「魂のありか」

いろいろやってみたり
よんでみたり

けど
けっきょく
電気をけして
よこになり
暗闇みつめてしか
でてこない

なんにもしたくない
からの湧出か

も ....
甘柿が夜のきわ
闇の{ルビ臥=ふしど}に熟れ育つ
不気味な{ルビ馥=かおり}する
琥珀の月影のした
微細の夜霧の芳醇を
みえない腕で
 ....
「いくつかメモ」

誤解を恐れず端的に言うとバランスが欲しい。換言すれば、あれもこれも欲しい。低い水位で流れるのでいい。こういうことを言うのはバランスを欠く要素だからと、すぐに排除することに飛びつ ....
何かを他の何かでいいかえるしか
何かを括る方途が無いので
世界はこのような仕方で
むかしから戯れております

あたらしいものはあるのですか
ないのですか
どちらでもよいじゃありませんか
 ....
「どこで落とし前を付けるか」

ほんものの皮肉は
しっかりやることです
神への唾は
忠節です

皮肉が皮肉の装いのうちは
皮肉にみちないように
堕天使の魔性が神と見分けがつくうちは
 ....
まあつまらないことを書いたろう
いやつまらないことしか書かなかったろう
それが詩のほんしつだなあとおもう
そう思ったりしてしまう

これは弱い根拠のバランスボールです

詩人は自分の書い ....
「雨」

雨が天からフロントガラスにおち
たらーっと下方へつたい
ワイパーの根方のへんで溜まり水と同化する
人間の一生もこんなものか
と思う
川へいくにも
川は銀河系のずっと先だ

 ....
電気配線を組むのが
三十人中一番遅くて居残りを食らった

ひっきりなしの汗が
ポタポタと顎をつたう
電話がポケットでずっと振動していたが
全然それどころではない

ぼくの三分の一の時間 ....
『山の人生』の出だしの
子殺しの炭焼きの話を聴きながら
カーブを曲がると
元セブンイレブンだった洗濯屋が
うんざりした顔を向ける

湿り気を帯びた大気を遮断して
空調は乾いた音を立てて ....
「後れ毛だけを切ってください」と
うまく言えない夢ばかりみる

現実の理髪師さんは
分かったのか分からないのかわからないけど
とりあえずは後れ毛を整えてくれる
仕上がりはいつも
何かがち ....
先日母方の祖母の妹が亡くなったので、祖母を安置室のある家族葬ホールに連れていった。親族といえども、ごく近い近親者以外の告別式への参列は憚られるという事だった。この時節、どこでも大体そういう段取りなのだ .... 赤黒く紅葉したハナミズキをくらい気持ちで見ていたら

雲間から
急に夕陽がさして

ロードライトガーネット
の宝石のようになりました
この町には地球より大きい時計がある。住人たちは各自思い思いに長針や秒針や歯車のアスレチックで遊んでいる。12時の方向に朝日が昇り、6時の方向に夕陽が沈む。一日一度鳴る鐘の音は祈祷の時間。メッカはど .... 一番甘えられる人をよんでくれないか
ここには裏山などないのに
萱野を食む狒がぽつりと云う

その人にはなんでも言えるらしく
糸を引くように罵れるそう
随分と煽て撫でられもするよう
言いが ....
一つの表情を分解することをしないように
ひとつの言葉は分解できない
とあなたは知っていて
世界はあまりに公平だと思うでしょうか

そらは晴れ渡りたいだけ
晴れわたり
わがままな子供のよう ....
職業訓練に向かう車中
手嶌葵の『明日への手紙』を聴きていると
ふっと秋の童が降りてきた
きゃっきゃと笑いながら
ダッシュボードをはしゃいで走っていた

ぼくは
しずかに考えながら
考え ....
なんの纏いもなくうつくしかったことの経験を内奥へうかがえば経験とは即ち記憶だから
記憶はぼんやりとしているばかりで思い出そうにも思い出されないのです

記憶とはなにですか
どこにあるですか
 ....
言ってはいけないことはないけれど
言えないことはある
言えないことなんて無いというのは暴論です
われわれに与えられた自由は
無限の宇宙の中でこのように制限されていて
しかし制限というのも言葉 ....
そうあるように
あるものが
あるだけなのに

なにかの切り屑のせいで首までが埋まってしまっている
上昇が原理ならよかったのに
鱗のはがれたものだけが天へゆけるのならよかったのに
人の望み ....
山あいのさみしい川べりの
物置小屋の青いトタン屋根の上に
紅葉したもみじが
五六枚かかっていた

大町の山間部の秋は
ダム湖の水面に近い方から色付く
楓が黄色く
イロハモミジはわずかに ....
何年かぶりに新聞を読んだ。明治6年創刊の『信濃毎日新聞』一面の左下、敬老の日を報せる日本国国旗の隣に、お題に寄せて写真を投稿できる(こと映え)という名物 .... 満ちた月に
理屈はいらないように
満足した人に
口はいらない

だからかな
あんまり
満足してしまうと
心許なくなるのは

三日月のシャープさ
とても贅沢だね

うまくいえな ....
この棺桶はきゅうくつで
けれども
そらは紺碧透明
  
 (小鳥のに、さんを棄てている)

こんじきの比喩や
空明のかぜの詩
それを〔私〕はみたけれど
 
(もちろんそれはそれでと ....
五セットもあった作業用手袋を失くした。

引越しの際、いずこかへさよならしたと思われる。実技講習で使わなければならないのに、なんてこったである。百均に買いに行かなければ。なんだか、こんなことばかり ....
昼飯を食べて
ぼけーとする

いなくなったら
どうしよう

自分が










たいようの存在
オームの法則の練習問題がクラスで1番できなかった
理解のいい人はスィスィ解いていく
ぼくは亀みたくノロノロだ
赤面し
泣きたくなった
やっぱりできないことは辛いな
取り残されるとかそういう ....
痰だ

まわりで乱舞して
ひとしきりはしゃいだやつらは去った

残飯のような
おれは
ひとり
路上に座学

汚辱のイメィジで
手を淨める
咳き込む たびに
薔薇を
 ....
不幸の防護服をきるのは簡単だけど
幸せなカーディガンをはおるのはむずかしい

夏でもなく冬でもなく春でさえない
秋には特に
誰かが醜いと、その醜さの分だけ反対側にでっぱった何かしらの事を考えずにはいられない、
そういう自分を消せずにここまできてしまった。

もう、もちろん誰にも褒めらなくなり、そんな自分は、いつしかで ....
どこか短気で
頭もバカだから
この何もかもに
たったの一言で以て始末をつけたいのだ
でも直感として分かっている
はなから
一言でつけられる始末じゃないってことは

でもなかなか
謙虚 ....
道草次郎(642)
タイトル カテゴリ Point 日付
三者三様自由詩2*20/10/26 8:42
流れず星自由詩4*20/10/25 22:05
散文三つばかり散文(批評 ...4*20/10/25 8:53
はなむけ自由詩2*20/10/24 23:41
詩など三編自由詩3*20/10/24 21:21
何もかもよくわからない自由詩3*20/10/24 5:14
秋雨前線自由詩120/10/23 12:30
幸福に近い場所自由詩020/10/22 22:22
比喩のない希望自由詩220/10/22 17:43
後れ毛自由詩020/10/22 9:19
安置室の話など散文(批評 ...120/10/21 22:17
それは陽を待つのかも知れない自由詩120/10/21 17:17
ある町の情景自由詩0*20/10/21 9:11
しびと(詩人)自由詩020/10/20 21:09
メッセージ・イン・ア・ボトル自由詩120/10/20 12:35
秋の童自由詩320/10/20 9:05
なんの纏いもなく自由詩020/10/19 21:07
紙っぺらに殴り書き自由詩3*20/10/19 12:32
ほんの紙片自由詩5*20/10/19 8:54
チェーン脱着所にて自由詩9*20/10/18 20:49
一日遅れの敬老の日散文(批評 ...3*20/10/18 9:13
詩と三日月自由詩320/10/17 20:50
鳥へ自由詩4*20/10/17 20:23
つまらない雑文散文(批評 ...1*20/10/16 21:03
昼休みの両義性自由詩2*20/10/16 12:32
オームの法則の失敗自由詩1*20/10/15 21:30
鉄の歩自由詩2*20/10/15 10:17
秋のカーディガン自由詩6*20/10/15 6:53
野への投身自由詩1*20/10/14 21:23
これでも詩だってのか?自由詩3*20/10/13 23:59

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