんの本を読ん ....
春風にこのヤケの空もってかせたい

脳の湖底へ春がするん

手枕痺れていてもその儘の骨肉

穴が無くとも穴と化す{ルビ貘=ばく}の空

おんがくにすくわれたるたましひよももとせの君君君 ....
「流木は言った」

ここまで まるで散文のように 諸国をめぐり歩いてきたが 詩の路地裏には この靴は硬すぎた テクストなど 情感を回る素粒子に過ぎない 詩人は そっと何かを置くだろう それでいいん ....
あなたは今この詩を見つけた
そして
ぼくはあなたの
本当の名前をしらない
暮らしをしらない
好きなものをしらない
困っている事をしらない
大事な人をしらない
信じているものをしらない ....
狭い道を歩いていたら、突然、目の前をふわふわな毛の白猫が横切った。あたかも天の煤を払うかのようにリズミカルに揺れる長い尻尾。戦歴を物語る折れ曲がった長いヒゲ。ジャングル大帝レオのように太くどっしりとし .... 「耳」

音楽の
靴裏には
かなしみの泥
音楽には
色彩があり
いろはない
雪がまう
いろがほしい


「早計」

この詩は
誰かを嫌な気分にさせることだろう
その事 ....
遠い遠い場所
過去とも未来ともつかない時
銀のロケットは宇宙を渡った
ゆく先々には
驚くべき光景の数々があった
じつに多彩な星の世界が
めくるめくように展開していった
銀のロケットは
 ....
大人になった気がしない
かと言って
子供でもない
何だかよくわからない
思い出せない
昔のことが
ほとんど思い出せない
思い出せないなら
なんで生きてるんだろう
思い出せないのに
 ....
ここは

いや

ココも

遺跡なんだヨって

たくさんの詩が

歌っている

世界には

あんまり多くの発表会がある

けれども

孤独はいっこう

うまりそ ....
「星くず」

しんだらみんな
星くずさ
だからそんなに
泣かないで



「雨」

いま
雨の音を聴いている
雨を書くとは何だろう
雨のもたらす心象(イメージ)を表現したい ....
雨粒がポタリポタリと落ちるのを
ショッピングモールの四階の暗い駐車場で
一緒に見ていた
やわらかい君の太ももはあたたかかった
じっと雨粒を見つめているその長めの睫毛は
ぼくにとてもよく似てい ....
また今日も朝が来て雀がなく
チュンチュンとなく
ありふれた朝
こんな朝も永遠とは続かない
何億年かしたら
たぶんすっかり様変わりして
地球は住めなくなる
その時はまあ
新しい雀が
 ....
雪見障子からの陽は記憶している

あばら家の

たじまはるの中庭には

ミドリガメと田螺と湿っぽいツワブキ

があった

近所の原っぱでは

よく

空がひっくり返っ ....
*

まず、赤いフタの大きなアルミ鍋に七分目まで水を入れ、中火と強火の間ぐらいの火加減で湯を沸かす。五分ほどすると、プツプツした細かい気泡が上昇し始め、水の表面が微かなプルプルに満たされるようにな ....
硝子で以て光はウインクを、


睡魔の指が詩をしめ出すうすぼらけ。


人は、


ゆえなく等価交換の温泉に浸かる猿である。


雪渓に紅白のクレーン車かぶさる


遠近 ....
その辞書には意味が記されていない
ただ単語ばかりが延々と羅列され
一切の説明的言辞や背景や語源さえもが周到に省かれている
その辞書とは何かを
それを自然は
「世界」と位置付けている
何者 ....
もう、春

ユキヤナギの蕾も

いよいよ膨らみ始め

風もぬるい

連翹の

硬い蕾もそこはかとなく

黄の兆し

あまりに短絡にわいた

羽虫たちは

ふためきつ ....
最悪の悪徳。それを寿げ。すました顔で平然と血で汚れた手を差出すのだ。供物のように身を横たえよ、恐ろしい龍や番犬の牙に偉大にも身を捧げるため。そのようにして、いくつもの滅んだ帝國は歴史の溝に清らかにも棄 .... あんまり良い詩を書いちゃ心配よ

ウミネのおかあさんは言う
ウミネは
無花果の好きな島の男の子だ
ウミネは
時々
ひとりでぶらぶらと
白い砂浜にやってきて
波の音が
ズザザザァー ....
文章の森に
本の生る木があった
こっちの枝には推理もの
あっちの枝には時代もの
てっぺん辺りに専門書
棘の節には官能小説
若芽には児童書
ある日のことである
その木に甘い砂糖のような雷 ....
「海をすてた」

海をすてた
いっぱいだったから
外に捨てた
外は広いから
海はしずくにみえた
にんげんが
外にいったら
ちいさすぎて
なんだかバカみたいだ
だからぼくは
ここ ....
道草次郎(650)
タイトル カテゴリ Point 日付
水の裸像自由詩1*21/4/3 11:29
分岐器自由詩6*21/3/31 22:38
窓越しの桜自由詩13*21/3/29 22:04
ちり桜自由詩421/3/28 22:20
ブック・シッター[group]自由詩321/3/28 17:28
昼間考えたことが自由詩221/3/27 21:10
ついーと小詩集7自由詩321/3/26 23:33
トトより自由詩321/3/26 19:01
文章になりたい自由詩421/3/26 11:38
春は始まりの季節自由詩321/3/25 18:43
21年春・自由律俳句俳句421/3/25 16:44
流木は言った、他自由詩221/3/25 10:34
しらない自由詩221/3/24 21:14
白昼の決斗自由詩1*21/3/24 16:24
ついーと小詩集6自由詩421/3/23 21:10
銀のロケット[group]自由詩7*21/3/23 18:43
悔やみ方が分からない自由詩3*21/3/22 23:39
生きてあり自由詩321/3/21 21:29
ついーと小詩集5自由詩6*21/3/21 12:54
笑顔自由詩10*21/3/21 8:41
エントロピーなんて屁自由詩4*21/3/20 7:01
透明なブルーと荒野自由詩2*21/3/19 20:50
スパゲティのための試論自由詩6*21/3/18 22:09
地獄の遠近街自由詩3*21/3/18 8:32
「レ」自由詩3*21/3/17 20:27
もう、春自由詩3*21/3/17 6:25
叛逆自由詩5*21/3/16 11:04
ウミネ自由詩3*21/3/15 21:01
文章の森での出来事自由詩4*21/3/15 18:35
ついーと小詩集4自由詩4*21/3/14 11:36

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